富士山須走口の下山後は、景色なら富士八景の湯、料金と設備なら御胎内温泉が有力です。
通常はいずれも10時から21時まで、最終受付は20時です。ただし、実際の出発地点は須走口五合目ではなく、マイカー規制時に車を置いた乗換駐車場になる点に注意してください。
須走口下山後の温泉はどこがおすすめ?
富士山を見返しながら休みたい人には富士八景の湯、料金を抑えて複数の浴槽や食事処を利用したい人には御胎内温泉が向いています。
2026年8月28日に両施設の公式案内、御殿場市観光協会の施設情報を確認した結果は、次の通りです。
比較項目 富士八景の湯 御胎内温泉健康センター
所在地 静岡県御殿場市深沢2564-19 静岡県御殿場市印野1380-25
須走口五合目から 約25km・車で約40〜45分の目安 約30km前後・車で約45〜55分の目安
須走多目的広場・道の駅すばしり周辺から 約15km・車で約25〜30分の目安 約20km前後・車で約30〜40分の目安
通常営業時間 10:00〜21:00 10:00〜21:00
最終受付 20:00 20:00
通常の定休日 第2・第4木曜日。祝日の場合は営業 毎週火曜日。祝・祭日の場合は翌日休館
平日大人料金 3時間1,200円 3時間600円
土日祝大人料金 3時間1,500円 3時間800円
子ども料金 平日600円、土日祝700円 平日300円、土日祝400円
タオルセット 300円 350円
駐車場 無料、約50台 専用無料駐車場、約110台
食事・休憩 食事処、休憩スペースあり レストラン、休憩所、売店あり
主な特徴 富士山の眺望、露天風呂、ナイト料金 富士檜の湯、富士溶岩風呂、サウナ
向いている人 景色と帰路への出やすさを重視する人 料金、浴槽、館内滞在を重視する人
距離と所要時間は道路ルートを基にした概算で、施設が保証する数値ではありません。ふじあざみラインや国道138号の交通量、工事、出発地点によって変わるため、当日は地図アプリで再確認してください。
選び方をさらに短くまとめると、次のようになります。
- 最短候補を選ぶなら:富士八景の湯
- 入館料を抑えるなら:御胎内温泉
- 富士山の眺望を優先するなら:富士八景の湯
- 浴槽の種類や食事処を重視するなら:御胎内温泉
- 20時近い到着なら:どちらも厳しいため別案を用意
- 公共交通で下山するなら:御殿場駅経由の乗継時間を要確認
ここでいう「最短」は、須走口五合目や須走地区から御殿場方面へ向かう一般的な経路を想定したものです。渋滞や道路状況によっては差が縮まることもあります。
また、古い観光情報には富士八景の湯の大人料金を平日1,000円、土日祝1,300円と記載したものがあります。しかし、2026年8月28日に確認した施設公式の料金表では、平日1,200円、土日祝1,500円と表示されています。
温泉情報は古いページが検索結果に残りやすいため、料金だけでなく休館日や営業時間も、利用当日の公式発表を優先してください。
マイカー規制中はどこから温泉へ向かう?
マイカー規制中の登山者は、須走口五合目から直接温泉へ運転するのではなく、シャトルバスなどで乗換駐車場へ戻ってから自家用車で向かいます。
この違いを理解していないと、温泉への到着予定を30分以上早く見積もってしまう可能性があります。
須走口では、マイカー規制期間中、ふじあざみラインを自家用車で五合目まで上がれません。一般には須走多目的広場周辺の乗換駐車場へ車を置き、シャトルバスまたはシャトルタクシーで須走口五合目へ向かいます。
下山後の流れは、次のように考えます。
1. 須走口五合目へ下山する
2. シャトルバスまたはタクシーを待つ
3. 乗換駐車場へ移動する
4. 登山装備を整理して自家用車へ乗る
5. 国道138号方面から温泉へ向かう
6. 入浴後に御殿場IC、新御殿場IC、宿泊先などへ移動する
五合目から乗換駐車場までの移動時間だけでなく、バス待ち、荷物整理、着替えにも時間がかかります。温泉の到着時刻を計算するときは、五合目への下山時刻に少なくとも1時間程度の余裕を加えると現実的です。
例えば17時30分に五合目へ着いても、すぐ温泉へ向かえるとは限りません。バス待ちと移動を経て車へ戻り、温泉に到着するころには19時を過ぎる場合があります。
両施設の通常の最終受付は20時です。19時台に駐車場を出発する状況なら、施設へ電話で受付状況を確認するか、入浴を翌日に回す判断も必要になります。
マイカー規制日以外も五合目出発とは限らない
規制日以外に須走口五合目まで自家用車で上がった場合は、五合目から施設までの距離を基準にします。ただし、五合目駐車場が混雑し、離れた場所に駐車するケースも考えられます。
一方、最初から須走地区の宿や道の駅周辺を拠点にした人は、その場所を出発地点として計算します。「須走口から何分」という表現だけでは、五合目、須走多目的広場、道の駅すばしりのどこを指すか分かりません。
僕が登山計画で大切にしているのは、地名ではなく自分の車が実際にある地点を基準にすることです。山を下りても、車へ戻るまでは移動の途中なのです。
公共交通利用者は御殿場駅経由で考える
須走口五合目から登山バスで御殿場駅へ戻る人は、駅から各施設への二次交通が必要です。
富士八景の湯は、公式案内でJR御殿場駅乙女口との無料送迎バスを掲載しています。ただし、通常の送迎便は夕方前までの設定が中心で、運休日もあります。登山後の到着時刻に合うとは限りません。
御胎内温泉は、御殿場駅から「太平洋クラブ御殿場ウエスト行き」の路線バスを利用し、「富士山樹空の森」で降りる経路が案内されています。バス停から温泉までは徒歩約5分の目安です。
ただし、公式掲載の便数は多くなく、夕方以降の往路が限られます。公共交通で下山した人が温泉へ寄る場合は、駅へ着いてから考えるのではなく、往路と復路の時刻を事前に組み合わせてください。
遅い時間はタクシーが現実的な選択肢になりますが、待ち時間や運賃が発生します。温泉から御殿場駅へ戻る足まで確保しておくことが重要です。

富士八景の湯の料金・営業時間・駐車場は?
富士八景の湯は通常10時から21時まで営業し、最終受付は20時です。富士山の眺望と御殿場IC方面への移動しやすさを重視する人に向いています。
所在地は、静岡県御殿場市深沢2564-19です。御殿場ICから国道138号を箱根方面へ進み、長尾峠へ分かれる交差点付近にあります。
公式案内で確認できる通常の3時間料金は、次の通りです。
- 平日:大人1,200円、小人600円
- 土日・祝日:大人1,500円、小人700円
- 大人:中学生以上
- 小人:3歳以上小学生まで
- 貸タオルセット:1組300円
- 貸館内着セット:1組400円
17時以降に入館する「ナイト料金」は、通常料金から100円引きです。したがって、大人は平日1,100円、土日祝1,400円が目安となります。
ただし、割引のために到着を遅らせる必要はありません。下山後は混雑や眠気も考え、余裕を持って移動するほうが安全です。
通常の休館日は毎月第2・第4木曜日で、該当日が祝祭日の場合は営業すると公式利用案内に記載されています。臨時休館や季節運用が告知される可能性もあるため、当日の営業確認は欠かせません。
駐車場は無料で、御殿場市のスポーツ・観光案内では約50台とされています。登山シーズンの土日祝や夕方は、一般観光客と下山後の登山者が重なる可能性があります。
富士八景の湯を選ぶ最大の理由は眺望
富士八景の湯の特徴は、露天風呂や内湯から富士山麓の景色を楽しめることです。
数時間前まで歩いていた富士山を、下山後に外側から見返せる。この距離の変化が、須走口の長い一日を静かに締めくくってくれます。
ただし、富士山が見えるかどうかは天候次第です。御殿場側が晴れていても山頂だけ雲に隠れることがあり、夕方は西日や雲量によって見え方が変わります。
眺望だけを唯一の目的にすると、曇天時の満足度が下がるかもしれません。景色は大きな魅力だが、保証されるものではないと考えて選びましょう。
食事処の終了時刻にも注意する
館内には食事処と休憩スペースがあります。ただし、入浴受付が20時まででも、食事の注文を同じ時刻まで受け付けているとは限りません。
下山後の夕食まで館内で済ませたい人は、温泉の最終受付だけでなく、食事処の営業時刻も当日に確認してください。
入浴後に東名高速道路へ向かう人にとっては、富士八景の湯で休憩してから御殿場IC方面へ移動できることが利点です。一方、疲労が強い日は食事まで詰め込まず、短い入浴と休憩に絞るほうがよい場合もあります。
御胎内温泉の料金・営業時間・正しい住所は?
御胎内温泉健康センターは、平日大人600円、土日祝800円で3時間利用でき、複数の浴槽とレストランを備えた日帰り温泉です。
正しい所在地は、〒412-0008 静岡県御殿場市印野1380-25です。
印野1382-1ではありません。印野1382-1は隣接する富士山御胎内清宏園の住所であり、御胎内温泉健康センターと混同しないよう注意してください。
カーナビへ入力するときは、住所だけでなく施設名の「御胎内温泉健康センター」または電話番号「0550-88-4126」で検索すると確認しやすいでしょう。
2026年8月28日に公式利用案内で確認できた料金は、次の通りです。
- 平日3時間:大人600円、小人300円
- 土日祝3時間:大人800円、小人400円
- 大人:高校生以上
- 小人:3歳以上中学生まで
- 延長1時間:大人100円、小人50円
- タオルセット:350円
- 館内着セット:550円
入館料にタオルや館内着は含まれていません。登山用とは別に入浴用タオルを車へ置いておけば、追加料金を抑えられます。
通常営業時間は10時から21時までで、受付終了は20時です。定休日は毎週火曜日で、火曜日が祝日または祭日の場合は翌日が振替休館となります。
御殿場市観光協会の案内では、12月30日と31日も休館です。1月1日から5日は10時から17時まで、受付終了16時という短縮営業が示されているため、年末年始は通常時間で考えないでください。
専用無料駐車場があり、案内上の収容台数は約110台です。大型バス用駐車場は団体予約が優先され、一般利用を希望する場合は事前連絡が必要とされています。
御胎内温泉は浴槽と館内滞在が充実
公式案内には、次の浴槽や設備が掲載されています。
- 露天風呂
- 大浴場
- バイブラの湯
- 富士檜の湯
- 富士溶岩風呂
- 水風呂
- サウナ
- 休憩所
- レストラン
- 売店
- リラクゼーション
須走口の下山道では、火山礫や砂の上で踏ん張り続けます。その日の終わりに「富士溶岩風呂」という名前へ触れると、登山中に足元で見ていた黒い砂礫と、富士山が火山である事実がつながります。
富士八景の湯が登った山を外から眺め直す場所なら、御胎内温泉は山麓の森林と火山文化の内側で休む場所です。これは料金表だけでは見えにくい、両施設の本質的な違いだと僕は考えます。
レストランは昼と夜で営業時間が分かれる
公式案内上のレストラン営業時間は、11時から14時、17時から19時30分です。料理と飲み物のオーダーストップも19時30分とされています。
温泉の受付終了である20時より早いため、19時30分以降に着くと食事を注文できない可能性があります。
下山後の夕食も予定している人は、19時30分を重要な境界として考えてください。臨時休業や提供内容の変更もあるため、最新のお知らせを確認する必要があります。
御胎内温泉の公式サイトでは、2026年8月12日に8月の休館日、8月26日にレストラン「のりのり」からのお知らせが掲載されました。営業情報が実際に更新されている施設だからこそ、古いまとめ記事ではなく新着情報を見ることが大切です。

須走口下山後の温泉選びで失敗しない方法は?
施設の豪華さより、到着時刻、体調、車の位置、入浴後の帰路を基準に選ぶことが失敗を防ぎます。
特に重要なのは、温泉へ間に合わせるために下山を急がないことです。最終受付に間に合わなければ、その日は入浴を見送る判断も登山計画の一部です。
20時の最終受付から逆算する
両施設とも、通常の最終受付は20時です。
余裕を持って入館するなら、19時30分までの到着を一つの目安にするとよいでしょう。駐車、装備整理、受付、洗い場の利用にも時間が必要だからです。
御胎内温泉で食事も取る場合は、レストランのオーダーストップである19時30分より前に注文できる計画が必要です。
下山予定が遅れる可能性を考え、登山前に次の3案を用意しておくと慌てません。
- 第一候補:予定通り下山できた場合の温泉
- 第二候補:休館や混雑で利用できない場合の施設
- 中止条件:20時に間に合わない、体調が悪い、運転者が強く眠い場合
砂まみれの装備を入浴バッグと分ける
須走口の下山後は、登山靴、ゲイター、靴下、ズボンの裾に細かな砂が残ります。
僕が須走で下山するときは、入浴用品を登山ザックの底へ入れません。着替え、タオル、下着、ビニール袋を小さなバッグにまとめ、車へ戻ったらすぐ取り出せる位置へ置きます。
汚れた衣類やゲイターは袋へ分け、施設が認めた場所で靴の砂を落とします。駐車場や更衣室へ砂を広げないことは、富士山を訪れる登山者としての基本的な配慮です。
この準備だけで、疲れた身体でザックを全部開ける必要がなくなります。下山後の温泉では、浴槽の数以上に「入浴までの手間の少なさ」が快適さを左右します。
入浴前に水分を補う
登山後は、喉の渇きを強く感じていなくても水分が不足している可能性があります。まず水分を少しずつ補い、呼吸や脈拍が落ち着いてから入浴しましょう。
熱い湯への長時間入浴や、サウナと水風呂の反復は、下山直後の身体へ負担をかけることがあります。最初は短めの入浴にとどめ、その日の体調を確かめてください。
頭痛、吐き気、ふらつき、強いだるさなどがある場合は、入浴を見合わせる判断が必要です。症状が強い、または改善しないときは、休息を取り、必要に応じて医療機関などへ相談してください。
湯上がり後の運転に余白を残す
早朝から登山した日は、入浴によって緊張が解けた後に眠気が強くなることがあります。
運転担当者は湯上がり後すぐ出発せず、休憩所で水分を取り、眠気がないか確認してください。同行者と運転を交代できない場合は、安全な場所で十分に休む必要があります。
僕は富士登山の終点を五合目だとは考えていません。装備を片づけ、身体の状態を確かめ、安全に自宅や宿へ着くまでが一つの登山です。
富士八景の湯と御胎内温泉をどう選ぶべきか?
ここからは、須走口を繰り返し歩いてきた登山者としての私見です。
温泉選びの優先順位は、「営業しているか」「安全に着けるか」「入浴後に休めるか」「好みの設備があるか」の順がよいと考えています。
富士八景の湯は、須走地区から国道138号を通って御殿場・箱根方面へ向かう流れに組み込みやすく、富士山を眺め直せることが魅力です。東京・神奈川方面へ東名高速道路で帰る人にも検討しやすいでしょう。
御胎内温泉は富士八景の湯より奥へ移動する可能性がありますが、料金が低く、浴槽、レストラン、休憩所の選択肢が豊富です。短い入浴だけでなく、食事と休憩を組み合わせたい人に向いています。
ただし、「御胎内温泉のほうが安いから」という理由だけで距離を延ばす必要はありません。燃料費、移動時間、運転者の疲労まで含めれば、近い施設を選ぶほうが合理的な場合があります。
逆に、宿泊先が御殿場市西部や富士山南麓方面にあるなら、御胎内温泉への移動が大きな遠回りにならないこともあります。温泉単体ではなく、次の目的地まで含めて地図を見ることが重要です。
僕が両施設の違いを一言で表すなら、富士八景の湯は「登った富士を見返す湯」、御胎内温泉は「富士山麓の自然に包まれる湯」です。
須走口の砂走りを下り切った足には、どちらの湯も旅の区切りを与えてくれます。しかし、温泉は登頂の賞品でも、必ず消化すべき予定でもありません。
山では、引き返す判断が登頂より価値を持つ日があります。下山後も同じです。時間や体調が合わなければ、温泉を諦めて宿へ直行する選択が、その日の最善になります。
まとめ
富士山須走口の下山後に温泉へ立ち寄るなら、富士八景の湯と御胎内温泉健康センターが代表的な候補です。
富士八景の湯は、御殿場市深沢2564-19にあり、通常10時から21時まで、最終受付は20時です。3時間料金は平日大人1,200円、土日祝1,500円で、17時以降は通常料金から100円引きとなります。
御胎内温泉健康センターの正しい住所は、御殿場市印野1380-25です。通常10時から21時まで、最終受付は20時で、3時間料金は平日大人600円、土日祝800円です。
近さと眺望なら富士八景の湯、料金と浴槽・館内設備なら御胎内温泉という選び分けが分かりやすいでしょう。
マイカー規制中は、五合目から乗換駐車場へ戻る時間も必要です。料金、営業時間、休館日、混雑、道路状況を当日に確認し、温泉へ急ぐための無理な下山は避けてください。
富士はただの山ではありません。人の心を映す鏡であり、語り継ぐべき物語です。
湯船の向こうに富士が見えても、雲に隠れていても、無事に山麓へ戻った事実は変わりません。その安堵を受け止め、安全に帰路へ就くところまでが、須走口登山の最終章です。
よくある質問
須走口から最も近い候補は富士八景の湯ですか?
今回比較した2施設では、一般的に富士八景の湯のほうが須走地区から近い候補です。ただし、マイカー規制中は車を置いた乗換駐車場が実際の出発地点となるため、当日の地図検索で確認してください。
富士八景の湯と御胎内温泉は何時まで入れますか?
通常はいずれも10時から21時まで営業し、最終受付は20時です。臨時休館、短縮営業、季節運用が行われる場合があるため、利用当日に公式案内を確認してください。
御胎内温泉の住所は印野1382-1ですか?
違います。御胎内温泉健康センターの正しい住所は、静岡県御殿場市印野1380-25です。印野1382-1は、周辺施設である富士山御胎内清宏園の住所です。
執筆:神楽 岳志(かぐら・たけし)
登山エッセイスト|富士山研究家|自然体験ストーリーテラー
情報確認日:2026年8月28日
確認資料:富士八景の湯公式利用案内、御胎内温泉健康センター公式利用案内、御殿場市観光協会施設情報、静岡県観光協会須走口アクセス案内

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