2026〜2027年の年末年始は、富士山の眺望と初日の出を分け、客室・温泉・早朝動線まで確認して宿を選ぶのが正解です。
富士山ビューを公式情報で確認しやすい10宿を中心に、眺望が限定的な温泉重視の2宿も参考候補として紹介します。富士山側客室から初日の出も見えるとは限らないため、2027年元日は東南東の空と富士山の位置関係を理解しておきましょう。
本稿は2026年8月28日現在、各宿の公式サイト・公式FAQ・公式アクセス情報、国立天文台暦計算室、自治体・観光協会の公開情報を基にまとめています。
ただし、2026年12月31日泊の空室、実売料金、正月料理、館内催事、元日の送迎、特別キャンセル規定は、全施設を同一条件で比較できる公式情報がそろっていません。未確認事項を推測で補わず、通年で確認できる設備と予約前に確認すべき条件を分けて解説します。
富士山を眺めながら過ごせるグランピングは、施設によって景色も過ごし方もかなり違います。
「どこを選べばいい?」と迷ったら、富士山周辺のグランピング選びをまとめた記事を先に見ておくとイメージしやすいです。
2026〜2027年末年始の富士山温泉宿はどう選ぶ?
結論は、富士山の眺望、初日の出、天然温泉、正月の食事、冬季交通を別項目として確認することです。
「富士山が見える宿」と書かれていても、すべての客室から見えるとは限りません。富士山側、湖側、庭園側、眺望指定なしなど、複数の客室タイプが混在する施設があります。
同じように、「露天風呂付き客室」という名称だけでは天然温泉かどうかを判断できません。大浴場は温泉でも客室風呂は沸かし湯という宿がある一方、客室露天風呂にも温泉を引いている宿もあります。
さらに、富士山が見える方向と初日の出の方向は別です。2027年1月1日の太陽は東南東寄りから昇るため、富士山側の窓がそのまま日の出側になるとは限りません。
12宿の位置づけと確認できた内容
以下では、公式情報として確認できる事実、筆者としての評価、年末年始に確認が必要な事項を分けました。
宿名 区分 公式情報で確認できる眺望・温泉 筆者の評価 2026〜2027年末年始の要確認事項
ラビスタ富士河口湖 富士山ビュー候補 富士山・河口湖を望む客室タイプ、天然温泉、貸切風呂 洋食とリゾート感を重視する人向け 12月31日の料理、送迎枠、特別キャンセル規定
湖楽おんやど富士吟景 富士山ビュー候補 多くの客室、最上階露天風呂から富士山と河口湖 湖越しの正面性が魅力 予約客室の眺望、正月料理、元日の入浴時間
富士レークホテル 富士山ビュー候補 富士山側客室、館内展望場所、河口湖温泉 三世代旅行と送迎重視に向く 富士山側客室の販売状況、元日送迎
ホテル鐘山苑 富士山ビュー候補 富士山側客室、屋上露天風呂、富士山温泉 庭園を含む和の滞在向け 屋上露天風呂の利用時間、正月催事
河口湖温泉 うぶや 富士山ビュー候補 全客室や大浴場などから富士山、大浴場は温泉 客室眺望を最優先する人向け 客室風呂は非温泉、食事内容、送迎
ホテル マウント富士 富士山ビュー候補 高台から富士山と山中湖、温泉・露天風呂 初日の出と紅富士を二幕で楽しみやすい 早朝展望場所、高台道路、送迎
ホテルグリーンプラザ箱根 富士山ビュー候補 富士見露天風呂、富士見客室、仙石原温泉 箱根観光を組み合わせやすい 客室指定、露天風呂の時間、冬季交通
レンブラントプレミアム富士御殿場 富士山ビュー候補 天然温泉大浴場などから富士山 車移動と朝日に染まる富士山向け 元日早朝の浴場利用、路線バス
休暇村富士 富士山ビュー候補 田貫湖越しの富士山、天然温泉 静かな湖畔滞在向け 元日の入浴時間、路面凍結、展望場所
富岳群青 富士山ビュー候補 全8室から駿河湾越しの富士山、全室温泉露天風呂 客室滞在を目的にする記念旅行向け 12月31日の販売条件、送迎・交通
足和田ホテル 温泉重視の参考候補 河口湖の眺望、天然温泉、露天風呂 静かな西湖岸寄りの環境が魅力 客室からの富士山眺望を個別確認
土肥ふじやホテル 温泉重視の参考候補 対象客室に源泉掛け流し露天風呂、駿河湾眺望 温泉と海鮮料理を優先する人向け 富士山の見え方は限定的で個別確認が必要
足和田ホテルと土肥ふじやホテルは、全館または対象客室からの明確な富士山ビューを前提に選ぶ宿ではありません。そのため、本稿では「富士山が見える10宿」と同列に断定せず、温泉や静かな立地を重視する場合の参考候補として扱います。
僕が比較するときは、単純な順位を付けません。河口湖では湖越しの正面性、山中湖では初日の出後の紅富士、御殿場では朝日を受ける山肌、田貫湖と西伊豆では水面を挟んだ距離感を評価します。
富士山は、見る土地によって表情を変えます。宿選びとは料金順に部屋を並べることではなく、新年の朝にどの方角から富士と向き合うかを決めることなのです。
河口湖・富士吉田の富士山ビュー温泉宿5候補
河口湖・富士吉田では、富士山側の客室を選べる宿が多く、河口湖駅や富士山駅からの送迎も利用できます。
ただし、河口湖北岸などから富士山を見る視線はおおむね南寄りです。2027年元日の初日の出が現れる東南東とは一致しないため、初日の出と富士山を同じ窓で見ることより、日の出後に光を受ける冬富士を待つ滞在に向いています。
ラビスタ富士河口湖|富士山ビューバスと貸切風呂
ラビスタ富士河口湖は、富士山ビュー、天然温泉、洋食を組み合わせたい人の候補です。
公式サイトでは、河口湖と富士山を望むビューバス付き客室のほか、天然温泉の大浴場、貸切風呂、岩盤浴が案内されています。夕食は洋食コース、朝食は和洋バイキングが基本で、和風旅館とは異なるリゾート型の滞在です。
すべての部屋が同じ向きではないため、予約画面で「富士山眺望」「ビューバス」などの表記を確認してください。富士山が見えることを最優先するなら、眺望指定のない安価なプランだけで判断しない方が安全です。
河口湖駅からの無料送迎は事前予約制です。12月31日は利用が集中する可能性があるため、客室予約後に送迎の予約方法、便、荷物の扱いを確認しましょう。
年越しそばや2027年元日の正月料理については、通常の食事案内から実施を推測できません。宿泊プランに記載された当日の献立を確認する必要があります。
湖楽おんやど富士吟景|最上階露天風呂から湖越しの富士山
湖楽おんやど富士吟景は、客室だけでなく露天風呂からも河口湖越しの富士山を眺めたい人に向きます。
公式トップページでは全室から富士山と河口湖を望めると案内されています。一方、公式客室ページには「ほぼ全てのお部屋」という表現もあるため、眺望を必須条件にする場合は、予約する部屋の位置を宿へ確認するのが確実です。
最上階の展望露天風呂「富士見の湯」からは、富士山と河口湖を一望できると案内されています。温泉は単純温泉、低張性弱アルカリ性泉です。
河口湖駅から車で約5分で、送迎と無料駐車場があります。元日の朝に展望露天風呂を利用できるか、男女の利用時間、入れ替えの有無も事前に確認しましょう。
通常のキャンセル案内と年末年始の特別プランでは条件が異なる可能性があります。最終的には予約画面に表示されるプラン固有の規定が適用されます。
富士レークホテル|客室温泉と送迎を重視する旅に
富士レークホテルは、親子旅行や三世代旅行など、移動の負担を抑えながら富士山と温泉を楽しみたい人の候補です。
公式情報では、富士山側客室、朝食会場「スカイホール芙蓉」、館内の富士山展望台などから富士山を望めると案内されています。すべての客室が富士山側ではないため、部屋名と眺望条件の確認が必要です。
大浴場には河口湖温泉が引かれています。公式FAQでは、露天風呂付き客室の風呂も温泉と明記されており、客室内で天然温泉を楽しみたい人にとって重要な判断材料です。
河口湖駅から徒歩約10分で、駅到着後に連絡する無料送迎も案内されています。ホテルから駅へ向かう朝の送迎がありますが、2027年1月1日の運行時刻は通常日と同じとは限りません。
富士山側の客室、温泉露天風呂付き客室、眺望指定なしの部屋では条件が異なります。「ホテル名」だけで比較せず、予約する客室単位で検討してください。
ホテル鐘山苑|屋上露天風呂と日本庭園
ホテル鐘山苑は、富士山温泉だけでなく、日本庭園や和の空間を含めて正月らしい滞在を楽しみたい人に向きます。
公式サイトでは、富士山を望む屋上露天風呂「富士山」と富士山温泉が案内されています。客室には富士山側と庭園側などがあるため、何を眺めたいかによって選択が変わります。
元日の富士山を重視するなら、客室の階数、窓の向き、屋上露天風呂の朝の利用時間を確認してください。浴場の男女利用時間や営業条件は変更される場合があります。
富士山駅と河口湖駅方面から送迎を利用できる公式案内があります。ただし、事前予約便か到着後の連絡かなど、利用方法は交通手段によって異なります。
過去に年末年始の催事や特別プランが行われた事例があっても、2026〜2027年の実施を保証するものではありません。餅つき、年越しそば、祝い膳などが目的なら、今回の宿泊プランに明記されているかを確認しましょう。
河口湖温泉 うぶや|全客室から富士山を望む宿
河口湖温泉 うぶやは、客室からの富士山眺望を最優先し、館内でゆっくり過ごしたい人の有力候補です。
公式サイトと公式FAQでは、全客室から富士山を望めると案内されています。大浴場やラウンジを含め、館内のさまざまな場所から河口湖越しの富士山を眺められることが特徴です。
温泉については注意点があります。大浴場の「富士のゆ」は温泉ですが、公式FAQによると客室の風呂は温泉ではありません。
つまり、うぶやは「客室から富士山を見ること」に強い一方、客室内の天然温泉を最優先する人は富士レークホテルの対象客室や富岳群青とも比較する必要があります。
河口湖駅到着後に利用できる送迎時間も公式に案内されていますが、年末年始の対応は宿泊日を指定して確認してください。

山中湖・箱根・御殿場・田貫湖・西伊豆の5候補
河口湖以外では、富士山が見える角度だけでなく、温泉旅行の組み立て方そのものが変わります。
初日の出と紅富士なら山中湖、箱根観光との組み合わせなら仙石原、東名高速道路を使うなら御殿場、静かな湖畔なら田貫湖、温泉露天風呂からの海越しの富士山なら西伊豆が候補です。
ホテル マウント富士|初日の出と紅富士を分けて楽しむ
ホテル マウント富士は、山中湖の高台から富士山を眺め、初日の出後の紅富士も狙いたい人に向きます。
公式サイトでは、富士山と山中湖を望む高台のホテルとして紹介され、温泉、露天風呂、サウナが案内されています。
ここで誤解しやすいのが、元日の太陽と富士山の位置関係です。山中湖で冬に見られるダイヤモンド富士は、山中湖観光協会の説明では基本的に日没時の現象であり、元日の朝に富士山頂から太陽が昇るという意味ではありません。
元日は東南東の空から昇る太陽を見た後、富士山へ視線を移し、朝日に照らされる山肌を待つのが地理に合った楽しみ方です。
高台へ向かう道路は凍結する可能性があります。ホテルマウント富士入口バス停からの送迎方法と最終時刻、元日早朝に館内または敷地内で安全に空を見られる場所を確認しておきましょう。
ホテルグリーンプラザ箱根|富士見露天風呂と箱根観光
ホテルグリーンプラザ箱根は、富士山が雲に隠れた日でも箱根観光へ予定を切り替えやすい宿です。
公式サイトでは、富士山を望む露天風呂と仙石原温泉が特徴として案内されています。客室からの眺望を重視する場合は、「富士見」と明記された客室タイプを選ぶ必要があります。
箱根ロープウェイの姥子駅や路線バスの停留所からアクセスできます。ただし、年末年始は交通機関の時刻や運行条件が通常と異なる可能性があります。
箱根は標高差があり、御殿場市街地の路面に雪がなくても、仙石原や日陰の坂道が凍結していることがあります。車なら冬用タイヤを前提とし、道路情報を出発直前にも確認してください。
富士見露天風呂から元日の早朝に富士山を見られるかどうかは、浴場の営業時刻、男女入れ替え、天候に左右されます。予約前に宿泊日を伝えて確認しましょう。
レンブラントプレミアム富士御殿場|天然温泉から富士山
レンブラントプレミアム富士御殿場は、東名高速道路を利用し、車でアクセスしやすい富士山温泉宿を探す人の候補です。
公式サイトでは、4階の天然温泉大浴場などから富士山の裾野から山頂までを望めると案内されています。夕方には富士山、夜には御殿場の街明かりと、時間による景色の変化を楽しめます。
御殿場は富士山の東から南東側に位置しますが、客室や大浴場から富士山を見る方向と、元日の太陽が現れる方向が一致するとは限りません。
この宿でも狙いたいのは、太陽と富士山を一つの窓へ収めることより、朝日を受けて変化する富士山です。利用する客室の向きと元日早朝の大浴場利用時間を確認してください。
御殿場インターチェンジや御殿場駅からのアクセス情報は公式サイトで確認できます。公共交通の場合は、元日の路線バス時刻も別途確認が必要です。
休暇村富士|田貫湖越しの富士山と天然温泉
休暇村富士は、静かな湖畔を歩きながら、大きな富士山と天然温泉を楽しみたい人に向きます。
施設は田貫湖西岸にあり、公式サイトでは田貫湖越しに富士山を望む温泉リゾートとして案内されています。温泉はホテル脇の地下約1,200メートルから湧く天然温泉です。
田貫湖はダイヤモンド富士の撮影地として知られますが、山頂と太陽が重なる時期や位置は観賞地点によって変わります。2027年1月1日に宿の正面から富士山頂の日の出を見られるとは限りません。
湖畔は街灯が少ない場所もあり、元日の早朝は足元が凍結する可能性があります。ヘッドライト、防寒手袋、滑りにくい靴を用意し、立入禁止区域や私有地へ入らないようにしてください。
通常の温泉利用時間は公式サイトで案内されていますが、年末年始の清掃時間や特別営業については宿泊前に再確認しましょう。
富岳群青|全8室の温泉露天風呂と海越しの富士山
富岳群青は、客室で過ごす時間そのものを旅の目的にしたい人に向く西伊豆の宿です。
公式サイトでは、全8室から駿河湾越しの富士山を一望でき、すべての客室に温泉露天風呂を備えると案内されています。各室は約130平方メートルのスイートで、客室ごとに設えが異なります。
西伊豆では、海越しの富士山と東南東から昇る初日の出を同じ正面方向に見る構図にはなりません。夜明けの空、朝日を受ける駿河湾、その向こうの富士山を順番に味わう滞在です。
僕は、この時間差こそ西伊豆の魅力だと感じます。一つの絶景を急いで撮るのではなく、空から海、海から山へ光が渡っていく様子を客室で待てるからです。
車のほか、修善寺方面からのバスや駿河湾フェリーを組み合わせる方法があります。年末年始は運行時刻が変わる可能性があるため、送迎を含む接続を確認してください。

せっかく富士山の近くまで行くなら、「泊まる場所」そのものも旅の楽しみにしたいところです。
実は富士山周辺には、景色を楽しむ施設、食事を楽しむ施設、プライベート感を重視した施設など、選択肢があります。
何を基準に比べればいいのか、富士山グランピングの特徴と選び方をこちらの記事でまとめました。
候補を探し始める前に、ざっと目を通しておくだけでも選びやすくなります。
温泉重視なら参考にしたい2宿
足和田ホテルと土肥ふじやホテルは、富士山ビューを宿泊条件として確約しやすい10宿とは分けて検討します。
温泉、湖畔の静けさ、海鮮料理などに魅力がありますが、「富士山が見える部屋」を目的に予約する場合は個別確認が欠かせません。
足和田ホテル|河口湖西側の静けさと天然温泉
足和田ホテルは、観光施設が集まる河口湖中心部から少し離れ、静かな湖畔で年を越したい人の参考候補です。
公式サイトでは、天然温泉、露天風呂、ワイン風呂、河口湖を望む大浴場などが案内されています。温泉と湖畔環境は確認できますが、全客室から富士山を望める宿ではありません。
富士山眺望を条件にする場合は、予約する客室の窓から山頂まで見えるか、樹木や建物に遮られないかを宿へ確認してください。
河口湖駅との予約制送迎も案内されています。元日の運行時刻と、宿の敷地または徒歩圏内に安全な早朝観賞場所があるかも聞いておくと安心です。
土肥ふじやホテル|源泉掛け流し客室と西伊豆の海
土肥ふじやホテルは、富士山の眺望よりも、客室露天風呂と西伊豆の料理を優先したい人の参考候補です。
公式サイトによると、全36室のうち20室が露天風呂付き客室で、対象となる客室露天風呂は源泉100%掛け流しです。泉質はカルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉と案内されています。
一方、海が見えない一般客室もあり、すべての部屋から富士山を眺められる施設ではありません。富士山が見える可能性だけで「富士山ビュー宿」と断定するのは適切ではないでしょう。
この宿を選ぶなら、土肥温泉、駿河湾の夕景、海鮮料理を旅の中心に据え、富士山は天候と場所が合えば楽しめる景色として考えるのが現実的です。
2027年元日の初日の出は甲府・静岡基準で何時?
国立天文台暦計算室によると、2027年1月1日の天文上の日の出は、甲府で午前6時55分、方位角118.1度、静岡で午前6時54分、方位角117.9度です。
方位角は北を0度、東を90度として測るため、約118度は東南東を示します。ただし、これらは甲府と静岡の地点を基準に計算された時刻であり、紹介した12宿それぞれの窓から太陽が見え始める時刻ではありません。
周囲の山、建物、樹林に遮られれば、実際に太陽が見えるのは天文上の日の出より遅くなります。標高や視界の開け方によっても差が生じるため、宿ごとの「日の出時刻」を一律に断定することはできません。
富士山側客室から初日の出も見えるとは限らない
河口湖北岸から富士山を見る視線は、おおむね南寄りです。山中湖北岸からの富士山は南西寄りとなり、東南東から昇る元日の太陽とは方向が離れます。
御殿場、箱根、田貫湖、西伊豆でも、建物の配置や客室の窓の向きによって見える空が異なります。施設全体から富士山が見えても、予約する客室から初日の出側の空が開けているとは限りません。
予約前には、次の三つを分けて質問してください。
- 予約する客室から富士山の山頂まで見えるか
- 同じ客室または館内から東南東の空を見られるか
- 2027年1月1日の早朝に利用できる展望場所があるか
「富士山が見える部屋ですか」という一問だけでは不十分です。富士山と初日の出は別の窓、別の場所から見る可能性があると考えましょう。
山中湖では初日の出の後に紅富士を待つ
山中湖では、東南東の空に現れる初日の出と、朝日を受ける富士山を分けて楽しめます。
冬のダイヤモンド富士は日没時が中心です。元日の朝に山頂から太陽が昇ると期待するのではなく、日の出を見た後に富士山へ視線を戻し、雪面へ赤みが差す紅富士を待ちます。
ただし、紅富士の色は雲量、雪の状態、大気の透明度によって変化します。必ず鮮やかに染まるわけではありません。
太陽だけを追えば、初日の出は短い出来事です。しかし、東の空から山頂へ移る光を追えば、新年の朝そのものが一つの物語になります。
河口湖では日の出後の山肌の変化を見る
河口湖では、富士山と太陽を同じ画角に収めることへ固執せず、日の出後に山肌へ届く光を待つ方が地理に合っています。
夜明け前の青灰色から、淡い赤、白、銀色へと雪面の見え方が変化します。その時間や発色は天候、雲、客室の位置によって異なるため、「日の出後何分」と一律には断定できません。
客室や露天風呂から富士山を見られる宿なら、暗い時間に車を出して撮影場所を探す必要がありません。この朝に移動しなくてよい価値は、道路が凍結しやすく、観光地が混みやすい年末年始ほど大きくなります。
元日早朝の冬道で必要な準備
富士五湖、箱根、御殿場、田貫湖では、降雪がなくても日陰、橋、坂道、湖畔道路が凍結することがあります。
車で向かう場合は冬用タイヤを装着し、チェーン規制、通行止め、駐車場の開場時刻を出発前に確認してください。ノーマルタイヤで積雪路や凍結路へ入る計画は避けるべきです。
早朝に徒歩で移動する場合は、次の装備が役立ちます。
- 防風性のある上着と調節しやすい重ね着
- ニット帽など耳を覆える防寒具
- 防寒手袋
- 滑りにくい冬用の靴
- 両手を空けられるヘッドライト
- 温かい飲み物
- 宿の連絡先と帰路を確認できる地図
湖畔では気温だけでなく風の強さが体感温度を左右します。暗い時間に慣れない道や凍結した斜面へ入らず、宿のスタッフに安全な観賞場所と出入口を尋ねてください。
12月31日泊の料金・食事・キャンセル条件はどう比べる?
2026年12月31日泊は、通常日と料金、食事、販売条件、キャンセル規定が異なる可能性があります。
検索結果に残る過去年の料金や、宿泊日・人数・食事条件の違う数字は比較に使えません。本稿でも、確認条件の分からない古い料金例は掲載しません。
料金を比較するときは、次の条件をそろえてください。
- 宿泊日:2026年12月31日から1泊
- 利用人数:大人2人
- 客室数:1室
- 食事条件:夕朝食付き
- 金額:税・サービス料・入湯税の扱い
- 眺望条件:富士山側を指定できるか
- 風呂条件:客室露天風呂の有無と天然温泉か
- 確認日:料金を調べた年月日
- 決済条件:事前決済か現地決済か
- キャンセル条件:無料期限と発生率
同じ宿でも、眺望指定なしの一般客室と、温泉露天風呂付き富士山側客室では価格が大きく異なります。ポイントやクーポンを使った後の金額ではなく、利用前の税込総額で比較しましょう。
料金・空室・販売プランは変動します。最新情報は各宿の公式予約画面で確認してください。
年末年始プランの販売状況を確認する
2026年8月28日時点で、全12宿について12月31日泊の販売状況を同じ条件で確認できる情報はそろっていません。
予約画面に空室が表示されない場合でも、完売とは限りません。販売前、会員先行販売、電話受付のみ、旅行会社への在庫配分などの可能性があります。
反対に、検索結果に宿泊プランが表示されても、12月31日だけ除外日になっている場合があります。必ず日付、人数、客室タイプを入力し、予約確定直前の条件まで確認してください。
正月料理は「夕朝食付き」だけでは分からない
夕朝食付きプランであっても、おせち、雑煮、祝い膳、年越しそばが含まれるとは限りません。
予約前には、次の内容をプラン単位で確認しましょう。
- 12月31日の夕食は通常料理か特別料理か
- 年越しそばの提供があるか
- 1月1日の朝食におせちや雑煮が含まれるか
- 子ども料理にも正月メニューが適用されるか
- 食物アレルギーへの対応が可能か
- 食事会場と開始時刻を選べるか
- 早朝の外出と朝食時間を両立できるか
過去の口コミに餅つき、琴の演奏、書き初めなどが登場しても、2027年に実施される根拠にはなりません。「以前行われた催事」と「今回のプランに含まれる催事」を区別してください。
元日送迎と早朝展望場所を確認する
通常日の送迎案内だけでは、2027年1月1日に同じ便が運行されるか判断できません。
宿へ問い合わせる際は、送迎の有無だけでなく、予約制か、最終受付時刻、荷物の扱い、元日朝の駅行き便まで確認します。
初日の出を見る人は、館内展望台、庭園、屋上、湖畔への出入口が早朝に開いているかも重要です。露天風呂から富士山が見える宿では、元日の入浴時間と男女入れ替えも確認してください。
特別キャンセル規定を予約前に保存する
年末年始のプランでは、通常より早い時点からキャンセル料が発生したり、事前決済限定になったりする場合があります。
無料キャンセル期限、人数変更、子どもの体調不良、交通機関の運休、積雪や通行止めの扱いを確認しましょう。
予約を確定したら、次の内容が分かる画面やメールを保存しておくと安心です。
- 正式なプラン名
- 客室名と富士山眺望の条件
- 客室風呂が天然温泉かどうか
- 夕食と朝食の内容
- 送迎の予約状況
- キャンセル規定
- 支払総額と追加料金
富士山研究家として選ぶ上位3宿と弱点
僕の私見では、年末年始の宿を選ぶ評価基準は、眺望の確実性、天然温泉の範囲、元日早朝の移動負担、悪天候時の過ごしやすさです。
この基準で候補を三つに絞るなら、うぶや、ホテル マウント富士、富岳群青を比較します。ただし、どの宿にも向き不向きがあります。
眺望の分かりやすさなら河口湖温泉 うぶや
うぶやは、全客室から富士山を望めるという公式案内があり、客室眺望を軸に選びやすい宿です。
弱点は、客室風呂が天然温泉ではないことです。客室内の温泉を最優先する人には条件が合わない可能性があります。
また、富士山と初日の出が同じ方向に見えるわけではありません。富士山側客室を取れば、部屋から初日の出も見えると考えないようにしましょう。
元日の二幕を楽しむならホテル マウント富士
ホテル マウント富士は、東南東の初日の出と、朝日を受ける紅富士を別々に楽しむ発想と相性がよい宿です。
高台から富士山と山中湖を望める一方、冬は高台への道路状況が弱点になります。車の場合は凍結対策が必要で、公共交通では送迎時刻に行動が左右されます。
元日早朝の館内動線や展望場所が宿泊者向けに開放されるかを確認できれば、判断しやすくなります。
客室温泉と海越しの富士山なら富岳群青
富岳群青は、全室に温泉露天風呂があり、客室から駿河湾越しの富士山を望めることが強みです。
弱点は、河口湖や山中湖より富士山が遠く、初日の出と富士山も同じ正面方向にはならないことです。富士山の迫力より、海、空、山の奥行きを楽しむ宿と考えるべきでしょう。
交通にも時間がかかるため、観光地を数多く回る旅より、宿へ早めに入り、客室で過ごす旅に適しています。
僕が最終的に重視するのは、元日の暗い時間に車を出さなくてよいことです。凍結路を走り、混雑した駐車場を探すより、宿の窓から空を確認し、安全な展望場所へ短時間で移動できる方が、新年の景色と静かに向き合えます。
よくある質問
2027年元日の初日の出は富士山頂から昇りますか?
河口湖や山中湖の一般的な観賞地点では、元日の太陽と富士山は別方向です。甲府・静岡基準では太陽は東南東寄りから昇り、山中湖の冬のダイヤモンド富士は基本的に日没時の現象です。
露天風呂付き客室なら天然温泉ですか?
宿によって異なります。富士レークホテルの対象客室、富岳群青、土肥ふじやホテルの対象客室は温泉と公式に案内されていますが、うぶやの客室風呂は温泉ではありません。
年末年始プランならおせちや年越しそばが付きますか?
必ず付くとは限りません。2026年12月31日の夕食と2027年1月1日の朝食、年越しそば、正月催事の内容を、予約するプラン単位で確認してください。
まとめ
2026〜2027年の年末年始に富士山と温泉を楽しむなら、富士山ビューを公式情報で確認しやすい10宿と、温泉重視の参考候補2宿を分けて検討してください。
予約時には、富士山が見える場所、天然温泉が使われている浴槽、東南東の空を見られる場所、元日早朝の館内動線を個別に確認します。富士山側客室だからといって、同じ窓から初日の出も見えるとは限りません。
12月31日泊の料金、正月料理、送迎、催事、キャンセル規定は、通常日の情報や過去の口コミではなく、2026〜2027年の宿泊プランで照合することが大切です。
僕は何度も冬の富士を見てきましたが、予定どおりの姿を見せてくれる朝ばかりではありません。霧に隠れる富士は、人の心の迷いに似ています。それでも夜明けを待ち、雲の切れ間から白い頂が現れた瞬間、新しい一年を迎える旅は、写真以上に深く心へ残るのです。
神楽 岳志(かぐら・たけし)
登山エッセイスト|富士山研究家|自然体験ストーリーテラー
富士山旅行では、観光地だけでなく「どこで夜を過ごすか」でも旅の印象は大きく変わります。
ホテルとは少し違う時間を楽しみたいなら、富士山を望めるグランピングも候補のひとつです。
ただし、景観、食事、設備、アクセスなどは施設ごとに違うため、雰囲気だけで決めると迷いやすいところ。
そこで、富士山周辺でグランピングを探すときに知っておきたいポイントを、こちらの記事で分かりやすく整理しています。
次の富士山旅行を考えている方は、気になる施設を探す前の参考にしてみてください。
「こんな過ごし方もあるのか」と、旅の選択肢が少し広がるはずです。


コメント