内閣府の富士山噴火シミュレーションは予言ではなく、首都圏で広域降灰が起きた場合の被害と行動を考えるための条件付き想定です。
2020年報告が被害想定の基礎、2025年3月28日公表のガイドラインが現行対策の基本方針に当たります。2026年には国と東京都による具体化協議も始まり、検討は「何が起きるか」から「実際にどう動くか」の段階へ進みました。
富士登山では、「何を持っていくか」以上に「どう揃えるか」で準備の負担が大きく変わります。
購入とレンタル、どちらが自分に合うのか迷ったら、装備選びで後悔しないための考え方をこちらの記事で整理しています。
内閣府の富士山噴火シミュレーションとは?
内閣府が示す富士山噴火シミュレーションは、富士山がいつ噴火するかを予知したものではありません。大規模噴火が発生した場合に、首都圏へどのように火山灰が広がり、交通や電力、物流、住民生活へ何が起こるかを検討するためのモデルです。
2026年8月時点で押さえておきたい公式資料の関係は、次のように整理できます。
- 2020年4月7日:中央防災会議のワーキンググループが、富士山噴火をモデルケースとした広域降灰の影響と対策を報告
- 2025年3月21日:内閣府の「首都圏における広域降灰対策検討会」が報告書を公表
- 2025年3月28日:内閣府が「首都圏における広域降灰対策ガイドライン」を公表
- 2025年5月28日:東京都防災会議が「東京都地域防災計画 火山編(令和7年修正)」を決定
- 2026年3月25日:内閣府と東京都が「首都圏における広域降灰対策具体化協議会」の第1回会合を開催
つまり、2020年報告はシミュレーションと被害想定の土台、2025年ガイドラインは住民や行政が取るべき行動の基本、2026年の協議会は地域別・分野別対策の具体化という関係です。
従来の記事では2020年報告が中心に紹介されがちでした。しかし、現在の避難判断や生活継続方針を確認するなら、2025年ガイドラインまで読まなければ全体像を正しくつかめません。
2026年の具体化協議会で何が始まったのか
2026年3月25日に始まった「首都圏における広域降灰対策具体化協議会」は、内閣府と東京都が共同で開催しています。
東京都をモデルケースとして、富士山噴火時の降灰分布や影響を災害リスクとして評価し、国、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、区市、ライフライン・インフラ関係機関などが連携して対策を具体化する枠組みです。
主な協議内容は、広域にまたがる降灰対策と、地域の実情に応じた具体策です。今後はワーキンググループなどで協議を続け、内閣府ガイドラインの改定や東京都地域防災計画の修正、他地域の対策にもつなげる方針が示されています。
僕が重要だと感じるのは、シミュレーションが単なる「怖い被害図」ではなくなったことです。道路をどの順番で除灰するか、医療を必要とする人をどう移動させるか、電力や水道をどう維持するかという実務へ、検討の焦点が移っています。
富士山噴火で東京にはどのくらい火山灰が降る?
東京都への影響が大きくなるモデルケースでは、多摩地域をはじめ、東京23区を含む区部の大部分に2〜10センチ程度以上の火山灰が積もる可能性が示されています。
ただし、東京全域に同じ厚さの灰が積もるという意味ではありません。まして、次の噴火で必ずこの分布になるという予測でもありません。
シミュレーションの条件は宝永噴火規模・ケース2
2025年ガイドラインが扱うモデルは、1707年の宝永噴火と同程度の大規模噴火を想定したものです。
採用されているのは、2020年報告で示された三つの風のケースのうち、人口・資産への影響が大きくなる「ケース2」です。
条件を一まとまりで整理すると、次のようになります。
- 噴火規模:1707年の宝永噴火規模
- 噴火継続期間の想定:約15日間
- 風のケース:西南西風が卓越するケース2
- 使用した風のデータ:2010年10月14日から28日までの高層観測データ
- 主な降灰方向:富士山から東北東方向
- 影響の中心:神奈川県と東京都
- 想定の目的:人口・資産が多い地域での対策検討
- 注意点:将来の噴火状況を示す予測ではない
このほか、2020年報告では、宝永噴火時に近い西風が卓越するケース1と、風向変化が比較的大きい南寄りの風によるケース3も計算されました。
風が変われば、灰の行き先も変わります。ケース2だけを見て「東京だけが危険」「別の方向は安全」と判断することはできません。
2センチの降灰でも都市機能は止まり得る
雪国の感覚では、2センチという厚さは小さく見えるかもしれません。しかし、火山灰は雪ではなく、岩石や鉱物、火山ガラスなどの細かな粒子です。
乾燥時には風や車の走行で再び舞い上がり、目や喉を刺激します。雨を含めば重くなって固まり、滑りやすい路面や排水設備の詰まりを生む可能性があります。
2020年報告では、地上を走る鉄道は微量の降灰でも運行停止に至る可能性が示されました。道路では、乾燥時に10センチ以上、降雨時には3センチ以上の降灰で二輪駆動車が通行できなくなる想定です。
電力についても、降雨時に3ミリ以上の灰が付着すると、電線などを支える碍子の絶縁性能が低下し、停電が起きる可能性があります。
したがって、「自宅周辺は2センチだから軽い」という読み方はできません。都市では薄い降灰でも、鉄道、電力、物流の停止を通じて影響が増幅するからです。
僕は山で細かな火山性堆積物の上を歩いた経験がありますが、乾いた粒子は足元を不安定にし、風が吹くと視界の印象まで変えます。
これはあくまで自然環境での体感であり、都市インフラへの影響を証明するものではありません。交通や電力の評価は、内閣府が過去の噴火事例、実験結果、類似災害などから整理した影響の目安に基づいて考える必要があります。

2025年ガイドラインの4ステージとは?
2025年3月28日公表の「首都圏における広域降灰対策ガイドライン」は、降灰による被害の様相をステージ1から4に分けています。
これは噴火警戒レベルではありません。自治体や事業者が平常時から応急対策を検討するための便宜的な区分であり、降灰量だけでなく、ライフライン被害の大きさも含めて判断する考え方です。
ステージ 降灰量・被害の目安 住民の基本行動
ステージ1 微量以上。鉄道などが停止する可能性 自宅などで生活を継続
ステージ2 3〜30センチ。移動手段が制限されるが、ライフライン被害は比較的小さい 自宅などで生活を継続
ステージ3 3〜30センチ。ライフライン被害が比較的大きい 原則として生活継続。困難なら生活可能地域への移動を検討
ステージ4 30センチ以上、または降灰後土石流の危険がある 堅牢な建物へ退避した後、降灰状況を踏まえて原則避難
ステージ2と3は、どちらも降灰量が3センチ以上30センチ未満です。違いは灰の厚さだけではなく、道路、電力、水道、通信、物資供給などの被害がどれほど深刻になっているかにあります。
この区分からも、降灰量だけで生活の可否を決められないことが分かります。同じ5センチでも、停電や断水が短時間で復旧する地域と、交通・物流を含めて長期停止する地域では必要な行動が違います。
なぜ原則は一斉避難ではなく在宅継続なのか
2025年ガイドラインの大きな特徴は、ステージ1から3では、できる限り降灰域内にとどまり、自宅などで生活を継続することを基本とした点です。
理由の一つは、首都圏の人口規模です。ガイドラインでは東京都と神奈川県の人口を合計約2300万人とする一方、1都8県にある指定避難所の収容人数は約990万人と整理しています。
全員が一斉に降灰域外へ移動しようとすれば、鉄道が止まった状態で道路へ車が集中し、避難、救助、ライフライン復旧、物資輸送に必要な経路までふさぐおそれがあります。
また、火山灰は地震や洪水と比べると、遠隔地域では降り始めた瞬間に直接命を奪う危険性が相対的に低く、時間とともに徐々に積もる性質があります。
そのため、十分な備蓄とライフラインの維持を前提に、不要不急の外出や車の利用を控えて生活を続ける方が、首都圏全体の混乱を抑えられるという考え方です。
ただし、これは「何があっても家に残る」という意味ではありません。在宅継続は、建物の安全と最低限の生活条件が保たれている場合の原則です。
3センチと30センチは何の判断目安か
3センチは、降雨時に二輪駆動車の通行が困難になる可能性を踏まえ、徒歩以外の移動手段が制限される被害段階の目安です。
一方の30センチは、雨を含んだ火山灰の重みによって木造家屋が倒壊する可能性が生じる目安とされています。
ただし、3センチ未満なら鉄道や電力が無事とは限りません。微量でも鉄道が止まる可能性があり、降雨時には3ミリ以上で碍子の絶縁低下による停電が想定されています。
30センチ未満でも、降灰後土石流の危険がある地域はステージ4に含まれます。数字は絶対的な安全線ではなく、被害の変化を考えるための目安です。
要配慮者は早い段階で移動が必要になる
通院による人工透析が必要な人や、介護サービスがなければ生活を続けられない人などは、一般住民とは異なる判断が必要です。
ガイドラインは、降灰に伴う社会活動の低下によって、自助や共助では生活を継続できず、直ちに生命へ危険が及ぶ人について、早い段階で医療を受けられる地域へ移動する必要があるとしています。
要配慮者という属性だけで全員が一律避難するわけではありません。家族などの支援を受けて自宅で安全に生活できる人は、一般住民と同じ行動を取る考え方です。
重要なのは、噴火後に初めて相談するのではなく、薬、医療機器の電源、訪問介護、移動手段、受入先を平常時から確認しておくことです。
登山靴、レインウェア、ザック、防寒着……必要なものを一つずつ揃えていくと、意外と悩むポイントが増えてきます。
しかも、すべてを購入することだけが正解とは限りません。
僕ならどこまで揃え、どこからレンタルを考えるのか。富士登山の装備を無理なく準備する方法をこちらの記事で詳しくまとめました。
初めて登る方でも、数分で全体像をつかめます。
交通・停電・除灰量はどこまで深刻になる?
富士山の広域降灰が首都圏へ与える影響は、火山灰そのものよりも、交通、物流、電力、水道、通信が連鎖的に機能を落とす点にあります。
内閣府資料が示す主な影響は次のとおりです。
- 鉄道:微量の降灰で地上路線が運行停止する可能性
- 道路:視界低下、速度低下、渋滞、路面状態の悪化
- 電力:降雨時の碍子への灰の付着による停電
- 通信:アンテナへの灰の付着や停電、利用集中による障害
- 上水道:原水の水質悪化や停電による断水
- 下水道:灰による雨水管の閉塞や停電による使用制限
- 物流:道路支障や店舗の営業困難による生活物資不足
- 建物:雨を含んだ厚い火山灰による木造家屋などの損壊
- 健康:目、鼻、喉への刺激や、呼吸器疾患がある人への負担
すべてが必ず同時発生するわけではありません。けれども、一つの障害が別の機能を止める関係は無視できません。
電力が失われれば通信や給水設備にも影響し、道路が通れなければ修理要員や燃料を運べません。鉄道が止まれば道路交通が集中し、物資輸送の速度も落ちます。
これは、降灰量を「自宅の屋根に積もる厚さ」だけで読んではいけない理由です。自宅が無事でも、生活を支える網のどこかが切れれば、影響は遠くから届きます。
約4.9億立方メートルと約1.2億立方メートルの違い
内閣府ガイドラインによると、宝永噴火規模を想定した噴出物の量は約17億立方メートルです。
そのうち、鉄道、道路、建物用地、農地など、一定の土地利用がある範囲へ堆積し、処分が必要になると想定された火山灰は約4.9億立方メートルです。
この約4.9億立方メートルが、東日本大震災で発生した災害廃棄物量の約10倍に相当すると比較されています。約10倍という説明は、都内分ではなく、この首都圏などの対象範囲に堆積する約4.9億立方メートルに対応します。
東京都の特設サイトでは、都内で除灰が必要になる火山灰を約1.2億立方メートルと紹介しています。
つまり、約1.2億立方メートルは東京都内分、約4.9億立方メートルは一定の土地利用範囲に堆積して処理対象になる全体量です。二つは同じ対象範囲を表す数字ではありません。
灰を動かすだけでも道路が必要になる
火山灰は、降り終われば消えるものではありません。道路、線路、住宅地、屋上、学校、物流施設などから集め、仮置場へ運び、最終的に処理する必要があります。
しかし、灰を運ぶトラックが走る道路にも灰が積もっています。除灰は、道具と作業員だけでなく、燃料、重機、運搬経路、仮置場、健康管理を組み合わせなければ進みません。
2025年ガイドラインでは、一定の仮定を置いた2020年報告の概算として、噴火1〜2日目に重機とオペレーターを配置し、3日目の午前0時から1000台のホイールローダーで緊急輸送道路を啓開する想定が紹介されています。
単純計算では4日目の朝に対象道路の啓開が終わるとされましたが、事故車両の撤去、燃料補給、再降灰などは十分に織り込まれていません。しかも、啓開後も一般車両の通行ではなく、緊急車両や復旧・物資輸送車両の最低限の通行を想定しています。
この試算は復旧時間の保証ではありません。必要な重機や人員をそろえられた場合に、どこまで対応できるかを考える出発点です。

富士山噴火シミュレーションを備えにどう使う?
ここからは、内閣府と東京都の資料を踏まえた僕自身の考察です。
シミュレーションを見るとき、自宅地点の色だけを確認して終わる人は少なくありません。しかし、首都圏の暮らしは、自宅、勤務先、学校、病院、鉄道、配送拠点を結ぶネットワークで成り立っています。
僕は、降灰分布図を地点の地図ではなく、生活経路の地図として読むべきだと考えています。
自宅の降灰が少なくても、利用する鉄道路線や浄水場、物流拠点が強い影響を受ければ生活は止まります。反対に、自宅周辺の灰が多くても、建物が安全で物資とライフラインを維持できれば、直ちに遠方避難が最善とは限りません。
家庭では「避難先」と「在宅継続」の両方を決める
広域降灰では、逃げるか残るかを一つに決めておくのではなく、条件によって切り替える準備が必要です。
平常時に確認したい項目は次のとおりです。
- 自宅が木造か、屋根の形状や老朽化に不安がないか
- 降灰後土石流の危険が想定される地域か
- 家族に人工透析、在宅医療、介護サービスを必要とする人がいるか
- 停電や断水が続いた場合に生活を継続できるか
- 1週間分を基本に、可能ならそれ以上の水や食料を確保できているか
- 処方薬、衛生用品、携帯トイレ、電源を準備しているか
- 防塵マスク、ゴーグル、ほうき、スコップなどがあるか
- 車を使わずに必要な場所へ移動する方法があるか
- 行政から避難や除灰方法が発表された際の情報源を決めているか
ガイドラインは、首都直下地震対策で推奨される1週間分の備蓄を基本としつつ、噴火や降灰の影響が長期化する可能性から、可能であればそれ以上の備蓄が望ましいとしています。
宝永噴火が約2週間続いた事実を考えると、備蓄日数は単なる形式ではありません。ただし、各家庭の保管場所や健康状態に応じて、無理のない範囲で継続的に整えることが現実的です。
在宅継続と避難の境界を先に言葉にしておく
家庭内で「どのようになったら移動するか」を言葉にしておくと、噴火時の迷いを減らせます。
例えば、木造家屋の安全が保てない、自治体から避難情報が出た、人工透析を受けられない、医療機器の電源を維持できない、断水と物資不足が長期化して生活を続けられない、といった条件です。
一方、自宅が安全で、生活必需品と情報手段があり、行政から避難を求められていない場合は、不要不急の外出と車の使用を抑えて生活を続ける判断が考えられます。
避難とは、危険を感じた全員が同時に車で走り出すことではありません。必要な人が必要な時点で安全に移動できるよう、道路を空けておくことも防災行動の一部です。
企業は「建物が壊れない災害」を想定する
企業の事業継続計画では、建物の倒壊や火災だけでなく、建物は使えるのに人と物が動けない状況を想定する必要があります。
鉄道停止で従業員が出勤できない、配送が届かない、停電でサーバーが止まる、屋外設備の保守担当者が移動できないといった事態です。
在宅勤務が可能な業務、現場へ行かなければ維持できない業務、電力や燃料を優先すべき設備を分けておくことが重要です。病院や介護施設では、停電や交通停止が利用者の生命へ直結するため、一般企業より早い段階の判断が求められます。
シミュレーションが示す本当の弱点
個人的には、首都圏の広域降灰で最も大きな弱点は、灰の厚さそのものではなく、数千万人の行動が同時に変わることだと考えています。
鉄道が止まった直後に大勢が一斉帰宅し、車で移動し、同じ生活必需品を求めれば、まだ使える道路や店舗まで機能を失います。
2025年ガイドラインが在宅継続を基本にしたのは、単に避難所が足りないからではありません。救助、医療、除灰、復旧、物資輸送のために、限られた道路と人員を優先配分する意味もあります。
だからこそ、備蓄は自分の家族だけを守る行為ではありません。数日間外出を控えられる家庭が増えるほど、支援を急ぐ人へ道路と物資を譲れます。
富士山は晴れた日には、首都圏の日常を静かに見守る背景のように見えます。しかし、山の静けさと将来も噴火しないことは同じではありません。
霧に隠れた富士の輪郭を思い出すように、見えない災害の条件を平常時に確かめておくことが、過度に恐れず備える方法だと僕は考えます。
まとめ
内閣府の富士山噴火シミュレーションは、特定の日に噴火が起きると示す予言ではありません。宝永噴火規模と西南西風が卓越するケース2を用い、首都圏の広域降灰対策を検討するための条件付き想定です。
2020年4月7日の報告が降灰分布と被害想定の基礎となり、2025年3月28日の「首都圏における広域降灰対策ガイドライン」が、在宅継続、避難、輸送、ライフライン復旧などの現行方針を整理しました。
2025年5月28日には東京都地域防災計画火山編が修正され、2026年3月25日には内閣府と東京都による具体化協議会も始まっています。
ガイドラインでは、微量以上のステージ1から、30センチ以上または降灰後土石流の危険があるステージ4まで、被害の様相を四つに区分しています。
ステージ1から3では自宅などでの生活継続が基本です。一方、木造家屋の倒壊や土石流の危険がある場合、自助・共助では生命を守れない要配慮者、生活継続が困難になった場合には避難や早期移動が必要です。
東京都内で除灰が必要になる火山灰は約1.2億立方メートル、一定の土地利用範囲に堆積して処分対象となる全体量は約4.9億立方メートルと想定されています。東日本大震災の災害廃棄物量の約10倍という比較は、後者の約4.9億立方メートルを指します。
シミュレーションは、自宅に何センチ積もるかだけを見る資料ではありません。自宅、職場、病院、鉄道、道路、物流、電力、水道を結ぶ生活圏のどこが止まりやすいかを知り、在宅継続と避難の条件を決めるための資料です。
よくある質問
内閣府の富士山噴火シミュレーションは噴火予知ですか?
いいえ。宝永噴火規模や特定の風向などを仮定し、広域降灰の影響と対策を検討したモデルケースです。実際の噴火規模、継続時間、風向、風速によって降灰分布は変わります。
富士山が噴火したら東京からすぐ避難すべきですか?
一律に避難する方針ではありません。2025年ガイドラインではステージ1から3は自宅などでの生活継続が基本ですが、家屋倒壊や土石流の危険がある場合、医療・介護を維持できない場合、行政から避難情報が出た場合などは移動が必要です。
3センチ未満の降灰なら安全ですか?
安全とは限りません。微量の降灰でも地上鉄道が止まる可能性があり、降雨時には3ミリ以上で電力設備へ影響する想定があります。降灰量だけでなく、交通、停電、断水、通信、物流の状況を確認してください。
主な参照資料
- 内閣府「大規模噴火時の広域降灰対策について―首都圏における降灰の影響と対策―~富士山噴火をモデルケースに~」(2020年4月7日公表)
- 内閣府「首都圏における広域降灰対策ガイドライン」(2025年3月28日公表)
- 内閣府「首都圏における広域降灰対策検討会 報告書」(2025年3月21日公表)
- 東京都「東京都地域防災計画 火山編(令和7年修正)」(2025年5月28日決定)
- 内閣府・東京都「首都圏における広域降灰対策具体化協議会」第1回資料(2026年3月25日)
- 東京都「Tokyo富士山降灰特設サイト」(2026年8月20日確認)
執筆:神楽 岳志(登山エッセイスト|富士山研究家|自然体験ストーリーテラー)
富士登山の準備で迷いやすいのが、「本当にこの装備を全部買う必要があるのか」という問題です。
頻繁に山へ行く人と、まずは富士山に挑戦したい人では、合理的な揃え方も変わります。
大切なのは、費用だけで決めるのではなく、安全性や使う頻度まで含めて考えること。
購入とレンタルの違いが分かれば、自分に必要な装備もかなり整理しやすくなります。
富士登山の装備レンタルをどう使えばいいのか、詳しくはこちらの記事で確認できます。
全部読む必要はありません。気になるところだけ拾い読みしてみてください。


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