富士山噴火を的中させた予言や占いは科学的に存在せず、話題となった漫画家・たつき諒氏本人も富士山の破滅的大噴火を明確に否定しています。
ネット上で拡散される予知夢やスピリチュアルな噂の多くは、作品の表紙イラストの断片的なメモや別の予知夢が歪められて広まったものです。
この記事では、たつき諒氏の著書『私が見た未来』をめぐる真相や「2025年7月説」との混同、気象庁の火山観測網が捉える7つの科学的予兆、最新ハザードマップに基づく避難計画までを事実に基づき客観的に解説します。
富士登山では、「何を持っていくか」以上に「どう揃えるか」で準備の負担が大きく変わります。
購入とレンタル、どちらが自分に合うのか迷ったら、装備選びで後悔しないための考え方をこちらの記事で整理しています。
たつき諒『私が見た未来』と富士山噴火予言の真相とは?
漫画『私が見た未来』の作中には富士山噴火の描写や予言は一切存在せず、表紙の断片的なメモがネット上で誤認・拡散されたというのが事実です。
作者のたつき諒氏は1975年に少女漫画誌でデビューし、怪談や自身の心霊体験、予知夢を題材にした作品を手がけた後、1998年に漫画家を引退しました。
引退直前の1996年、TITLE: 富士山噴火の予言は当たる?たつき諒『私が見た未来』の真相と2025年7月説
富士山噴火に関する予言や占いに科学的根拠はなく、話題となった漫画家・たつき諒氏本人も富士山噴火の切迫を明確に否定しています。
ネット上で拡散された「噴火予言」の多くは、著書の表紙イラストや別の夢日記の記述が誤認・拡大解釈されたものであり、現在観測されている火山データとも一致しません。
この記事では、たつき諒氏の『私が見た未来』にまつわる言説の真相、混同されがちな「2025年7月説」の実態、そして気象庁などの観測網が捉える科学的な噴火の予兆と現実の防災対策について、客観的な事実に基づいて網羅的に解説します。
たつき諒氏『私が見た未来』の富士山噴火予言とは?噂が広まった経緯
ネット上で「富士山噴火を予言した」として頻繁に言及される情報源は、漫画家・たつき諒氏が1999年に刊行した単行本『私が見た未来』です。
結論から述べると、漫画作品の本編中には富士山噴火を描いたシーンや予言の記述は一切存在しません。
たつき諒氏は1975年に月刊『プリンセス』でデビューし、少女漫画や怪奇ミステリーを手がけた後、1998年に漫画家を引退しました。
引退直前の1996年、雑誌『ほんとにあった怖い話』に自身の夢日記を題材とした短編『私が見た未来』を発表し、1999年に朝日ソノラマから同名の単行本が出版されました。
単行本の表紙には、作者が見た夢のメモ書きの断片として「富士山噴火」というイラストが含まれていました。
さらに同じ表紙上に「大災害は2011年3月」というメモが描かれていたことから、東日本大震災の発生以降、「震災を的中させた予言者が富士山噴火も予告している」という言説がネット上で独り歩きを始めました。
単行本が絶版となり高額で取引されていたことも、都市伝説としての過熱に拍車をかけました。
一部のまとめサイトやSNS上では「2021年8月に噴火する」といった期日付きのデマまで拡散されるに至りました。
2021年10月に飛鳥新社から復刻された『私が見た未来 完全版』の取材において、たつき氏本人は世間の過熱した噂を明確に否定しています。
たつき氏は、自身が見た噴火の夢について「世界恐慌や感染症の流行などを象徴的に捉えたもの」と説明し、現実の大規模災害を直接指したものではないと述べています。
富士山が活火山である点に留意しつつも、「東京が崩壊するような大噴火はまだまだ起こらないのではないか」と語り、破滅的な大噴火の切迫説を一蹴しています。
登山靴、レインウェア、ザック、防寒着……必要なものを一つずつ揃えていくと、意外と悩むポイントが増えてきます。
しかも、すべてを購入することだけが正解とは限りません。
僕ならどこまで揃え、どこからレンタルを考えるのか。富士登山の装備を無理なく準備する方法をこちらの記事で詳しくまとめました。
初めて登る方でも、数分で全体像をつかめます。
2025年7月5日問題との混同|たつき諒氏が警告した「本当の夢」とは?
ネット空間において富士山噴火の期日として「2025年7月」が挙げられる事例が散見されますが、これは『私が見た未来 完全版』で新たに語られた別の予知夢との明らかな混同です。
完全版の書籍内でたつき諒氏が言及した内容は「富士山の噴火」ではなく、「日本列島南方の海域における海底破裂と巨大津波」に関するものでした。
たつき氏が記述した夢の概要は、2025年7月5日早朝、日本とフィリピンの中間付近に位置する太平洋の海底が破裂し、巨大な津波が周辺諸国を襲うという情景です。
この記述がオカルト系の動画配信者やSNSユーザーによって切り抜き・再編集される過程で、既存の「富士山噴火」のイメージと結合され、誤った終末論として拡散されました。
項目 ネット上のデマ・混同情報 たつき諒氏の実際の記述・発言
対象となる現象 富士山の大規模噴火 海底破裂に伴う津波(フィリピン海プレート付近)
発生時期の言説 2021年8月、2025年7月など 夢の日付として「2025年7月5日早朝」を記載
本編の描写 漫画内で富士山崩壊を描写 漫画本編に噴火描写はなく、表紙メモのみ
作者本人の見解 破滅的噴火が迫っていると主張 象徴夢と解釈し、破滅的噴火の切迫を明確に否定
このように、事実関係を照合すると「2025年7月に富士山が噴火する」という言説は、出所元の異なるテキストが歪められて合成された流言飛語であることが分かります。
地形学や地震学の観点からも、フィリピン海プレートの特定ポイントで突発的に巨大海底隆起が生じるという夢の内容は、現代の地球物理学の知見と一致しません。

火山学から見た富士山噴火の周期と科学的予兆
地球科学の観点において、富士山は現在も活動を継続している「活火山」に分類されます。
過去の統計データや地質調査を精査すると、山が発する物理的シグナルとオカルト的な予言との違いが鮮明になります。
富士山が最後に噴火したのは1707年の「宝永大噴火」であり、それ以降300年以上にわたり噴火活動は発生していません。
地質調査によると、富士山は過去5600年間に約180回以上の噴火を起こしており、単純平均ではおよそ30年に1度のペースで噴火していた計算になります。
現在の約300年という沈黙期間は過去の平均間隔と比較して長い休止期にあたりますが、火山活動が完全に停止したことを意味するわけではありません。
地下十数キロメートルから数十キロメートルの深部では、マグマや火山性流体の蠢きを示す「深部低周波地震」が定期的に観測機器に記録されています。
現代の火山観測ネットワークは極めて高度に整備されており、マグマが地表付近まで急上昇する際には必ず明確な物理的予兆が発生します。
気象庁や防災科学技術研究所などの観測網が捉える代表的な予兆現象は、主に以下の表に示す項目です。
予兆の種類 主な観測現象 発生のメカニズム
火山性地震・微動 低周波地震の急増、継続的な火山性微動 地下深部でのマグマ上昇や火山ガスの流動に伴う振動
山体・地殻の変動 傾斜計の傾き変化、GNSSによる地盤の隆起 マグマだまりの膨張によって地殻が押し上げられる現象
火山ガス・噴気 二酸化硫黄や硫化水素の放出、噴気温度の上昇 高温マグマが浅部に到達し、揮発性ガスが地表へ放出される
地熱・表面温度 赤外線熱映像による地表温度の異常上昇 マグマや熱水系が地表付近まで上昇することによる熱伝導
地下水・温泉変化 井戸水位の急激な乱高下、泉温上昇、湯の濁り マグマの上昇圧力が周辺の地下水層を圧迫・加熱する現象
これらの異常現象は単独で判断されるのではなく、複数の観測データを統合して解析されます。
気象庁は富士山周辺に傾斜計、地震計、GNSS観測装置、監視カメラなどを多数配置し、24時間体制でデータの推移を監視しています。
数値や観測データに異常が現れていない段階で、突発的に山体崩壊を伴うような破滅的噴火が起きる可能性は科学的に極めて低いとされています。
もしも噴火したら?被害想定と自治体の最新避難計画
富士山火山防災対策協議会は、2021年3月に「富士山ハザードマップ」を約17年ぶりに改定し、さらに2023年3月には実践的な広域避難計画を策定しました。
最新の科学的シミュレーションに基づき、被害想定と避難対象地域が具体的に更新されています。
改定ハザードマップでは、過去の調査データを再精査した結果、想定される最大溶岩流の噴出量が従来の約7億立方メートルから約13億立方メートルへと約2倍に見直されました。
これにより、溶岩流が到達する可能性のある自治体は山梨県、静岡県、神奈川県の計3県27市町村に拡大しています。
静岡県の富士宮市、富士市、御殿場市、裾野市、小山町、山梨県の富士吉田市、鳴沢村、山中湖村、忍野村などは、火口の位置によって溶岩流や噴石の直接的影響を受ける地域です。
2023年に策定された最新の避難計画では、避難対象エリアが到達時間や地形リスクに応じて区分されています。
特に、噴火発生から短時間で溶岩流が到達する恐れのある地域では、高齢者や障害者などの要援護者は噴火前の「異常検知段階」で先行避難することが定められました。
一般住民の避難においては、大規模な交通渋滞を回避するため、「原則として徒歩での避難」が推奨されています。
自動車による一斉避難は道路の完全麻痺を招き、移動不能のまま火砕流や溶岩流に巻き込まれるリスクを高めるためです。
一方、東京都、神奈川県東部、千葉県、埼玉県などの首都圏地域における最大の脅威は「火山灰」による都市機能の停止です。
宝永大噴火と同規模の噴火が発生し、偏西風に乗って火山灰が首都圏へ降り注いだ場合、降灰の厚さによって段階的な被害が生じます。
わずか0.5mm程度の降灰でも電力設備の絶縁不良による大規模停電や鉄道の運行停止が発生し、数センチの降灰で車輪のスリップによる道路網の麻痺、航空機の離着陸不能が引き起こされます。
降灰が10cmを超えると木造家屋の倒壊リスクが生じ、雨を吸った火山灰の除去作業は極めて困難を極めます。
首都圏における富士山噴火対策とは、直接的な熱や爆風への対処ではなく、物流・ライフラインが広域停止する複合的な都市災害への備えを意味します。

デマ情報に惑わされないための現実的な防災対策と備蓄品
不確かな予言やSNSのデマ情報に振り回される行動は、非常時における適切な判断力を奪う原因となります。
自然災害のリスクに対して最も効果的なアプローチは、公的な観測情報の取得経路を確立し、物理的な備えを平時に完了させておくことです。
気象庁が発表する「噴火警戒レベル」は、火山活動の推移に応じて住民や登山者が取るべき行動を5段階で定めています。
- レベル1(活火山であることに留意): 火山活動は静穏。火口内など危険な立ち入り規制エリアに注意。
- レベル2(火口周辺規制): 火口周辺に影響を及ぼす噴火の兆候。登山道や火口周辺の立ち入りが制限される。
- レベル3(入山規制): 居住地域近くまで影響を及ぼす噴火の可能性。登山禁止や危険エリアからの立ち退き準備。
- レベル4(避難準備): 居住地域に重大な被害を及ぼす可能性が高まった状態。要配慮者の避難開始。
- レベル5(避難): 居住地域に被害を及ぼす噴火が発生または切迫。対象地域住民の即時避難。
首都圏を含めた広域避難や都市機能停止に備えるため、家庭内での備蓄は最低でも1週間から10日分を確保することが推奨されます。
特に火山灰災害を想定する場合、地震対策用の防災セットに加えて以下の専用装備を配備しておくことが重要です。
- 防塵マスク(N95規格推奨): 微細な鉱物粒子である火山灰の吸入を防ぎ、気管支炎や喘息の悪化を予防する。
- 防塵ゴーグル(密閉型): 目に入ると角膜を傷つける恐れがあるため、コンタクトレンズの使用を避けゴーグルで保護する。
- プラスチック製スコップ・ほうき: 降り積もった火山灰を屋根や導線から除去するための道具。金属製スコップは建材を傷つける恐れがある。
- 大型ラップ・養生テープ: 窓枠や換気扇の隙間を塞ぎ、室内に微細な火山灰が侵入するのを遮断する。
- 飲料水と非常食(最低1週間分): 浄水場が火山灰で取水停止に追い込まれる事態や、物流遮断を前提とした数量を確保する。
- 非常用簡易トイレ: 下水道管の閉塞や断水に備え、1人あたり1日5回分を目安に備蓄する。
- カセットコンロ・ガスボンベ: 電力網が停止した際の主熱源として確保する。
- モバイルバッテリー・乾電池式ラジオ: ネットインフラの障害時に公的放送から正確な情報を得るための必須装備。
これらの備えは、富士山噴火だけでなく首都直下地震や南海トラフ巨大地震への備えとしても完全に共通しています。
日付を限定したオカルト情報に怯えるのではなく、いつ自然災害が発生しても生活を維持できる環境を整えることが、最も合理的な自衛手段です。
情報過多の時代におけるデマ情報の拡散構造とファクトチェックの重要性
なぜ科学的根拠を欠く富士山噴火の予言が、インターネット上で定期的にトレンド入りし、社会不安を煽り続けるのでしょうか。
この現象の背景には、ソーシャルメディアのアルゴリズムと、人間の認知バイアスが深く結びついた情報拡散構造が存在します。
第1の要因は、SNSにおける「アテンション・エコノミー(関心経済)」の構造です。
センセーショナルな破滅予言や期日を指定した警告は、人々の恐怖や不安といった原初的な感情を強く刺激します。
アルゴリズムはエンゲージメント率(閲覧数、リツイート数、コメント数)が高い投稿を自動的に優先表示するため、虚偽や歪曲を含んだ情報ほど急速に拡散される傾向を持ちます。
第2の要因は、断片的な事実の「チェリー・ピッキング(都合の良い情報のつまみ食い)」です。
過去に発生した震災の日付や、実在する漫画作品の表紙メモなど、一部分の実在する要素を巧みに組み合わせることで、一見すると信憑性があるかのような精巧なストーリーが仕立て上げられます。
受け手側も、一度「何かが起きるのではないか」と信じ込むと、日常的な微小地震や気象現象のすべてを噴火の兆候として結びつけてしまう「確証バイアス」に陥ります。
第三者による情報精査において、常に確認すべき原則は以下の通りです。
- 一次情報の確認: 「〜らしい」「有名予言者によると」という伝聞を鵜呑みにせず、発言者本人の原典テキストや発言記録を直接確認する。
- 専門機関の発表との照合: 火山活動に関しては、SNSの個人アカウントではなく、気象庁の「火山の状況に関する解説情報」や国土地理院の地殻変動データを確認する。
- 日付付き予言の構造的否定: 現代の地球科学において、特定の年月日を指定して地震や噴火を予測することは理論上不可能です。期日が明記されている予言は、その時点で非科学的言説と判断できます。
噂や陰謀論の消費に時間を費やすのではなく、正確な公的ソースにアクセスするリテラシーを持つことが、災害に対する社会全体の脆弱性を低減させる基盤となります。
富士山噴火予言と科学的真実のまとめ
富士山噴火に関する予言や占いは、科学的な裏付けを一切持たない都市伝説や情報の誤読に基づいています。
たつき諒氏の『私が見た未来』にまつわる騒動は、カバーイラストのメモ書きが震災の記述と結びつけられ、ネット上で増幅された結果でした。
また、近年話題となった「2025年7月問題」も、同氏が完全版で記した別の夢(フィリピン海域の海底破裂)が富士山噴火と混同されたものであり、事実無根の言説です。
富士山は現在も地下深くで低周波地震が観測される活火山であり、長期的には将来必ず噴火を起こす存在ですが、その前兆は気象庁の地殻変動計や地震計に客観的なデータとして現れます。
オカルト的な予言に不安を掻き立てられることなく、自治体の最新ハザードマップを確認し、防塵マスクや飲料水の備蓄といった現実的な防災行動を淡々と進めることが重要です。
よくある質問
たつき諒氏の『私が見た未来』で富士山噴火は本当に予言されていたのですか?
漫画作品の本編中には富士山噴火に関する予言や描写は一切存在しません。
1999年に刊行された単行本の表紙イラストに描かれていた夢日記のメモ書きの中に富士山のイラストが含まれており、同じ表紙に「大災害は2011年3月」という別の記述があったため、ネット上で2つの情報が混同されて拡散しました。
作者本人も2021年の完全版刊行時の取材において、夢は象徴的なものであり、現実の破滅的な噴火が近く起きることは考えていないと明確に否定しています。
たつき諒氏が予知したとされる「2025年7月」に富士山が噴火するのですか?
2025年7月に富士山が噴火するという情報は完全な誤認です。
たつき氏が著書『私が見た未来 完全版』で言及したのは、2025年7月5日に日本列島南方の海域(フィリピン海プレート周辺)で海底が破裂し津波が発生するという夢の内容であり、富士山の噴火について述べたものではありません。
ネット上のまとめ動画やSNSを通じて、過去の富士山噴火の噂と2025年7月の記述が誤って合成されたデマ情報です。
科学的に見て、富士山が近いうちに噴火する可能性や予兆はあるのですか?
現在のところ、気象庁の観測データにおいて直ちに噴火へ結びつくような山体の急激な隆起や火山性微動の急増といった異常は観測されていません。
深部低周波地震などの微小な活動は継続しているため活火山としての警戒は必要ですが、マグマが地表へ上昇する際には地盤の傾斜変化や地震の群発などの明確な物理的予兆が発生します。
予知や占いに頼るのではなく、気象庁が発表する噴火警戒レベルなどの公式観測情報を常に確認することが推奨されます。
富士登山の準備で迷いやすいのが、「本当にこの装備を全部買う必要があるのか」という問題です。
頻繁に山へ行く人と、まずは富士山に挑戦したい人では、合理的な揃え方も変わります。
大切なのは、費用だけで決めるのではなく、安全性や使う頻度まで含めて考えること。
購入とレンタルの違いが分かれば、自分に必要な装備もかなり整理しやすくなります。
富士登山の装備レンタルをどう使えばいいのか、詳しくはこちらの記事で確認できます。
全部読む必要はありません。気になるところだけ拾い読みしてみてください。

コメント