新宿の朝、バスタ新宿のホームで缶コーヒーを飲み干したら——次に深呼吸するのは、標高2,300mの冷たい空気かもしれません。
富士山登山は「体力勝負」のイメージが強いけれど、実は一番最初のハードルはそこじゃない。「どうやって登山口まで行けばいいのか」が分からない不安なんです。
このガイドでは、富士山で一番人気の吉田ルート登山口(富士スバルライン五合目)へのアクセスを、僕自身の経験と公式情報をもとに、新宿発の高速バス・電車+バス・マイカー+シャトルバスの3パターンで、迷わないように丁寧に整理しました。
霧に隠れる富士は、人の心の迷いによく似ています。だからこそ、行き方だけはクリアにしてから、一歩目を踏み出しましょう。
富士山・吉田ルート登山口とは?富士スバルライン五合目とアクセスの全体像

まずは「ゴール地点」をハッキリさせましょう。吉田ルートの登山口は、山梨県側にある「富士スバルライン五合目(Fuji Subaru Line 5th Station)」。ここが、僕たちの富士登山のスタートラインです。
五合目には、
- レストハウス・売店(最後の補給ポイント)
- トイレ
- 簡易な食事処
- 神社(小御嶽神社)
- バス乗り場・タクシー乗り場
などがぎゅっと集まっていて、小さな「山の駅」のようなにぎわいがあります。バスから降りた瞬間に広がるひんやりした空気と、目の前の山肌——僕はここに立つたびに「よし、今日も行くぞ」と心のスイッチが入ります。
迷わないアクセスは、それだけで登山の半分をクリアしたような安心感をくれます。 行き方が頭の中でスッと一本の線でつながった瞬間、富士山はぐっと近く感じられるんです。だからこそ、まずはこの五合目までの道筋を、一緒にイメージしていきましょう。
吉田ルートが初心者に人気の理由
吉田ルートは、初めての富士登山で選ばれることが多いルートです。僕自身、初登頂も吉田ルートでした。その理由は、とても分かりやすいです。
- 東京(新宿)からのアクセスがとにかく良い
- 山小屋が多く、休憩・仮眠の選択肢がたくさんある
- ご来光(ごらいこう)を狙いやすい王道ルートである
- 登山者が多く、道に迷いにくい安心感がある
「人が多い=混雑」というマイナス面もたしかにあります。でも、初めての富士山なら、「自分たちだけじゃない」という心強さのほうが上回ると、僕は感じています。
アクセス手段は大きく3パターン
吉田ルート登山口(富士スバルライン五合目)への行き方は、ざっくりこの3つに分けられます。
- 新宿などから高速バスで行く
- 電車(JR+富士急行線)+路線バスで行く
- マイカー+富士山パーキング+シャトルバスで行く
それぞれに向いている人のイメージは、こんな感じです。
| パターン | ざっくり所要時間(新宿発) | 向いている人 |
|---|---|---|
| 高速バス(直通 or 乗り継ぎ) | 約2.5〜3.5時間 | 新宿からラクに移動したい人、荷物が多い人、移動中も寝ておきたい人 |
| 電車+バス | 約3〜4時間 | 電車旅が好きな人、富士急行線の車窓も楽しみたい人 |
| マイカー+シャトル | 関東近郊から自家用車で行きたい人 | 家族・グループでの移動、装備が多い人、自分のペースで動きたい人 |
この記事では、この3つのルートを、僕が実際に使って「ここがラクだった」「ここでつまずきやすい」と感じたポイントも交えながら、「初めてでも迷わない手順」として順番に解説していきます。
新宿発:バスタ新宿から富士山 吉田ルート登山口(五合目)への行き方【高速バス】

首都圏から吉田ルートを目指すなら、バスタ新宿発の高速バスは、正直いって「いちばんラクでワクワクする選択肢」です。
ビルだらけの新宿からバスに乗り込んで、気づいたら窓の外は森と雲、そして五合目。「え、もう富士山のスタートラインに着いちゃったの?」という感覚が、このルートの楽しさなんですよね。
① 夏山シーズン限定「新宿〜富士山五合目」直通バス
登山シーズン(おおむね7月〜9月)になると、バスタ新宿から富士スバルライン五合目行きの直通バスが走る年があります。これがまた、初心者には最高なんです。
- 発着地:バスタ新宿 ⇔ 富士スバルライン五合目
- 所要時間:目安 約2時間25〜35分
- メリット:乗り換えなし、寝ている間に五合目へワープした気分になれる
- 注意点:シーズン・曜日・年によって運行状況が変わる/予約制
バスタ新宿でコーヒーを飲みながらバスを待って、座席に座ったらあとは出発を待つだけ。僕なんて、五合目に着く直前のアナウンスを聞くたびに、いまだにちょっとドキドキします。
具体的なダイヤや運賃は毎年変わる可能性があるので、まずはここから最新情報をチェックしてみてください。
高速バスを予約するときは、
- 往復で予約するかどうか(最終バスを逃すリスクも考えながら決める)
- 出発時間から逆算して登山計画を組む
- 混雑期(土日・お盆)は「思い立ったら即予約」くらいの早さで席を確保する
このあたりを押さえておくと、計画づくりが一気に「現実味」を帯びてきて、ワクワクが加速していきます。
② 直通便がないとき:新宿 → 河口湖駅・富士山駅 → 五合目
もし直通バスがない日程・時間帯でも大丈夫。そんなときは、次のような二段階ルートに切り替えればOKです。
- バスタ新宿 → 河口湖駅 or 富士山駅(高速バス)
- 河口湖駅・富士山駅 → 富士スバルライン五合目(路線バス)
この場合でも、
- 新宿から河口湖駅まで:約1時間45分前後
- 河口湖駅から五合目まで:約50〜60分
と、全体としては3時間前後で五合目までたどり着けます。途中で河口湖駅や富士山駅に降り立つと、「あ、いよいよ富士山に来たんだな」という実感がグッと湧いてきます。
電車とバスを乗り継ぐだけで、「富士登山は難しい」という思い込みは、するりと脱ぎ捨てられます。 僕も最初は不安でしたが、一度このルートを体験したら、「なんだ、これなら毎年来られるじゃないか」と感じました。
③ バスタ新宿の乗り場の探し方と当日の流れ
初めてバスタ新宿を使うとき、いちばん戸惑うのは「どこにバスタがあるの?」という部分かもしれません。でも、一度流れを知ってしまえば拍子抜けするくらいシンプルです。
- 新宿駅南口 or 新南改札から「バスタ新宿」の案内表示に従って進む
- エスカレーターで上階へあがる(バスタは駅ビルの上のフロア)
- 電光掲示板で「便名・行き先・のりば番号」をチェック
- 時間に余裕を持って、のりばに並ぶ(荷物が多い場合は特に早めに)
特に登山装備で移動する場合は、
- 大きなザックはバスのトランクに預ける
- 貴重品・防寒着・飲み物・行動食は手荷物(車内持ち込み)に分ける
という荷物の仕分けを前日にやっておくだけで、当日のバスタ新宿でのバタバタ感が一気に減ります。
僕はいつも、バスタ新宿のベンチにザックを置いた瞬間から、もう「登山モード」に入ります。ここでの段取りがスムーズだと、富士山までの旅そのものが、すでに気持ちのいいスタートになるんですよね。
電車+バス派のためのアクセスガイド:東京〜河口湖駅・富士山駅〜富士スバルライン五合目

次は、僕が個人的にかなり好きな「電車でじわじわ近づいていくルート」です。中央線や富士急行線の車窓から、少しずつ富士山が大きくなっていくあの感じ…あれがたまらなくて、わざとこのルートを選ぶこともあるくらいです。
「移動時間=ただの移動」ではなくて、すでに富士登山のプロローグとして楽しめるのが、この電車+バスルートのいいところなんですよね。
① JR中央線&富士急行線を使った基本ルート
王道のルートはシンプルです。
- 新宿駅 →(JR中央線)→ 大月駅
- 大月駅 →(富士急行線)→ 富士山駅 or 河口湖駅
- 富士山駅・河口湖駅 →(富士急バス)→ 富士スバルライン五合目
時間帯や乗る列車によって多少変わりますが、目安としてはこんな感じ。
- 新宿〜大月:特急で約1時間前後、普通で約1時間30分前後
- 大月〜河口湖:各駅停車で約50〜60分
中央線で都心を抜けていくと、高層ビルが少しずつ少なくなって、だんだん「山の色」が濃くなってきます。この変化を肌で感じながら向かえるのが、電車ルートの醍醐味なんですよね。
② 河口湖駅・富士山駅でのバス乗り換え
そして個人的に好きな瞬間がここ。河口湖駅のホームに降り立った瞬間、富士山はもう“遠くに見える山”ではなく、“これから一緒に登る相棒”になります。
バスへの乗り継ぎ自体は難しくありません。あらかじめ、「どこでチケットを買うか」だけイメージしておけばOKです。
- 駅前にあるバス案内所・券売機で「五合目行き」の切符を購入
- ICカード(Suica・PASMOなど)が使える年も多いが、念のため小銭・千円札も用意
- バス停の表示で「富士スバルライン五合目行き」を確認して並ぶ
2025年の例だと、富士山駅・河口湖駅〜五合目の往復割引きっぷ(アプリチケット)も出ています。こういう「お得きっぷ」を見つけると、ちょっとテンション上がりますよね。詳細は、下に貼った公式ページで事前チェックしておくと安心です。
- Fujikyu Bus|Fuji-Subaru Line 5th Station Shuttle & Route Buses
- Mt.Fuji Station / Kawaguchiko Station ⇔ Fuji-Subaru Line 5th Station Round-trip Ticket
③ ご来光登山を見据えた「前泊」パターン
ご来光を狙うなら、僕は全力で「河口湖 or 富士吉田前泊」を推します。これは本当に世界が変わるので、一度やってみてほしいです。
- 前日の午後〜夜に河口湖入り(すでに非日常が始まっている時間)
- 宿でゆっくり休みながら、高度になれつつ装備の最終チェック
- 翌朝、始発〜午前中のバスで五合目へ向かい、余裕を持って山小屋入り
このパターンだと、
- 「移動の疲れ」を翌日に持ち越さない
- ご来光のタイミングに合わせて動きやすい
- 前夜からすでに「旅モード」で楽しめる
というメリットだらけ。五合目行きのバスに揺られながら、「本当に来ちゃったんだな」とニヤけてしまうあの瞬間を、ぜひ味わってほしいです。
④ もし乗り遅れたら? 必要最低限の「保険」
とはいえ、山旅にトラブルはつきもの。最終バスを逃してしまった場合は、現実的には次のような選択肢になります。
- タクシーで五合目まで向かう(かなり高額なので、最終手段)
- その日の登頂はあきらめて、翌日以降に計画を組み直す
ここで大事なのは、「なんとかなるでしょ」と無理を押し通さないことです。山では、
「無理をしない」という決断も、立派なスキルのひとつ。
計画の段階で、
- 最終バスの時間をスマホやメモに控えておく
- 「この時間を過ぎたら今日は引き返す」という自分ルールを決めておく
こうしておくだけで、心の余裕がまったく違ってきます。ワクワクしながら計画して、ワクワクしたまま無事に帰ってこられるように、この「保険」も一緒に持っていきましょう。
マイカー利用者向け:富士山パーキング(富士北麓駐車場)とシャトルバスの使い方

関東近郊から家族や仲間とワイワイ向かうなら、マイカー利用はかなりワクワクする選択肢です。車内で音楽を流して、「今年こそ登るぞ!」なんて話しながら富士山に近づいていく時間は、正直かなり楽しい。
ただし、富士山にはマイカー規制があって、登山シーズン中は自家用車で五合目まで乗り入れできない期間があります。ここを知らずに行くと、現地で「え、ここから先、車ダメなの!?」となりかねないので、しっかり押さえておきましょう。
① マイカー規制の基本ルール
吉田ルート側の富士スバルラインは、毎年夏山シーズンになると私有車規制(マイカー規制)が入ります。2025年の例だと、
- 規制期間:7月4日18:00〜9月10日18:00(※年によって変動)
- 期間中は五合目まで一般車両通行禁止
- 代わりに「富士山パーキング」からシャトルバスで五合目へ
初めてこの仕組みを知ったとき、僕も「せっかく車で来たのに、途中で止めるのか…」と思いました。でも実際に使ってみると、「ここで一度、気持ちを切り替えるポイントなんだな」と感じるようになりました。
最新の規制期間やルールは、必ず公式サイトでチェックしておきましょう。
② 富士山パーキング(富士北麓駐車場)とは
富士山パーキングは、マイカー規制期間中に登山者・観光客が車を停めるための、大きなベースキャンプのような駐車場です。
- 場所:富士吉田市(中央道・河口湖ICから車で約15分前後)
- 収容台数:およそ1,400台規模
- 目安料金:1,000円/台(年により変動)
ここに車を停めて、五合目行きのシャトルバスに乗り換えます。
朝早くに到着すると、まわりは同じようにこれから登る人たちの車でいっぱい。ザックを背負う音、ストックを調整する音、子どもたちの「本当に登るの?」という声…。駐車場なのに、もう完全に“富士登山の現場”です。
僕はいつもここで一度、深呼吸をします。富士山に試されるのは体力だけじゃない。事前準備への“丁寧さ”もまた、山はちゃんと見ている。マイカー規制や駐車場のルールを理解して動けるかどうかも、その一部だと感じています。
③ シャトルバスの利用イメージ
シャトルバスは、富士山パーキングと富士スバルライン五合目をピストン運行してくれている、いわば「五合目行きの専用リフト」のような存在です。
- 所要時間:片道約40〜50分程度
- 運賃:大人片道・往復ともに年ごとの設定(往復割引が用意されることも多い)
- 支払い:現金・ICカードなど(年度によって変わるため事前確認推奨)
窓の外には、少しずつ標高を上げていくスバルラインのカーブ。天気が良い日は、雲海や森のグラデーションが見えて、「この時点で、もうかなり気持ちいいドライブ」です。
ただし、混雑期は早朝〜午前中にピークを迎えます。できれば、
- 前夜に富士山パーキング近くまで来ておき、車中泊 or 周辺宿で一泊
- 混む前の早めの時間帯のシャトルで五合目へ向かう
こうしておくと、バス待ちのストレスがかなり減ります。
マイカーで気ままに走って、富士山パーキングで仲間と準備して、シャトルバスで一気に標高2,000mオーバーへ——。この流れがハマると、「毎年このパターンで行きたいな」と思うくらい、クセになるルートです。
目的別モデルコース:日帰り・山小屋泊・ご来光登山のベストな出発時間

ここまでで「どう行くか」のイメージはだいぶハッキリしてきたと思います。ここからは、いよいよ「いつ出るか」「どんな1日にするか」を組み立てていくパートです。ここを考えている時間が、僕は一番ワクワクします。
吉田ルートの標準的なコースタイムは、
- 登り:5〜7時間
- 下り:3〜4時間
これをベースにして、「自分はどんな富士山の1日を過ごしたいか」を具体的なプランに落としていきましょう。
① 初心者向け:山小屋1泊+ご来光プラン(新宿発)
まず、僕が全力で推したいのが「山小屋1泊+ご来光」プランです。初めての富士山なら、これだけで一気に「特別な体験」になります。
ざっくりした流れはこんな感じです。
- 1日目 午前〜昼:新宿 → 五合目へ(高速バス or 電車+バス)
- 1日目 昼〜夕方:五合目 → 7〜8合目付近の山小屋へ
- 1日目 夜:山小屋で仮眠(寝袋に潜り込む瞬間、かなりワクワクします)
- 2日目 深夜〜早朝:山小屋 → 山頂へ、ご来光鑑賞
- 2日目 午前〜昼:下山 → 五合目 → 帰路へ
このプランのいいところは、本当にたくさんあります。
- 高度順応がしやすく、体がラク
- コースタイムに余裕があり、景色を楽しみながら登れる
- ご来光に合わせて動きやすく、「山頂で朝日を見る」という夢を叶えやすい
何より、山小屋の灯りが見えてきたときの「今日はここまで頑張ったぞ」という達成感と、深夜にヘッドランプをつけて出発するときのソワソワ感。これは1泊プランでしか味わえない醍醐味です。
② 体力に自信がある人向け:日帰りプラン(前泊前提)
「どうしても日帰りでチャレンジしたい!」という人もいると思います。そんなときは、河口湖・富士吉田周辺への前泊を前提にしましょう。これをやるかやらないかで、当日のキツさが本当に変わります。
- 前日夜:河口湖周辺の宿にチェックイン(すでに旅気分MAX)
- 当日 早朝:始発バスで五合目へ
- 日中:登頂 → 下山(タイムマネジメントが超重要)
- 夕方〜夜:温泉&食事 → 帰路 or もう一泊
日帰り登山はかなりハードです。そのぶん、「やり切った!」という達成感は大きい。でも、僕の感覚としては、
「日帰りで登る」ことよりも、「元気に笑いながら帰ってくる」ことのほうが、ずっと大事です。
なので、
- 自分の体力レベルをちょっとシビアに見積もる
- 天候次第ではあっさりプラン変更する勇気を持つ
- 「帰りに温泉でゆっくりする余裕」を残しておく
こうした“心の余裕”も含めて、日帰りプランを組んでみてください。
③ 深夜発・早朝発で外したくないポイント
ご来光を狙うと、どうしても深夜発・早朝発の行動になります。ここで準備をミスると、一気にツラさが増すので、絶対に外したくないポイントを整理しておきます。
- 仮眠場所の確保:夜行バスや車中泊でそのまま登り始めると、ほぼ間違いなく「寝不足スタート」になります。どこかで必ず横になって休める時間を確保しましょう。
- 防寒:真夏でも山頂付近は0〜5℃まで冷え込むことがあります。「ちょっと厚着かな?」くらいでちょうどいいです。
- ヘッドランプ:スマホのライトでは絶対に足りません。両手が空くヘッドランプは、ご来光登山の必需品です。
深夜の登山道は、ヘッドランプの光だけが頼りになります。その一歩一歩は、不思議と自分自身と向き合う時間にもなります。
ルートさえ分かっていれば、あなたの一歩一歩は迷いではなく、静かな確信に変わります。 そして、その確信を支えてくれるのが、「どの時間に、どう動くか」という出発時間の設計なんです。
ここまで読んで、「あ、自分はこのパターンがしっくり来るな」と感じたモデルコースがあれば、それがあなたの今年の富士山の形です。あとは、カレンダーと相談して、その日を決めるだけです。
海外ゲストと登るときの Yoshida Trail Access 英語フレーズ集

海外からの友人や同僚と富士山に登るって、想像するだけでワクワクしませんか? 僕は「日本を代表する山を、自分の言葉で案内できる」ってだけでテンションが上がります。
ここでは、実際の現場でそのまま使える英語フレーズだけをギュッとまとめました。これさえ押さえておけば、当日「英語どうしよう…」よりも、「早く一緒に登りたい!」という気持ちのほうが大きくなるはずです。
ルート説明に使えるシンプル英語
まずは、当日の動き方を説明するときにサッと言えるとカッコいいフレーズたちから。
- We’ll take a highway bus from Shinjuku to Kawaguchiko, then change to a local bus for the Fuji Subaru Line 5th Station.
- The Yoshida Trail starts from the Fuji Subaru Line 5th Station at about 2,300 meters.
- From the 5th Station, it takes around five to seven hours to reach the summit.
このあたりをサラッと言えるだけで、ゲストからの信頼度が一段階アップします。「お、ちゃんと考えてくれてるんだな」と感じてもらえるポイントです。
バス・駅で役立つフレーズ
次は、バスや駅で困ったときに使えるフレーズ。僕自身、現場で何度も口にしてきた「リアルに使えるやつ」です。
- Where is the bus stop for the Fuji Subaru Line 5th Station?
- Can I use an IC card like Suica or PASMO for this bus?
- Is this the last bus going down to Kawaguchiko today?
特に最後の一文はめちゃくちゃ大事です。「これが最終バスかどうか」を確認できるだけで、安心感がまるで違います。ゲストの前でこの一言が出てくると、頼れるガイド感が一気に増します。
安全とマナーを伝えるフレーズ
せっかく一緒に登るなら、「楽しさ」だけじゃなくて「安全」と「日本らしいマナー」もしっかり伝えたいところです。ここは、僕が実際に案内するときによく使うフレーズです。
- Please bring enough warm clothes. It’s very cold near the summit, even in summer.
- Let’s keep to the trail and take all our trash back with us.
- If you feel sick or have a headache, tell me immediately. It might be altitude sickness.
これらをちゃんと伝えておくと、ゲストも安心するし、こちらも「ちゃんと守れているかな?」と声をかけやすくなります。
言葉が通じると、不安が減るだけじゃなくて、「同じチームで登っている感じ」が一気に高まります。「行き方」を説明できることは、そのまま「相手の安心」と「一緒に登る楽しさ」を支えることにもなるんです。
このフレーズ集を、ぜひスマホのメモや紙にメモして持っていってください。富士山の途中で、あなたが英語でサッと説明している姿を想像すると…僕までワクワクしてきます。
富士山 吉田ルート登山口アクセス FAQ(よくある質問)
Q1. 五合目行きバスは予約が必要ですか?
A. これはみんなが一番気にするポイントかもしれません。
五合目行きの「路線バス」タイプは、基本的に予約不要・先着順です。ふらっと駅に着いて、そのままバス乗り場へ行けばOKなパターンですね。
ただし、登山シーズン中の「新宿〜五合目」直通の高速バスは、ほぼ毎回予約制だと思っておいてください。
「せっかく新宿まで行ったのに満席で乗れない…」は本当に切ないので、公式サイトで空席状況をチェックして、サクッと予約しておくのがおすすめです。僕もいつもそうしています。
Q2. 登山シーズン以外でも五合目まで行けますか?
A. 「登らない日も、五合目の雰囲気だけ味わいたいんだよね」という人もいますよね。
観光目的であれば、シーズン外でも五合目まで行ける期間はあります。マイカーやバスで上がって、景色やお土産、軽い散策を楽しむスタイルです。
ただし、冬季は路面凍結・積雪で通行止めになることも多く、営業しているお店もかなり限られます。
「開いてるかな? 行けるかな?」と思ったら、富士スバルラインやバス会社の公式情報をチェックしておくと、現地でガッカリ…を避けられます。
Q3. ICカード(Suica・PASMO)は使えますか?
A. ここは年や区間によってけっこう変わるポイントです。
「一部区間だけ使える」「この年から対応した」「この路線はまだ現金のみ」など、状況がコロコロ動くので、原則としては
「使えるときもあれば、使えないときもある」
と考えておくのが安全です。
僕のおすすめは、ICカード+現金(小銭・千円札)を両方用意しておくこと。どちらでも払える状態にしておくと、改札やバス乗り場でバタつかずに済みます。
Q4. スーツケースで行っても大丈夫?
A. これは「観光メインか、ガチ登山か」で答えが変わります。
観光で五合目まで行くだけなら、スーツケースでも全然OKです。五合目の売店や展望台をぶらりと歩く程度なら問題ありません。
ただ、登山をするなら話は別。
登山用ザック + スーツケースや大きな荷物は宿・コインロッカーに預ける
という組み合わせが圧倒的に動きやすいです。
僕自身、スーツケースを抱えて登山道に立ったことがありますが、5分で「これは無理だ」と悟りました…(本当にキツいのでおすすめしません)。
Q5. 最終バスを逃したらどうなりますか?
A. これはもう、想像しただけでヒヤッとするパターンです。
五合目からの最終バスを逃すと、「下山できない・帰れない」に直結します。タクシーも簡単にはつかまらないことが多く、かなり厳しい状況になります。
だからこそ、「最終バスの時間をメモしておく」ことは必須。スマホのスクショでも紙メモでもいいので、荷物のどこかに控えておきましょう。
そして、余裕をもって下山を開始すること。
登りのワクワクが盛り上がると、つい時間を忘れがちですが、「無事に最終バスに乗る」までが富士登山です。
まとめ|迷わないアクセスが、“静かな一歩”を生む
最初の一歩は、いきなり山道ではありません。だいたいは、スマホで「どうやって五合目まで行こうかな」と検索を始めたところから、富士登山はスタートしています。
「最初の一歩は、登山道ではなく、アクセスの検索から始まります。そこで迷子にならないように、このガイドを書きました。」
僕自身、初めて富士山に登ろうとしたとき、いちばん不安だったのは「体力」よりも「本当にちゃんと登山口までたどり着けるのか?」という部分でした。
新宿で電車やバスに乗り込むときは、まだ富士山は遠くのほうに見えるだけかもしれません。
でも、河口湖駅のホームに立って五合目行きのバスを待ち、実際にバスが動き出した瞬間、「あ、本当に登りに来ちゃったな」という実感がじわじわ湧いてきます。あの感覚が、僕は今でも大好きです。
アクセスがクリアになると、富士山は急に身近になります。
ルートが頭の中で一本の線になったら、あとは一歩一歩、足を前に出すだけ。その一歩一歩が、ちゃんと山頂へとつながっていきます。
このガイドが、あなたの「最初の一歩」の背中を、そっと押せていたら嬉しいです。
情報ソース・参考リンク
ここまで読んでくれているあなたは、きっと本気で「今年こそ富士山に行こう」と考えているはずです。
僕もこのガイドを書きながら、何度も公式サイトを行ったり来たりして、「今年はどうなっているんだろう?」とワクワクしつつ確認しました。
この記事の内容は、執筆時点での公式情報・公的機関・現地の運行会社などをもとに整理しています。
ただし、富士山まわりの情報は毎年アップデートされる「生もの」です。バス時刻表、運賃、マイカー規制の期間、安全ルールや入山規制などは、シーズンごと・状況ごとに変わることがあります。
なので、実際に計画を立てるときは、ここで紹介しているような公式サイトを自分の手でチェックしてみてください。
最新情報を自分で確かめるその時間も、もう富士登山の一部です。ページをスクロールしながら、きっと少しずつ気持ちが高ぶってくると思います。
また、天候・火山活動・自然災害などによっては、「今年は登らない」という判断がベストになることもあります。
最終的な判断と行動の責任は、どうしても読者ご自身にありますが、その判断を少しでも冷静に、そして前向きに下せるように、これらの情報源をフル活用してもらえたら嬉しいです。
- Official Web Site for Mt. Fuji Climbing|To Yoshida Trailhead
- Official Web Site for Mt. Fuji Climbing|5. Access
- Fujikyu Bus|Fuji-Subaru Line 5th Station Shuttle & Route Buses
- Mt.Fuji Station / Kawaguchiko Station ⇔ Fuji-Subaru Line 5th Station Round-trip Ticket
- World Heritage “Mt. Fuji” Subaru Line 5th Station|Access
- Yamanashi Tourism|Fuji Subaru Line 5th Station Travel Guide
- Japan Travel|Guide to Climbing Mt.Fuji: Yoshida trail
- UNESCO|Fujisan, sacred place and source of artistic inspiration


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