富士山駅と富士急ハイランドを1日で巡る！モデルコース＆所要時間ガイド

朝の富士山駅。吐く息が白く染まる頃、ホームに立つと正面に巨大な富士の姿が現れる。冬の冷気が頬を打ち、その輪郭の美しさに思わず息をのむ。駅舎の屋根の上にまでその影が落ち、街全体が“富士の懐”に抱かれているように感じられる瞬間だ。

僕はこれまで、富士山に何度も登頂し、四季ごとの姿を記録してきた。けれど、この富士山駅のホームから見上げる富士には、いつも“登る前の静けさ”がある。登山者の心を鎮め、観光客の期待をやさしく包み込む、そんな独特の時間が流れているのだ。

富士山駅は、山梨県富士吉田市にある富士急行線の中核駅。旧名「富士吉田駅」から2011年に改称され、今では富士山観光の玄関口として国内外の旅行者を迎えている。
構内にある駅ビル「Q-STA」には、地元名物の吉田のうどんや職人手作りの土産物が並び、屋上展望デッキからは雲の切れ間に浮かぶ富士の全景が望める。そこに立つと、まるで山そのものが「ようこそ」と語りかけてくるようだ。

「駅の屋上から見る富士山は、旅のはじまりの儀式のようだ。」

富士を“登る”前に、まずは“仰ぐ”。それがこの駅で始まる、僕のおすすめする一日の第一歩だ。

富士山駅から富士急ハイランドへのアクセス｜徒歩・電車・バス比較

富士山駅から富士急ハイランドまでは、たったの約1.6km。つまり——電車でも歩きでも、気軽に行ける距離だ。初めてこのルートを歩いたとき、僕は「もうここから旅が始まっている」と感じた。目の前には富士山、耳に入るのは列車の音と風のざわめき。こんな贅沢な“移動時間”がほかにあるだろうか。

• 徒歩：約20分（1.6km）／金鳥居をくぐり抜けてハイランドへ向かう“王道ルート”。写真好きなら間違いなくここ。
• 電車：富士山駅 → 富士急ハイランド駅（1駅・約3分）／運賃150円前後。あっという間に到着するが、車窓から見える富士山も格別。
• バス：駅前ロータリーから約5分間隔で運行（富士急バス）。子連れや荷物の多い旅行者に最適。

もし天気が良ければ、ぜひ徒歩を選んでほしい。
富士山を正面に見ながら歩くその道は、ただの“アクセス”ではなく、すでに旅そのものだ。途中には小さな神社や古民家カフェが点在し、立ち寄るたびに時間がゆるやかに伸びていく。
どこか懐かしくて、でも新しい——そんな不思議な体験が待っている。

「まだハイランドに着いていないのに、もう楽しい。」
そう思えるのが、このルート最大の魅力だ。

午前のおすすめコース｜富士山駅で感じる“静の時間”

朝の富士山駅は、まだ空気が澄みきっていて、どこか神聖な静けさがある。人の流れが落ち着いている午前のうちに、僕は必ず駅周辺を散歩する。ほんの数百メートル歩くだけで、富士吉田という街の「本当の顔」が見えてくるからだ。

まず立ち寄ってほしいのが、駅から徒歩10分の富士山レーダードーム館。ここには、かつて山頂に設置されていた実物のレーダードームが展示されている。あの過酷な環境下で観測を支えた技術者たちの記録を見るたびに、「富士山は人の情熱と科学で守られているんだ」と改めて感じる。僕も学生時代、火山地形の研究で何度も訪れた場所だ。

そして、次に訪れてほしいのが金鳥居。富士山信仰の象徴ともいえるこの鳥居をくぐると、視界の真正面に富士山が現れる。初めてこの構図を見たとき、思わず「これを計算して作ったのか…！」と唸った。江戸の旅人たちも、同じアングルで富士を見上げていたと思うと胸が熱くなる。

歩き疲れたら、駅近くでちょっと休憩を。地元の定番「桜井うどん」では、茹でたての太麺と濃いめの出汁が朝の冷えた体を温めてくれる。もし甘党なら「ふじや製パン」の名物・富士山あんパンを。ほかほかの生地の中に詰まったあんこが、登山のエネルギーをくれるようだ。

ゆっくり歩きながら、地元の空気を感じてみてほしい。観光ガイドには載っていないけれど、ここには確かに“富士山を支える街の鼓動”がある。それを肌で感じる時間こそが、この旅の静かな贅沢だ。

「霧が晴れた瞬間、目の前に現れる富士。その一瞬のために、僕は何度でもここに戻ってくる。」

午後のおすすめコース｜富士急ハイランドで“動の時間”を体験

午前の静けさを味わったら、午後はいよいよスイッチを入れよう。富士急ハイランドは、富士山を背景に「叫んで笑って、また叫ぶ」場所だ。僕は何度来ても、入園ゲートをくぐる瞬間に心が躍る。まるで富士の裾野が、自分の鼓動と一緒に震えているような感覚になる。

まず狙うは三大コースター。
「FUJIYAMA」で風を切り、「ド・ドドンパ」で重力を感じ、「ええじゃないか」で天地がひっくり返る。——この三つを制覇したとき、人は“富士の風”の本当の意味を知る。僕は取材で何度も乗ったけれど、毎回「うわ、これで終わりじゃないのか!?」と叫びながら笑っている。

もちろん、絶叫だけじゃない。トーマスランドでは子どもの笑い声が響き、リサとガスパールタウンではカップルが富士山を背景に写真を撮る。園内のどこにいても、富士山が“主役”として君臨しているのがこのテーマパークのすごいところだ。

僕のおすすめは、午後3時頃からの「富士山ビュー・アトラクションタイム」。太陽が傾き始めると、観覧車やコースターの頂上から見える富士がオレンジ色に染まる。その瞬間だけは、誰もが無言になる。絶叫の余韻と、山の静けさが不思議と溶け合う。

滞在時間は最低4〜5時間を確保したい。混雑日は公式アプリの待ち時間表示をチェックしつつ、優先チケットをうまく使えば主要アトラクションはすべて回れる。
「富士急は並ぶ」とよく言われるけれど、その時間さえも、隣に富士山が見えるだけで待ち時間が“風景の一部”になるのだ。

「ジェットコースターの頂上で一瞬、目の前に現れる富士——あの一瞬のために、何度でも登りたくなる。」

一日モデルコース例（時間別スケジュール）

僕が実際に案内するときにおすすめしている、「富士山駅＆富士急ハイランドを一日で満喫するベストプラン」がこちら。
無理なく、でもしっかり“富士の静と動”を感じられるスケジュールだ。
旅の流れを想像しながら読んでみてほしい。もうワクワクが止まらないはず。

この流れなら、富士山駅の“静けさ”と富士急ハイランドの“熱狂”を一日でどちらも味わえる。
スケジュールを詰め込みすぎず、ひとつひとつの瞬間を楽しむのがポイントだ。

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「朝に富士を仰ぎ、昼に絶叫し、夕にまた富士を仰ぐ」——このリズムがたまらない。
それこそが、僕が何度も現地を歩いて確信した“富士山旅の黄金バランス”だ。

旅の終わりに｜富士山駅の夕暮れと旅情

一日遊び尽くして、夕方に富士山駅へ戻ってくると、ちょっとした“達成感”がある。
ホームに立った瞬間、目の前には夕陽に染まる富士山。オレンジ色の空を背景に、今日いちばんの絶景が待っている。
午前に見たあの静かな富士とは違う、どこか誇らしげな顔をしている。

富士急ハイランドで叫んで笑って、気づけば心がすっかり軽くなっている。
その高揚が、夕暮れの静けさと混ざり合う時間が好きだ。
「ああ、これが富士吉田の一日なんだな」って、自然とそう思える。

帰る前に立ち寄りたいのが駅ビル「Q-STA」。
地元の和菓子屋では、富士山型のどら焼きやおまんじゅうが並び、どれを選ぶか迷ってしまう。
スタッフさんにおすすめを聞きながら、つい“また来たくなるお土産”を探してしまうのが、僕の毎回のルーティンだ。

そして最後にホームへ戻り、もう一度だけ振り返る。
そこには、朝よりもやさしい光をまとう富士山がいる。
静かに一日を締めくくるように、街の灯りとともにその姿が少しずつ夜に溶けていく。

「今日、いい一日だったな」
そう思える旅こそ、最高の旅だ。
そしてその一日の中心に、いつも富士山がある。だから僕は、何度でもここへ戻ってくる。

まとめ｜“静”と“動”が交わる一日を、富士のふもとで

富士山駅の静かな朝から、富士急ハイランドの大絶叫、そして夕暮れのホームで見るあのシルエットまで。
たった一日の旅なのに、まるで一週間分の感情を体験したような満足感が残る。
これが「富士のふもとを歩く一日」の醍醐味だ。

静けさに包まれて始まり、興奮と笑顔で締めくくる。
この“静と動”のコントラストは、富士山という存在が持つ不思議な魅力そのもの。
僕は何度訪れても、必ず新しい発見がある。季節が変われば、空の色も風の匂いも、全部違う。だからこの街は、何度でも帰ってきたくなる。

もしあなたが「富士山をもっと近くに感じたい」と思っているなら、
この1日コースから始めてみてほしい。登山よりも気軽で、観光よりも深い。
きっと帰るころには、「富士山って、ただの山じゃないな」と感じるはずだ。

そして次に来るときは、ぜひ誰かを連れてきてほしい。
富士のふもとで過ごすこの“静と動の一日”は、誰かと共有した瞬間に、もっと特別になる。
僕もまたその日を楽しみに、今日も富士を見上げている。

FAQ｜よくある質問

Q. 富士急ハイランドだけを楽しむなら何時間必要？

A. 主要アトラクションをしっかり回るなら4〜5時間が目安です。僕のおすすめは、昼前から入って夕方までの「半日満喫コース」。FUJIYAMA・ド・ドドンパ・ええじゃないか、この3つを制覇できれば、もう立派な“富士急マスター”です。全制覇を狙うなら開園ダッシュもアリ！

Q. 富士山駅周辺で荷物を預ける場所は？

A. 駅構内にはコインロッカーがあり、スーツケースサイズもOKです。僕も取材のときはここにカメラバッグを預けて身軽に動きます。大型荷物なら観光案内所の一時預かりサービスが便利ですよ。

Q. 雨の日でも楽しめる？

A. もちろん！屋内エリアのトーマスランドやリサとガスパールタウンは屋根付きで安心。僕も雨の日に行ったことがありますが、霧の中で走るコースターはちょっとした非日常体験でした。
カフェ巡りも楽しいので、天候が悪くても十分に“富士の空気”を味わえます。

Q. 駅からのバスは外国語対応？

A. はい、富士急行のバスは英語・中国語・韓国語対応の案内表示つき。海外の友人を案内したときもスムーズに乗れました。観光客への配慮が行き届いていて、初めてでも安心して移動できます。

どの質問にも共通して言えるのは——“富士吉田の旅は、準備さえすれば誰でも楽しめる”ということ。
現地の人も旅人も、みんな富士山をきっかけに笑顔になれる。それが、この街の魅力なんです。

引用・参考情報

• 富士急ハイランド公式サイト：https://www.fujiq.jp/access/
• 富士吉田市観光ガイド：https://www.fujiyoshida.net/
• 山梨県観光公式サイト「やまなし観光ネット」：https://www.yamanashi-kankou.jp/
• Google Maps 現地データより距離測定

※情報は2025年10月時点のものです。最新の運行情報・営業時間は公式サイトをご確認ください。