富士山登山をYouTubeで予習するなら、自分のルートの全行程・下山・装備を使う場面の3点を見るのが最も実践的です。
富士山は標高3,776m。動画は登山道の岩場や砂礫、混雑、夜間歩行を事前に知る強力な教材ですが、料金や入山規制などの最新ルールは必ず公式情報で確認する必要があります。
富士登山では、「何を持っていくか」以上に「どう揃えるか」で準備の負担が大きく変わります。
購入とレンタル、どちらが自分に合うのか迷ったら、装備選びで後悔しないための考え方をこちらの記事で整理しています。
富士山登山をYouTubeで予習するなら何を見るべき?
結論から言えば、きれいな御来光動画を何本も見るより、足元・疲労・装備交換・下山まで映っている一本を見るほうが、富士登山の予習としては価値があります。
YouTubeの最大の強みは、登山地図では読み取りにくい「道の質感」と「時間の流れ」を目で確認できることです。
地図には一本の線として描かれている登山道でも、現地へ行けば状況はまるで違います。
硬い岩を一段ずつ越える場所。
火山砂礫を踏むたびに足が少し戻される場所。
登山者が連なり、自分のペースだけでは歩けない場所。
風を受けながら防寒着を追加したくなる場所。
こうした違いは、動画だからこそ直感的に伝わります。
富士登山オフィシャルサイトも、富士山を3,000mを超える高山として位置づけ、高山病や天候急変などへの十分な準備を求めています。山頂付近では平地より酸素を取り込みにくくなり、体調不良は誰にでも起こり得ます。富士登山+1
「山頂に着いた場面」より途中を見る
富士山のYouTube動画では、雲海や御来光、山頂での記念撮影が目立ちます。
もちろん、それも富士山の魅力です。しかし登山前の予習で僕が見るのは、その少し前です。
撮影者の呼吸が荒くなったのはどこか。
歩く速度が落ちたのはどこか。
雨具を着たのはいつか。
手袋や防寒着を追加した標高はどのあたりか。
ヘッドライトを点灯してから、実際にどのような道を歩いているのか。
登山では、困った場面ほど教材になります。
僕も富士山を繰り返し歩いてきましたが、疲れてくるほど人は「知っているはずのこと」を見落としやすくなります。
だから僕は下山に入る前ほど、標識、ルートの色、次の分岐を意識的に確認します。元気な五合目で理解できた道でも、何時間も歩いた後では同じように判断できるとは限らないからです。
動画の「撮影日」を必ず見る
YouTubeで富士登山を予習するとき、タイトルより先に確認してほしいのが公開日・撮影年です。
登山道の地形そのものを知る目的なら数年前の映像も役立ちます。
一方、通行料、入山料、ゲート、マイカー規制、開山期間、予約方法などは古い動画を信用してはいけません。
たとえば2026年は、吉田ルートでは1人1回4,000円の「通行料」が設定され、午後2時から翌午前3時まで山小屋宿泊者を除いてゲートが閉鎖されました。さらに1日4,000人までという人数規制もあります。富士登山+1
静岡県側の富士宮・御殿場・須走ルートは制度上「入山料」とされ、2026年は1人1回4,000円。静岡県側では事前学習の修了なども入山手続きに組み込まれています。静岡県公式情報
同じ「4,000円」でも、山梨県吉田ルートは通行料、静岡県3ルートは入山料です。
この違いまで動画だけで追いかけようとすると、情報が古くなった瞬間に間違えます。
つまり、YouTubeには役割分担が必要なのです。
動画で見るのは現場。制度を確認するのは公式。
この二つを混ぜないことが、富士登山の予習ではとても重要です。
富士山4ルートはYouTubeでどこまで見ればいい?
富士山の主要登山道は、山梨県側の吉田ルート、静岡県側の富士宮・御殿場・須走ルートの4つです。
同じ山頂へ向かいますが、登山口標高、距離、路面、登下山道の形は大きく異なります。
2026年の富士登山オフィシャルサイトが示す比較では、標準的な目安は次の通りです。所要時間には休憩が含まれず、個人差や混雑、天候などでも変わります。富士登山
ルート 登山口標高 登り 下り YouTubeで特に見る場所
吉田ルート 2,305m 約6時間 約4時間 七合目以降の岩場、混雑、下山分岐
富士宮ルート 2,400m 約5時間 約3時間 急な岩場、登下山者のすれ違い
須走ルート 2,000m 約7時間 約4時間 樹林帯、吉田ルート合流、砂礫の下り
御殿場ルート 1,440m 約9時間 約4時間 長い登り、大砂走り、山小屋間隔
以前の資料や動画では「御殿場ルート登り約7時間」「須走ルート約6時間」など異なる数字を見ることがあります。
しかし現在の記事で登山計画の基準にするなら、その年の富士登山オフィシャルサイトに掲載された所要時間を優先するのが安全です。
吉田ルートは「下山」を最後まで見る
吉田ルートは、富士スバルライン五合目から出発する人気ルートです。
公式案内では登山口が標高2,305m、登り6.8km、下り7.0km。六合目以降は火山砂礫のジグザグ道となり、七合目付近から急な岩場が本格化します。富士登山
YouTubeでは七合目から山頂だけを見て終わらないでください。
むしろ初心者ほど重要なのは山頂から五合目へ戻る映像です。
吉田ルートは登りと下りで道が分かれます。また須走ルートと共有・分岐する区間があるため、疲れた状態で標識を確認する必要があります。
登頂時には達成感があります。
しかし登山という行為にゴールテープはありません。
山頂は折り返し地点です。
僕なら「富士山 吉田ルート 下山」「吉田ルート 下山道 分岐」のように、登りとは別に下山動画を一本探します。
富士宮ルートは「短い」より岩場を見る
富士宮ルートは登山口が4ルートで最も高い2,400mにあり、登り4.3kmと最短です。
その一方、富士登山オフィシャルサイトは「距離が短い分急登が続く」と説明しており、六合目以降は急な岩場、七合目以降はさらに傾斜がきつくなります。登りと下りが同じ道なのも大きな特徴です。富士登山
つまり、最短ルート=初心者に最も楽なルートではありません。
YouTubeではカメラが景色だけを向いている動画より、登山者の足元が長く映るものを選んでください。
岩場で一歩の高さがどれくらいあるのか。
下山者とどの程度の幅ですれ違うのか。
下りで岩場をどのように処理しているのか。
富士宮市は実際に、富士宮ルートを登る登山者の足元や、登下山者が譲り合う場面などを撮影した動画素材も公開しています。映像で見ると、このルートが単純な「最短コース」ではないことがよく分かります。富士宮市公式サイト
須走ルートは樹林帯から砂礫への変化を見る
須走ルートは標高2,000mの須走口五合目から始まり、4ルートでは珍しく序盤に樹林帯を歩きます。
公式の比較では登り6.9kmで約7時間、下り6.2kmで約4時間です。富士登山
ここで見るべきなのは、一つの絶景ではなく路面が変化していく過程です。
樹林帯。
視界が開く区間。
火山砂礫。
高所。
吉田ルートとの合流。
そして下山。
特に砂礫を下る映像では、靴の中に砂が入りやすそうか、ゲイターを使っているか、どの程度足が沈むのかにも注目してください。
2026年から須走ルートの開山は7月1日となり、同年は7月1日午前9時から9月10日午後5時までが開山期間でした。静岡県側でも年ごとに条件を確認する必要があります。富士登山+1
御殿場ルートは編集されていない「長さ」を見る
御殿場ルートは、登山口となる新五合目が標高1,440m。
山頂までの標高差は約2,300mあり、富士登山オフィシャルサイトでは登り10.5km、約9時間の目安が示されています。山小屋も他ルートに比べ少なく、健脚向きとされています。富士登山+1
ここでは5分の絶景ダイジェストだけを見ると、ルートの本質を誤解します。
何もないように見える火山砂礫を歩き続ける時間こそ見てください。
長い登りの途中で撮影者の速度がどう変わるか。
休憩間隔がどう変わるか。
水や荷物をどう扱っているか。
下山の大砂走りまで脚がどれだけ残っているか。
2025年公開の「ぼうけんのしよ」による「【富士山】御殿場ルートで日帰り登山2025 Mt Fuji」は、駐車場から山頂、下山までを扱っています。制度確認ではなく、御殿場ルートの長い行程を見る用途なら参考になります。YouTube
同チャンネルには「【富士山】富士宮ルートで日帰り登山2025 Mt Fuji」もあり、こちらも駐車場から山頂、下山まで収録する構成です。2ルートの映像を見比べると、「同じ富士山なのに、なぜ必要な体力感が違うのか」がかなり分かりやすくなります。YouTube

富士山登山の装備はYouTubeでどう確認する?
装備動画では、商品ランキングを見るより「どの場面で使ったか」を見るほうが重要です。
富士山で必要になる装備は、ザックの中に入っているだけでは役に立ちません。
天候が変わる前に雨具を出せるか。
暗くなる前にヘッドライトを装着できるか。
冷えてからではなく、冷える前に防寒着を追加できるか。
そこまで見て初めて動画が実戦的な教材になります。
レインウェアは「雨が降った瞬間」を見る
吉田ルートでは2026年、五合目で必要装備の確認が行われ、防寒具、上下セパレート式の雨具、登山に適した靴を持っていることがゲート通行の条件とされました。富士登山
これは、装備が単なるおすすめ品ではないことを示しています。
動画では雨具の商品名より、撮影者がいつ着たのかを見てください。
雨粒が大きくなってからなのか。
雲が湧いた段階なのか。
風が強まった段階なのか。
僕が山で重視しているのも「持っているか」だけではなく、取り出す判断を早くできるかです。
標高が上がり、風にさらされてからザックを開けるより、まだ余裕のある場所で一枚追加したほうが動作はずっと楽です。
登山靴は登りより下りを見る
登山靴については、商品レビューだけを見ても富士山との相性は分かりません。
岩場で靴底がどう接地しているか。
火山砂礫でどれほど滑るか。
下りでつま先へ体重が寄っていないか。
こうした点を観察してください。
富士宮ルートなら岩の多い急斜面。
須走・御殿場ルートなら砂礫。
吉田ルートなら長い下山道。
同じ登山靴でも、動画を見るべき場所が変わります。
ヘッドライトは「夜の暗さ」を映像で理解する
御来光を山頂で見る山小屋泊の計画では、夜中から未明に歩くケースがあります。
富士登山オフィシャルサイトのモデルプランでも、山小屋を深夜から未明に出て山頂へ向かう例が設定されています。さらにモデルプランでは五合目などで合計1時間程度を高度順応に充てる前提が示されています。富士登山+1
ヘッドライト動画で確認すべきなのは、ルーメン数の比較だけではありません。
自分の足元がどの範囲まで見えるのか。
岩場で両手を使いたい場面があるか。
前後の登山者の灯りだけで歩けると錯覚しないか。
スマートフォンのライトは、歩行中に手をふさぎます。
登山用ヘッドライトが頭に固定されている意味は、夜間登山の映像を見ると理解しやすくなります。
防寒着は「歩いていない時間」を見る
真夏の麓から富士山を想像すると、防寒具の必要性を実感しにくいかもしれません。
そこで見るべきなのが、山頂で御来光を待っている映像です。
登っているときは体が熱を作ります。
立ち止まれば状況は変わります。
汗を含んだ衣服。
夜明け前の低温。
風。
長い待機。
動画の登山者が途中からフリースや防寒着、手袋、帽子を追加しているなら、「何を着ているか」だけでなくなぜそのタイミングなのかを考えてください。
装備動画を見るとき、僕はいつも一つの問いを置きます。
「これは山頂に着くための物か、それとも無事に帰るための物か」
ほとんどの重要装備は、その両方です。
登山靴、レインウェア、ザック、防寒着……必要なものを一つずつ揃えていくと、意外と悩むポイントが増えてきます。
しかも、すべてを購入することだけが正解とは限りません。
僕ならどこまで揃え、どこからレンタルを考えるのか。富士登山の装備を無理なく準備する方法をこちらの記事で詳しくまとめました。
初めて登る方でも、数分で全体像をつかめます。
富士山登山の予習におすすめのYouTube動画は?
富士登山のYouTube動画は、ルート映像向け・全体解説向け・体験記向けに分けて選ぶと効率的です。
チャンネル登録者数の多さだけで選ぶ必要はありません。
予習では「自分が知りたい区間が映っているか」が最優先です。
吉田ルートなら「登山道場」の長い解説動画が具体的
登山道場が2024年7月に公開した「【ルート解説】2024年度版・富士山・登山<吉田ルート>富士山の登り方を徹底解説します!」は、吉田ルートを具体的に確認したい人に分かりやすい一本です。
動画内では、ゲートから七合目、七〜八合目、装備、八合目から山頂、お鉢巡り、そして下山道までチャプターが分かれています。
特に予習で注目したいのは43分台から始まる下山道の紹介です。登頂場面だけで動画が終わらず、帰路まで扱っている点が実用的です。YouTube
ただし2024年制作なので、2026年以降の通行料や規制制度は別途確認してください。
地形を見る動画と制度を見る資料を分ける好例です。
4ルートを比較するなら「富士山完全ガイド」
NaruMasa Mountain Journeysが2023年に公開した「富士山完全ガイド!富士山の登山ルートから持ち物まで徹底解説!」では、吉田・須走・御殿場・富士宮の4ルートと装備が一つの動画で扱われています。
動画内では吉田ルート、須走ルート、御殿場ルート、富士宮ルートの順に個別解説があり、その後に持ち物や山小屋の説明が続きます。YouTube
まだルートを決めていない人が「4本の山道をまず比較する」用途には向いています。
一方、制度については公開後に変更されています。
僕ならこの動画で全体像をつかみ、その後に2026年の公式比較表へ戻ります。
長い歩行感覚ならJINの吉田ルート動画
JINの「富士登山(吉田ルート)~最高のご来光~」は2017年公開の映像です。
本人の説明では、以前に十分な知識や装備がない状態で初めて富士山へ登った経験を踏まえ、その後、知識と装備を整えて再挑戦した内容とされています。YouTube
現在の料金や規制を確認する教材にはできません。
しかし、動画にはもう一つの価値があります。
富士山登山そのものの空気感を見ることです。
古い動画でも、急な岩場が平坦になるわけではありません。
一方、ルールは変わります。
この「変わりにくい情報」と「毎年変わる情報」を切り分けられるようになると、YouTube予習の精度が一段上がります。
富士宮・御殿場は2025年の全行程動画も比較材料になる
先ほど触れた「ぼうけんのしよ」の2025年版富士宮ルート、御殿場ルート動画は、駐車場から山頂、下山まで扱う点が分かりやすい映像です。YouTube+1
登録者数が多いかどうかは、ここでは本質ではありません。
富士登山の予習では、
- ルートを最初から最後まで映している
- 足元や傾斜が確認できる
- 登りだけでなく下山を収録している
- 撮影年が分かる
- ルート名が明確である
という条件を満たす動画のほうが役立ちます。
以前の記事で紹介されていた「かほの登山日記」「ITAGAKI. TV」「山好き移住者の日記 by もじゃまる」「たかくらや takakuraya」などの登山系チャンネルも、登山スタイルや装備を知る入口にはなります。
ただし「人気YouTuberだから富士山予習に最適」とは限りません。
僕ならチャンネル名から探すのではなく、まず「富士山+利用ルート+下山」「富士山+利用ルート+装備」と検索し、必要な映像があるチャンネルへたどり着く順番にします。
これはYouTube検索で意外に大きな違いを生みます。
人を探すのではなく、自分が現地で下す判断を探す。
富士山の予習では、その考え方のほうが実践的です。

YouTubeだけでは足りない?2026年の公式情報で何を確認する?
YouTubeは登山道を疑似体験する道具であって、最新の登山規制を確定する資料ではありません。
ここを間違えないことが、安全面でもSEO記事としての情報精度でも最も重要です。
2026年の開山期間はルートごとに違った
2026年は、吉田ルートと須走ルートが7月1日から、富士宮ルートと御殿場ルートが7月10日から開山しました。
いずれも山頂方面の通常の登山シーズンは9月10日までです。2026年9月10日の閉山後、山頂へ向かう登山道は冬期閉鎖となっています。富士登山+1
富士登山オフィシャルサイトは、開山期以外の山頂への登山道は通行止めであることも明示しています。富士登山
したがって、数年前のYouTubeに「9月中旬に登った」という映像があったとしても、それを現在の登山可否の根拠にはできません。
4,000円でも山梨と静岡で制度名が違う
2026年の吉田ルートは、山梨県の通行料が1人1回4,000円でした。
午後2時から翌午前3時までは山小屋宿泊者を除いて入山できず、1日4,000人という人数上限も設定されています。富士登山+1
一方、静岡県側の富士宮・御殿場・須走ルートは、入山料が1人1回4,000円です。
静岡県側では安全登山や富士山保全に関する事前学習を終えたうえで入山証を取得する仕組みが設けられました。午後2時から翌午前3時に入山する場合は山小屋宿泊が必要です。静岡県公式情報
動画で「富士山は4,000円」とだけ覚えるより、
「吉田は山梨県の通行料」
「静岡側3ルートは静岡県の入山料」
と分けて理解しておいたほうが情報を更新しやすくなります。
マイカー規制もルートごとに違う
2026年、吉田ルートへつながる富士スバルラインでは7月3日18時から9月10日18時までマイカー規制が実施されました。規制中はシャトルバスなどへの乗り換えが必要です。富士登山
静岡県では富士宮口の富士山スカイラインが7月10日9時から9月10日18時まで、須走口のふじあざみラインが7月1日9時から9月10日18時までマイカー規制となりました。富士登山+1
一方、2026年の御殿場口へ向かう県道富士公園太郎坊線は、公式案内でマイカー規制なしとされています。富士登山
「富士山は全部マイカー規制」と一括りにするのも正確ではありません。
このあたりは動画より公式サイトのほうが圧倒的に確認しやすい部分です。
高山病は動画の撮影者と自分を比較しない
富士登山オフィシャルサイトは、富士山が3,776mの高山で、山頂付近の気圧は平地のおよそ3分の2になると説明しています。
急速に高度を上げると体の順応が追いつかず、高山病を起こす可能性があります。富士登山
以前の記事では「3,000mまで上がると約40%」という数字を紹介しましたが、調査条件や対象を明確に示さず一般化するのは適切ではありません。
大切なのは率ではなく、自分にも起こり得ると考えて計画することです。
公式モデルプランが五合目などで合計1時間ほどの高度順応を想定しているのも、そのためです。富士登山+1
YouTuberが元気に山頂まで登れた。
だから自分も同じ速度で登れる。
この推論は成立しません。
動画は他人の登山記録であって、自分の体調予報ではないからです。
僕が考える富士山登山YouTube予習の正しい順番
僕なら、初めて富士山へ向かう人に「とにかく動画をたくさん見てください」とは言いません。
情報を増やしすぎると、かえって重要な判断がぼやけます。
おすすめは5段階です。
- 1本目はルート全体を見て、登山口から山頂、下山までの大きな流れを把握する
- 2本目は歩行場面の長い動画で、岩場・砂礫・樹林帯・混雑などの路面を確認する
- 3本目は下山中心の動画で、分岐や脚への負担、登りとの違いを確認する
- 4本目は装備動画を見て、雨具・防寒着・ヘッドライトなどを「使う場面」と結びつける
- 最後に富士登山オフィシャルサイトと山梨県・静岡県の情報で、開山状況、入山規制、料金、交通、山小屋、天候を更新する
この順番にすると、YouTubeは娯楽から登山前シミュレーターに変わります。
さらに僕は、動画を見ながら「怖かった場所」ではなく「判断が必要だと感じた場所」を短く残す方法をすすめます。
「七合目から岩場」
「下山分岐を再確認」
「夜間はヘッドライト」
「山頂待機前に防寒」
「雨具をザック上部へ」
この程度で十分です。
重要なのは動画を10本見たか、20本見たかではありません。
映像を見た結果、現地での行動を一つ具体化できたか。
そこに予習の質が表れます。
そして動画を閉じたら、次は身体で確認します。
ザックへ全装備を詰めて背負う。
暗い場所でヘッドライトを着ける。
登山靴のひもを締め直す。
雨具をザックから取り出して上下とも着る。
トレッキングポールを使うなら、その場で長さを調整する。
可能なら事前に低山や長めのウォーキングで歩いておく。
環境省も2025年シーズンのまとめの中で、2026年の登山者に向け、事前の体力づくりと登山装備の準備が重要だと呼びかけました。2025年には高山病や外傷、低体温症などによる救助要請もあったとしています。環境省
この事実を見ても、「動画で知ったから大丈夫」では終われません。
僕は何度富士山を歩いても、準備とは不安をゼロにする作業ではないと感じます。
むしろ、自分がどこで迷い、どこで疲れ、どこで寒くなる可能性があるかを先に見つけておく作業です。
富士山の映像を見ていると、山頂の向こうから朝日が昇る瞬間に心を奪われます。
けれど、その美しい数分間へ続いているのは、何時間もの地道な一歩です。
YouTubeで予習するなら、その一歩一歩まで見てほしい。
そこに、本当の富士登山が映っています。
まとめ|富士山登山はYouTubeで「現場」を予習しよう
富士山登山をYouTubeで予習するなら、自分が登るルートの全行程、下山、装備を実際に使う場面の3点を優先してください。
吉田ルートなら岩場と下山分岐、富士宮ルートなら急な岩場とすれ違い、須走ルートなら樹林帯から砂礫への変化、御殿場ルートなら約9時間が目安となる長い登りと大砂走りを見ると、ルートの個性が具体的になります。富士登山
動画選びでは、有名YouTuberかどうかより、「ルート名が明確」「足元が映る」「下山まである」「撮影年が分かる」という条件を重視するほうが実用的です。
一方、通行料・入山料、ゲート規制、開山期間、マイカー規制などはYouTubeで確定させず、登る年の富士登山オフィシャルサイト、山梨県、静岡県の情報を確認してください。
富士はただの山ではありません。
映像の中では美しく静かに見える山も、そこへ自分の足で立てば、風も岩も高度もすべてが現実になります。
だからこそ僕は、YouTubeを「登った気になるため」ではなく、安全に帰ってくる自分を先に想像するために使いたいと思っています。
よくある質問
富士山登山の予習におすすめのYouTube動画は?
利用するルートの登山口から山頂、下山までを収録し、足元や歩行場面が長く映っている動画がおすすめです。吉田ルートなら「登山道場」の2024年度版ルート解説のように、登り・装備・下山まで章立てされている動画は予習しやすい構成です。YouTube
初心者には吉田ルートと富士宮ルートのどちらがおすすめですか?
一概に「初心者向け」とは決められません。吉田ルートは山小屋が多い一方で混雑や下山分岐への注意が必要です。富士宮ルートは距離が短い一方、急な岩場が続き、登りと下りで同じ道を使います。自分の体力、アクセス、宿泊計画まで含めて選ぶことが大切です。富士登山
YouTubeを見れば富士山登山の準備は十分ですか?
十分ではありません。動画は登山道や装備の疑似体験には有効ですが、開山状況、料金、登山規制、交通、山小屋、天候は変わります。動画で現場を予習し、最後にその年の公式情報を確認し、装備を実際に使う練習や体力づくりまで行うのが基本です。
神楽 岳志
登山エッセイスト|富士山研究家|自然体験ストーリーテラー
富士登山の準備で迷いやすいのが、「本当にこの装備を全部買う必要があるのか」という問題です。
頻繁に山へ行く人と、まずは富士山に挑戦したい人では、合理的な揃え方も変わります。
大切なのは、費用だけで決めるのではなく、安全性や使う頻度まで含めて考えること。
購入とレンタルの違いが分かれば、自分に必要な装備もかなり整理しやすくなります。
富士登山の装備レンタルをどう使えばいいのか、詳しくはこちらの記事で確認できます。
全部読む必要はありません。気になるところだけ拾い読みしてみてください。


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