夜明け前の富士吉田は、まだ世界が息を潜めているように静かだ。
湿った草の匂い、火山灰を含んだ冷たい空気――この街の朝には、富士山が長い時間をかけて磨き上げてきた“気配”が漂っている。
子どものころ、山岳ガイドだった父のザックが玄関で鳴る音は、僕にとって「富士山の鼓動」そのものだった。
あの揺れるバックルの音が聞こえるたびに、胸の奥がざわつき、いつか自分もあの山に試される日が来ると直感していた。
――富士山に登れる人と、登れない人。その差はいったいどこにあるのか。
その問いの答えを確かめたくて、僕は10代の頃から季節ごとに富士山へ通い続けた。
夏の火山礫が焼ける匂い。
冬、標高3,000mで頬を切るように吹く氷風。
春と秋にだけ現れる、儚い光の表情。
富士山は優しい顔をしていながら、その懐は深く、僕たちの油断を決して許さない。
だからこそ、人は山頂で涙を流すのだと思う。
風に叩かれるような斜面を登り切り、暗闇の先で太陽が地平線を染めあげる瞬間――あの光を見た者だけが知る“心の震え”がある。
本記事では、富士山研究家であり、地理学・火山学を背景に多くの登山者を案内してきた僕が、
「富士山に登るためにどれほどの体力が必要なのか」、そして
「最短30日で“登れる体”になるための具体メソッド」を、科学的根拠と実体験にもとづいてまとめていく。
歩ける体を、“登れる体”へ。
あなたが富士山の夜明けに立つその日まで、僕がガイドする。
富士山に登るにはどれくらいの体力が必要か

富士山の標高は3,776m。五合目から山頂までは標高差1,300〜1,500m。
こうして数字を見るとシンプルに思えるかもしれないけれど、実際にこの差を“自分の足で刻む”となると話はまったく別だ。
僕はこの事実を知るたびに、「ああ、やっぱり富士山は特別だ」とワクワクしてしまう。
登りは6〜7時間、下山は4〜5時間。休憩を入れれば丸一日。
これは、ふだんのウォーキングや軽いトレッキングではなかなか味わえない“ロングチャレンジ”だ。
富士山における適正利用推進協議会も、公式ガイドラインで「十分な体力が必須」と強調している。
僕も現場で何度もこれを実感してきた。
では「十分な体力」とは何か。
それは、心肺機能 × 脚力 × 持久力 × 体幹が、ある一定ラインを超えていることだ。
どれか一つが弱いだけで、七合目を過ぎたあたりから動きがガクッと落ちる。
逆にこの4つをしっかり準備すれば、富士山は驚くほど“登れる山”に変わる。
しかも富士山は、一般的な低山とはまったく環境が違う。
登山道は木陰が少なく、足元は火山礫(ざれ)という砂利状の地面。
この上を歩くと、普段の登山より30〜50%多く負荷がかかる。
さらに標高が上がるほど酸素が薄くなり、心肺が「もうひと頑張り」させられる。
ヤマケイオンラインのデータでも、
「平地で数時間歩けても、富士山では6時間で限界を迎える人が多い」と報告されている。
まさにこの“異世界の負荷”こそが、富士山が他の山と違う一番の理由だと僕は感じている。
だからこそ、必要なのは単なる“歩ける体力”ではない。
“富士山という環境に順応できる体力”だ。
この違いを理解すると、準備の方向性が一気にクリアになる。
ただ、心配する必要はまったくない。
適切な準備をすれば、ほとんどの人は富士山に登頂できる。
僕が毎年見ている景色だ。
問題なのは、準備不足のまま挑んでしまうことだけだ。
富士登山の「体力の落とし穴」とは

富士山に挑む初心者の多くが、ある“共通の勘違い”を抱いている。
それが、「平地で歩ければ、富士山もなんとかなる」という思い込みだ。
これを聞くたびに僕は、「あぁ、これは早く伝えたい!」とワクワクしてしまう。
なぜか?
富士山は、そんな単純な山じゃないからだ。
僕は子どものころ、山岳ガイドだった父の背中のすぐ後ろで、多くの登山者が途中で立ち止まる姿を何度も見てきた。
そして経験を重ねるほどに確信した――原因の大半は“体力不足”ではなく、“富士山仕様の体力が足りていない”ということだ。
① 下山で脚が動かなくなる
まずはこれ。多くの人が「想定外だった」と驚くポイントだ。
富士山の下山ルートは、砂利と火山灰が混じったすべりやすい赤土の急斜面。
ここを4〜5時間歩き続けると、太もも・膝・足首に猛烈な負荷がかかる。
実際、富士山で膝を痛める人のほとんどは登りではなく下山中。
これは筋力よりも、“筋持久力の不足”が原因だ。
僕はこの指摘をするたびに、読者や講座の参加者から「なるほど!」という反応をもらう。
② 呼吸が乱れる「高山病リスク」
そして第二の落とし穴。
「普段なら何でもない坂道でも、標高3,000mでは急に息が上がる」――これは富士山に不慣れな人が驚く定番ポイントだ。
酸素が薄くなると、心拍が跳ね上がり、頭痛や吐き気につながる。
つまり、心肺機能が弱い人は高山病リスクが一気に上がるということだ。
僕はこの“呼吸の壁”を超える瞬間を、何度も自分で体験している。
③ 気温差と風が体力を奪う
富士山の天候は本当に面白いほど極端だ。
五合目が20℃でも、山頂は真夏でも0〜5℃。
さらに風速10mの風が吹けば、体感温度は一気に氷点下へ落ちる。
実は「体力がないからバテる」のではなく、“冷えによって体力を奪われる”ケースが非常に多い。
だから僕はいつも、富士山は“体力と気象が同じページにある山”だと伝えている。
④ 体力切れの典型パターン
そして最後に、現場で山ほど見てきた“富士山あるある”を挙げる。
・序盤は順調でも、七合目あたりから脚が重くなる
・高地に入った瞬間に呼吸が苦しくなる
・下山で膝が笑い、足が前に出なくなる
・寒さと風で体力が一気に削られる
これらはすべて、“富士山に合わせた体力準備が足りなかった”結果として起きる現象だ。
でも大丈夫。裏を返せば、準備さえすれば誰でも乗り越えられる壁だということでもある。
僕は毎年、こうした落とし穴をくぐり抜けて笑顔で下山してきた登山者を何人も見てきた。
その瞬間を見るたびに、「ああ、この山は本当に人を強くする」と胸が熱くなる。
富士山登山者の「体力チェックリスト」

富士山に挑む前に、まずやってほしいのがこのチェックだ。
自分の体力を“数字”で把握できると、登山の成功率は一気に上がる。
そして何より、このチェックをクリアしていくと「自分は登れるんだ」という実感が湧いてきて、準備そのものが楽しくなる。
僕はいつも、セミナーや講座でこのチェックを紹介する瞬間が大好きだ。
参加者の表情がパッと明るくなり、富士山がぐっと近づくのがわかるからだ。
① 平地10kmウォーキング(2時間〜2時間半)
これは富士登山の“通行手形”みたいなもの。
10kmを2時間半以内で歩けるなら、登りの基礎はばっちりだ。
実際、この基準をクリアした人は、七合目までは安定して歩けることが多い。
② 階段20〜30分連続で登れるか
七合目以降の富士山は、言ってしまえば「永遠に続く階段ゾーン」だ。
だからこのテストはめちゃくちゃ重要。
30分連続で階段を登れたら、「富士山の後半戦」への扉が開く。
③ ザック5〜7kgを背負って歩けるか
富士山では水・防寒具・ヘッドライトなど、装備をそろえると5〜7kgは必ず超える。
この重さを背負って1〜2時間歩けるなら、当日の負荷がぐっと軽く感じられる。
実践者から、「これやっておいて本当に助かった!」とよく言われるチェック。
④ スクワット20〜30回、息切れせず可能か
富士山は“登りより下りがキツい”という山だ。
そのカギを握るのが大腿四頭筋(太もも前)の耐久力。
20〜30回のスクワットが余裕なら、膝を守れる準備ができていると言える。
⑤ 心拍回復の目安
軽い坂を1〜2分歩いて心拍を上げ、1分以内に落ち着くなら心肺機能は良好。
富士山は心肺が勝負の山なので、この項目は思っている以上に大切だ。
心拍がすぐに戻る人は、高地に入ってもペースを維持しやすい。
⑥ 年齢別の体力基準
20〜40代:1〜2ヶ月のトレーニングで十分登頂レベル。
50代:筋持久力を意識したトレで一気に安定する。
60代以上:ペース管理と山小屋泊で成功率が大きく上がる。
僕はどの年代でも登頂している姿をたくさん見てきた。
年齢ではなく「準備の質」が決め手になるのが富士山だ。
もしこのチェックで「ちょっと不安だな」と思ったとしても大丈夫。
これから紹介する30日間プログラムをやれば、見違えるほど登れる体に変わる。
むしろ、ここからが一番ワクワクするところだ。
最短30日で“登れる体”に変わる体力づくりメソッド

もしあなたが「あと1ヶ月で富士山に登りたい」と思っているのなら、正直に言う。
間に合う。
そしてこの章を書くたびに僕自身ワクワクするのは、まさに“30日で変わる人を何度も見てきた”からだ。
富士山は、正しく準備すれば30日で“登れる体”を作れる山だ。
そのカギは、負荷を上げすぎないこと。そしてもうひとつ、富士山で必要になる筋肉と心肺を少しずつ起こしていくことだ。
これをやると、1週間ごとに「自分でも驚くほど楽になる」タイミングが来る。
◆ 1週目:基礎ウォーキング × 体幹づくり
・平地40〜60分ウォーキング(週3〜4回)
・プランク30秒×3、サイドプランク20秒×左右
・スクワット10〜15回×2セット
最初の1週間は、身体に「そろそろ本気出すぞ」と合図を送る期間。
無理はいらない。むしろ軽めのほうがいい。
この1週目で“スイッチが入る”感覚を味わえると、次の週が俄然楽しくなる。
◆ 2週目:荷物ありウォーキング × 階段トレ
・ザック3〜5kgを背負い、60分ウォーキング(週2〜3回)
・階段15〜20分(週1〜2回)
・スクワット15〜20回×2セット
富士山の登山者が口を揃えて言うのは、「荷物の重さが地味に効いてくる」ということ。
だからこの週から軽いザックを背負う。
この慣れが当日、笑えるほど効く。
階段も楽しくなる頃で、「あ、脚が強くなってるな」という変化が体感でわかる。
◆ 3週目:高負荷心肺 × 長時間歩行
・坂道 or 階段30分(週1〜2回)
・ザック5〜7kg、90分ウォーキング(週2回)
・軽いジョグ15〜20分(週1回)
ここが一番ワクワクする週。
「自分の身体が富士山仕様になっていく」のがハッキリ感じられる頃だ。
心肺をしっかり刺激すると、標高が上がったときの動きが別物になる。
僕がガイドをしていたときも、この週を越えた登山者の多くが“別人のように強く”なっていた。
◆ 4週目:山行シミュレーション × 回復調整
・低山(標高300〜800m)に1回登る
・軽めのウォーキング40分(週1〜2回)
・ストレッチ・体幹メニュー中心
最終週は「仕上げ」と「疲労抜き」。
低山にひとつ登ることで、富士山で使う筋肉が一気に仕上がる。
負荷はむしろ下げるくらいが丁度いい。疲れを取って、当日のコンディションをピークに持っていく。
30日という短さでも、身体は本当に驚くほど変わる。
富士山は努力をそのまま返してくれる山だ。
頂上で朝日を見る自分を想像しながら積み上げれば、準備の時間すら楽しくなる。
富士山向け「部位別トレーニング」

富士山は「脚」と「心肺」の山――これは間違いない。
でも、だからといって「脚だけ鍛えればOK」というわけではない。
むしろ、富士山に通ってきた僕としては、ここで話せるのが嬉しくて仕方がない。
“どこを鍛えたら富士山が一気に楽になるのか”を知ると、トレーニングが一気に面白くなるからだ。
① 大腿四頭筋(太もも前)
まずはここ。富士山下山の“生命線”と言っていい。
長く続く下り、滑りやすい火山礫、そして急斜面。
あなたの膝を守り、最後まで歩かせてくれるのは大腿四頭筋の筋持久力だ。
・スクワット15〜30回×2〜3セット
・椅子スクワット(ゆっくり沈む → ゆっくり上がる)
スクワットに慣れてくると、「あ、下山が怖くなくなるな」という感覚が掴めてくる。
この瞬間は、富士山トレーニングで最もワクワクするポイントのひとつだ。
② ハムストリングス(太もも裏)・ふくらはぎ
そして登りの主役がこのふたつ。
富士山は一歩一歩が深く、砂利がズリッと逃げるため、ハムとふくらはぎをしっかり使う。
ここが弱いと、七合目あたりで脚の重さを強烈に感じることになる。
・カーフレイズ20〜30回
・ランジ左右10〜15回
ランジが安定してくると、登りのグイッと踏み込む感じが気持ちよくなる。
ここでも「あ、富士山に合った脚になってきたな」と実感が生まれる。
③ 体幹
「脚じゃなくて体幹?」と思うかもしれないけれど、ここも超重要。
体幹が弱いと、ザックの重さで姿勢が崩れ、肺が圧迫されて呼吸がしんどくなる。
つまり、体幹が強いだけで富士山での呼吸が楽になる。
・プランク30〜40秒×2
・サイドプランク左右20秒
体幹トレは派手さはないけれど、効いてくると歩行が“スッと軽くなる”。
これもまた、トレーニングが楽しくなる瞬間だ。
④ 心肺機能
そして最後は、富士山で最も裏切らないトレーニング。
高地では心拍数が普段の1.3〜1.5倍まで跳ね上がる。
山頂で息が乱れるかどうかは、ここで大きく変わる。
・早歩き(40〜60分)
・軽いジョグ(10〜20分)
・坂道ウォーク(20分)
心肺が強くなってくると、高地で「あれ、意外といける?」という感覚が出る。
この瞬間を感じた登山者は、一気に自信が湧いてくる。
富士山は確かに厳しい山だ。
でも、その厳しさを乗り越えるための準備は、こんなにもシンプルで、やればやるほど手応えがある。
そして何より、自分の身体が富士山仕様に変わっていく過程は本当にワクワクする。
初心者・高齢者・運動不足でも登頂できる体力づくり戦略

富士山に挑む人の中には、50代・60代、さらには70代の方もいる。
そして本当に面白いのは、僕がこれまで見てきた「最も感動的な登頂」は、むしろシニア層が成し遂げたものばかりだということだ。
なぜか?
彼らは、若い人と同じ戦い方をしない。
無茶をしない。焦らない。
“自分に合った準備”を着実に積むから、驚くほど強い登山者になるのだ。
富士山は年齢ではなく、準備の質に応えてくれる――これは僕が胸を張って言える事実だ。
① 運動不足の人は「週2回の現実的メニュー」から
いきなりハードなことをする必要はない。むしろ逆効果だ。
富士山に挑む人を何百人と見てきたけれど、結局いちばん強いのは“無理なく続けられた人”だった。
・平地40分ウォーキング×週2
・スクワット10〜15回×2セット
・階段ゆっくり10分
この3つだけで、本当に変わる。
2〜3週間もすると、「あれ、自分ってこんなに歩けたっけ?」という感覚が出てくる。
これがワクワクの始まりだ。
② 50代・60代は“膝の守り方”が最重要
この年代でいちばん多いのは、登りではなく下山のトラブル。
富士山の下りは長く、砂利と火山灰で滑りやすい。これが膝にくる。
だからこそ、シニア登山者はここに集中的に取り組むと、一気に“強い登山者”に変わる。
・太もも(大腿四頭筋)の筋持久力強化
・ストック(トレッキングポール)の活用
・下山前のストレッチ(特に膝裏)
僕はこの方法で「膝の痛みがほぼ出ずに登頂できた」という声を何度も聞いている。
膝が守れると、富士山は一気にやさしい山に変わる。
③ 心肺が不安な人は「呼吸の余裕」を作る
高齢者ほど、呼吸の“余裕づくり”が富士山の成功率を引き上げる。
息が乱れなければ、ペースも安定し、気持ちも落ちつく。
呼吸が整っている登山者は、どの年代でも強い。
・“早歩き”で心拍を上げすぎず整える
・鼻呼吸 → 口呼吸の切り替え練習
・休憩ごとに深呼吸でリセット
この「呼吸の余裕」を手に入れた瞬間、多くの登山者が「あ、これなら行ける」と自信に変わる。
僕はこの瞬間を見るのが大好きだ。
④ 山小屋泊は強力な味方
体力に不安がある人ほど、迷わず山小屋泊でいい。
むしろ、これを選ぶだけで成功率が大きく跳ね上がる。
疲労が半分に減り、酸素の薄さにも慣れ、夜明け前の体力をしっかり確保できる。
山小屋をうまく使える人は、本当に強い。
富士山は、工夫をしながら登るほど、見える景色が変わる山だ。
年齢を理由に挑戦をあきらめる必要はまったくない。
富士山は、あなたの年齢を見て判断しない。
“準備した背中”にだけ、静かに道を開いてくれる。
富士登山直前の体力調整と当日のペース管理

どれだけ完璧なトレーニングをしても、最後の最後──「直前1週間」と「当日の歩き方」を間違えると、富士山は一気に手強い相手になる。
逆に言えば、この2つさえ押さえておけば、山頂はグッと近づく。
富士登山はまさに、“体力のピークを山頂に持っていく技術”なんだ。
この話をする瞬間は、僕自身いつもワクワクしてしまう。
① 直前1週間は「疲労抜き」が最優先
・ウォーキング40分×2回程度
・軽いストレッチ中心
・筋トレは強度を半分に落とす
直前の1週間は“仕上げ”ではなく、“回復の時間”だ。
ここを間違える人が本当に多い。
前日に「最後の追い込みだ!」なんてやると、当日に脚が重くなり、富士山のペースに身体がついてこなくなる。
むしろ軽く動くくらいが、当日の爆発力につながる。
② 当日のペースは「呼吸1:歩幅1ルール」
富士山では、“呼吸が乱れたら、その時点でオーバーペース”。
あなたのベストペースは、呼吸が自然に続く歩幅だ。
このシンプルなルールが、七合目以降の「急登ゾーン」で圧倒的な差を生む。
七合目からの本格的な登りは、半歩ずつでも問題ない。
むしろそれが強い登山者の歩き方だ。
誰かのペースについていく必要はない。富士山は“自分のリズム”で登る山だ。
③ 心拍・体温の管理
・暑い時は早めの水分補給(500ml/1〜1.5時間)
・寒い時はレイヤリングで調整
・行動食は20〜40分に一度(200〜300kcal)
富士山での体力切れの原因は、筋力不足より補給不足が圧倒的に多い。
心拍が上がりすぎる前に水分を取り、寒さを感じる前に一枚羽織り、エネルギーが落ちる前に食べる。
これができると、疲労曲線が劇的に変わる。
④ 下山で“体力を残す”コツ
・ストックで膝への衝撃を半減
・小股でブレーキをかけず、リズムよく歩く
・疲れを感じたら迷わず5分休む
富士山は「登り切って終わり」の山じゃない。
本当のゴールは“無事に五合目へ帰ってくること”だ。
下山が上手い人ほど、登山全体の満足度がグッと上がる。
そして、ここまで準備したあなたなら大丈夫。
いよいよ山頂で迎えるご来光は、ただの景色ではなく、
「自分で勝ち取った瞬間」になる。
その日に向かって、いま積み上げている準備はすべてつながっていく。
FAQ(よくある質問)
Q1. 普段あまり運動していなくても登れますか?
はい、登れます。これは断言できます。
30日あれば、ほとんどの人が“富士山対応の体”に変わります。
僕の講座でも、運動習慣ゼロだった人が1ヶ月後には「七合目まで余裕でした!」と笑顔で報告してくれることがよくあります。
ポイントは無理なく続けること。
週2〜3回のウォーキングと少しの階段トレだけでも、体は驚くほど変わるんです。
Q2. どのくらい歩ければ登頂レベルですか?
目安はとてもシンプル。
平地10kmを2時間半以内で歩けるなら、基礎体力は合格点。
これができれば、富士山の前半はかなりスムーズに進めます。
さらに階段を20〜30分連続で登れれば、七合目以降の急登で一気に優位に立てます。
これをクリアした瞬間、多くの人が「自分でもいけるかも」とワクワクし始めます。
Q3. 50代・60代でも登頂は可能ですか?
もちろん可能です。
むしろ僕がガイドしてきた中で最も感動した登頂はシニア世代でした。
彼らは無理をせず、自分のペースと準備を大切にするので、結果的にとても強い登山者になります。
必要なのは、膝の保護(大腿四頭筋)、ペース管理、そして山小屋泊。
この3つがあるだけで成功率は一気に上がります。
Q4. 最低限やっておくべきトレーニングは?
最低限に絞るなら、この3つだけでOKです。
・週2〜3回のウォーキング(40〜60分)
・階段10〜20分
・スクワット10〜20回
正直、この3つを続けた人はほぼ確実に“富士山の前半戦は余裕”になります。
ここからさらに強くしたい人は、僕が紹介した他のメニューを追加しましょう。楽しさが増します。
Q5. 心肺が弱いのですが大丈夫でしょうか?
大丈夫です。
むしろ心肺に不安がある人ほど、トレーニングの伸びを実感しやすい。
最初の1〜2週間で「呼吸が楽になった!」と実感する人が本当に多いです。
おすすめはこの3つ:
・早歩きで心拍を軽く刺激する
・軽いジョグで呼吸のリズムを作る
・坂道ウォーキングで富士山モードに近づける
そして富士山では、“息が乱れないペース”が最強です。
これさえ守れば、心肺に不安がある人のほうが安定して登ることだってあります。
参考情報・引用元
この記事で紹介した体力基準や環境の話は、僕の経験だけで語っているわけではありません。
登山者の安全を第一に考えるなら、信頼できるデータと一次情報は欠かせない。
だからこそ、僕自身が富士山を語るときに必ずチェックしている“鉄板の情報源”をここで紹介します。
これを並べているだけでもワクワクしてしまうのは、どれも富士山の本質に迫れる資料だからです。
まずは、富士山の公式情報を扱う
富士山における適正利用推進協議会。
登山ルール、安全対策、体力に関する推奨事項まで、すべての基礎となるデータがまとめられています。
さらに、地形そのものを理解するために欠かせないのが国土地理院の標高データと地形図。
標高差・斜度・地形のクセは、このデータを見ると一気に腑に落ちます。
そして富士山が世界遺産である理由を深く知るなら、
UNESCOの公式ページは外せません。
自然・文化・信仰……富士山が世界に認められた根拠がここにあります。
登山前に読むと、ただの山ではないという感覚が強まり、ますます挑戦が楽しみになります。
登山の実践情報としては、
ヤマケイオンラインが非常に強力。
登山者のリアルなデータ、トラブル事例、ルート情報など、僕自身も現場の空気感を掴むためによくチェックしています。
さらに、富士山登山の体力基準やトレーニング指標を明確に知るなら
Fuji-Climb.comが頼りになります。
富士山を科学的に分解しながら、どんな力が必要なのかがとてもわかりやすい。
英語情報になりますが、MyTokyoGuideのフィットネスガイドも非常に実践的で、世界の登山者からも高く評価されています。
これらの情報をベースにしつつ、現場で僕自身が見てきた事例や体感、講座参加者の成果を合わせて記事を作っています。
だからこそ、この内容は“ワクワクしながら、でも確かな根拠を持って”書けるんです。

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