冬の夕方、露天風呂の湯けむりの向こうで、富士山がゆっくりと赤く染まっていく。
僕の隣では、長距離運転でぐったりしていたはずの父が、子どものような顔で「すごいなあ」とつぶやいた。
その横顔を見た瞬間、「富士山がいちばん綺麗に見えるのは、写真じゃなくて“湯船の中”かもしれない」と思ったんだ。
富士山は世界文化遺産にも登録された、日本を象徴する山。
ただ眺めるだけでも十分に美しいけれど、「湯に浸かりながら富士山を眺める」という体験は、心に残り方がまるで違う。
とはいえ正直なところ──
- 「富士山ビュー」をうたっているのに、電線が視界を横切っていたり
- 角度的に富士が小さくて、あまり迫力がなかったり
- 時間帯や季節が悪くて、まったく見えなかったり
そんな“ガッカリ体験”も少なくない。
そこで今回は、富士山の麓・山梨県で生まれ育ち、何十回も富士山ビュー温泉を巡ってきた僕が、現地体験と公的情報、口コミなどを総合して、「富士山が本当に綺麗に見える湯」だけを厳選し、2025年版ランキングとしてまとめた。
観光パンフレットには載らない、方角・時間帯・季節まで踏み込んだ“真実”のランキング。
次の休日に、あなたが向かうべき一湯が見つかればうれしい。
富士山が「いちばん綺麗に見える湯」の条件とは?ランキング基準を公開

ここからが本題──と行きたいところだけど、その前にひとつだけ共有させてほしい。
「いちばん綺麗だった!」という湯は、人によってバラバラに見えて、実はきちんとした“共通パターン”がある。
富士山の研究と温泉めぐりを重ねるうちに、僕はそれをほぼ条件として言語化できるようになってしまった。
せっかくなので、このランキングで使っている「物差し」を先にお見せする。
ここがわかると、「自分だったらどの湯を選ぶか」がぐっとイメージしやすくなるはずだ。
「綺麗に見える」を分解してみる
僕が富士山ビュー温泉をチェックするとき、頭の中ではいつもこんなチェックリストが回っている。
- 眺望力(角度・距離・迫力)
富士山が正面に大きく見えるか。
ちょっと斜めの遠景よりも、湯船の向こうに「どーん」と座ってくれている方が、胸の高鳴りが違う。
「おお、今日は当たりだ」と思えるかどうかは、だいたいここで決まる。 - 遮るものの少なさ
電線・建物・木々など、視界を邪魔するものがどれくらいあるか。
同じ富士山でも、“額縁”になる景色次第で印象は大きく変わる。
実はここ、現地に行かないと分からないことが多くて、取材中に一番ワクワクしながら確認しているポイントだ。 - 水面への映り込み
湖面や湯面に富士山が映る「逆さ富士」や、朝夕の光が重なる“特別な瞬間”が狙えるか。
条件が揃ったときの破壊力はすさまじくて、僕も何度カメラを落としそうになったかわからない。
写真好きにはたまらない、ボーナスポイント的な要素だ。 - 時間帯の表情
朝焼け・日中・夕焼け・夜景・星空──。
どの時間帯にいちばん魅力が出るか、どれくらい表情の幅があるか。
「この湯は朝に本気を出すな」「ここは夜景が本命だな」と、取材ノートにはだいたい時間帯メモがびっしり並ぶ。 - 湯としての魅力
泉質や温度、設備、休憩スペースなど、「温泉として気持ちいいか」。
富士山がよく見えても、お湯が落ち着かなければ本末転倒。
逆に「湯が良すぎて、富士が見えない日でも満足できた」という場所は、僕のメモ帳の評価が一段上がる。 - 行きやすさ・使いやすさ
日帰り利用のしやすさ、アクセスの良さ、料金など。
「疲れているときでも、頑張りすぎずに行けるか」は、実はすごく大事だ。
ひとことで言うと、“また行きたくなるかどうか”につながる部分でもある。
この記事の評価軸
今回の「真実ランキング2025」では、さっきのチェックリストを整理して、次の4つを軸にスコアリングしている。
- ① 眺望力:富士山の大きさ・角度・迫力
- ② 安定性:よく見える方角か・見える確率・季節要因
- ③ 湯の魅力:泉質・施設の居心地・過ごし方の幅
- ④ 旅のしやすさ:アクセス・日帰り可否・家族・カップルで使いやすいか
そして何より大事なのは、僕自身が「またあの湯で富士山が見たい」と素直に思えたかどうか。
ランキング表をつくるときは、いつもニヤニヤしながら、過去のノートと記憶をひっくり返している。
もちろん、これは僕個人の評価だ。
でも、できるだけ主観だけに寄りすぎないように、公的な観光情報や口コミも照らし合わせて、
「ここは間違いなく“富士山が綺麗に見える湯”と言っていい」と胸を張れる場所だけを残した。
さあ、この条件を全部(もしくはほとんど)満たしてしまった欲張りな温泉たちが、次の章から登場してくる。
自分だったらどの湯を選ぶか、頭の片すみで想像しながら読み進めてもらえたらうれしい。
富士山がいちばん綺麗に見える湯・真実ランキング2025【ベスト5】

さあ、ここからがこの記事のメインディッシュ。
僕が何年もかけて通い倒してきた中から、「これは胸を張って勧められる」とワクワクしながら残した2025年版のベスト5だ。
どの湯も、取材というよりはほとんど「ただのファンとして通ってしまっている場所」ばかり。
それぞれの湯について、「こんな人におすすめ」「狙い目の時間帯」も一緒に書いておくので、
自分の旅スタイルにぴったりくる一湯をイメージしながら読んでもらえるとうれしい。
第1位 富士眺望の湯 ゆらり(山梨・鳴沢村) ──“これぞ富士山ビュー温泉”と胸を張れる、王道の一湯
まずは、僕の中で「富士山ビュー温泉って何?」と聞かれたら、真っ先に名前が出てくる場所から。
富士山の北側、樹海の手前にある日帰り温泉「富士眺望の湯 ゆらり」。
その名の通り、露天エリアに出た瞬間、視界の正面に富士山がどーん!
初めて連れてきた友人が、ほぼ例外なく「うわ、写真よりすごい…」と声を漏らすくらい、王道中の王道だ。
いくつものお風呂があるなかでも、僕が毎回ニヤニヤしてしまうのが「霊峰露天風呂」。
湿った木の匂い、ひんやりした空気、その中をゆっくりと進んでくる湯けむり。
その向こうから富士山が姿を現した瞬間、「ああ、また来て良かったな」と素直に思ってしまう。
おすすめの時間帯は、冬〜春の午後〜夕方。
澄んだ青空を背景にした富士もいいし、少しずつ赤みを帯びていく夕暮れの富士もたまらない。
正直、日帰りでこのクオリティは反則級で、「これが1日で帰れる距離にあっていいのか」と毎回笑ってしまう。
- こんな人におすすめ
・初めて富士山ビュー温泉に行く人(まずはここを基準にしてほしい)
・日帰りドライブでさくっと絶景を味わいたい人
・家族旅行で“絶対にハズしたくない”ときの安心カードがほしい人 - キーワード
富士山が見える温泉 日帰り / 富士山 ビュー 露天風呂 / 富士五湖エリア 日帰り温泉
スマホを置いて、湯と富士山だけの世界へ。10分でいい、心の通知をすべてオフにしよう。
第2位 休暇村 富士「富士山恵みの湯」(静岡・田貫湖) ──湖越しに眺める“逆さ富士”と温泉、欲張りすぎる贅沢
第2位は、僕が「ここは一泊してじっくり味わってほしい」と本気で思っている湖畔の宿、田貫湖の休暇村 富士。
ここはなんといっても、湖越しに富士山を望める数少ないロケーション。
条件が揃えば、湖面に富士山が映り込む“逆さ富士”という、ずるいくらい完璧な絵が目の前に現れる。
風が弱く、湖面が鏡のように静まる朝。
湯けむりの向こうに、空の富士と湖の富士、ふたつの富士山がゆらゆら浮かぶのを見てしまうと、
「うわ、これを独り占めしていいのか」と、軽く笑いが出る。
湯面と湖面、ふたつの水鏡に浮かぶ富士は、少しだけ現実離れして見える。
ここは“通りがかりの日帰り”ではもったいないタイプの温泉。
夕方の朱色の富士、夜のシルエット、朝焼けのグラデーション…一泊するだけで、別人のような富士山を何回も味わえる。
- こんな人におすすめ
・静かな湖畔ステイで「何もしない時間」を楽しみたい人
・写真撮影やタイムラプスが好きで、天気との“勝負”も含めて楽しめる人
・カップル・夫婦で、ゆっくり語りながら富士山を眺めたい人 - キーワード
田貫湖 富士山 露天風呂 ホテル / 富士山 逆さ富士 温泉 どこ / 富士山 湖畔 温泉 宿
第3位 御殿場 富士八景の湯(静岡・御殿場市) ──昼は富士山、夜は街明かり。“大人の絶景温泉”
第3位は、首都圏からのアクセスと「満足度」のバランスが絶妙な、御殿場の富士八景の湯。
御殿場インターからも行きやすい高台にあって、晴れた昼間に露天エリアへ出ると、
「あ、富士山のサイズ感、ちょうどいいな」という迫力で目の前に広がる。
そして夜。ここが一気に“化ける”時間帯だ。
富士山はシルエットになり、その手前に御殿場の街明かりがポツポツと灯り始める。
湯に浸かりながらそれを眺めていると、「今日はよく頑張ったな」と自然に自分をねぎらいたくなる。
露天風呂の縁に腕をかけて、ただ富士を見上げる。何もしない贅沢が、いちばんのご褒美になる。
御殿場プレミアム・アウトレットや周辺観光と組み合わせやすく、
「買い物+温泉+富士山」という、欲張りセットを一日で楽しめてしまうのがこの湯の強みだ。
- こんな人におすすめ
・アウトレット帰りに「最後は絶景露天で締めたい」人
・車なしでも公共交通で動きつつ、しっかり富士山も見たい人
・夜の富士山と夜景の両方を楽しめる“大人の温泉時間”を過ごしたい人 - キーワード
御殿場 富士山 一望 日帰り温泉 / 富士山 夜景 温泉 御殿場 / 富士山 登山 帰り 寄れる 温泉
第4位 富士山を望む湖畔の宿(河口湖・山中湖・西湖周辺) ──「どの湯に泊まるか」で旅の記憶が決まるエリア
第4位は、一つの施設ではなくエリアごとでのランクイン。
富士五湖エリアには、富士山と湖を同時に望める温泉宿が本当にたくさんあって、
ここはもう、「どの宿を選ぶか」まで含めて旅の楽しみになる場所だ。
僕自身、このエリアだけでノートが何冊も埋まっている。
河口湖は「これぞポストカード」という安定感、山中湖や西湖は少し野性味を残した静けさ。
同じ“湖畔×富士山”でも、泊まる場所によって旅のテイストががらっと変わる。
ポイントは、「大浴場からの眺め」か「客室風呂からの眺め」かを決めてしまうこと。
家族連れやグループなら、大浴場でわいわい入れる宿。
カップル・夫婦なら、露天風呂付き客室で「ふたりだけの富士山」を独占するプラン。
ここを最初に決めてから探すと、迷子になりにくい。
- こんな人におすすめ
・「富士山ビューの温泉旅館にちゃんと泊まる旅」をしてみたい人
・子連れ・三世代旅行で、みんながそれぞれ楽しめる宿を探している人
・花火大会やイベントと絡めて、「今年の一枚」を撮りに行きたい人 - キーワード
河口湖 富士山 温泉 眺めがいい宿 / 富士五湖 富士山 ビュー 温泉 宿 / 富士山 温泉 家族旅行 おすすめ
「また来ようね」湯上がりに交わしたその一言が、家族のアルバムをそっと塗り替える。
第5位 西伊豆・駿河湾越しに富士山を望む温泉旅館 ──海と夕陽と富士山、三拍子そろった“シルエット富士”の世界
第5位は、ちょっと通好みな西伊豆エリア。
ここは、「海も好きだし、富士山も好き」という欲張りな人に、声を大にして勧めたい場所だ。
駿河湾越しに、海・空・富士山が1枚のキャンバスの中に収まる夕方。
湯船からその景色を眺めていると、「ああ、これで今日が終わるのか」と、いい意味で力が抜けていく。
富士山自体は、五湖エリアほど大きくは見えない。
それでもここをランキングに入れたのは、「シルエットになった富士山の美しさ」がずば抜けているからだ。
海に沈む夕陽、オレンジから群青に変わる空、そのグラデーションの中に浮かぶ富士山の影。
取材で訪れていても、つい「もう一回だけこの時間を味わいに来たいな」と、帰り道に次の予定を考えてしまう。
- こんな人におすすめ
・ドライブ旅で「海と富士山の両方」を一日で楽しみたい人
・夕陽の時間に合わせて、ゆっくりチェックインする旅が好きな人
・ちょっとマニアックな富士山ビューを開拓してみたい人 - キーワード
西伊豆 富士山 眺望 温泉旅館 / 駿河湾 富士山 ビュー 温泉 / 富士山 絶景インフィニティ風呂
番外編 貸切風呂&露天風呂付き客室で楽しむ“プライベート富士山ビュー”
最後に、僕が個人的に大好きな楽しみ方をひとつ。
それが、「貸切風呂」や「露天風呂付き客室」からの富士山ビューだ。
御殿場や河口湖エリアには、人目を気にせず富士山を眺められる貸切風呂を持つ宿がいくつかある。
カップル・夫婦はもちろん、小さな子ども連れの家族にとっても、このスタイルは本当に気楽でありがたい。
予約サイトを見ているとき、僕がいつもワクワクしながらチェックしているのがこのあたり。
- 部屋や貸切風呂が何階にあるか(視界が抜けているかどうか)
- 富士山の方角(北・南・東・西)に対してどの向きか
- 「富士山側」「眺望保証」など、プラン名にこだわりがあるかどうか
- 口コミに「Mt. Fuji view」「富士山がよく見えた」といった具体的な感想があるか
このひと手間をかけておくと、
「せっかく奮発したのに、富士がちょっとしか見えない…」という残念なパターンはかなり避けられる。
- キーワード
富士山 温泉 貸切風呂 カップルプラン / 富士山 ビュー 露天風呂 カップル / 富士山 温泉 穴場 2025
霧に隠れた富士を待つ露天風呂ほど、静かにわくわくできる場所はない。見えない時間も、旅の一部だ。
2025年版・季節別「富士山がいちばん綺麗に見える時間帯」早見表

ここからは、書いている僕自身が一番テンションが上がるパートかもしれない。
同じ温泉でも、「いつ行くか」だけで、富士山の表情がぜんぜん違うからだ。
「この季節の、この時間帯に、この湯で見る富士山はやばいぞ…」とニヤニヤしながら、季節別のおすすめを整理してみた。
冬(12〜2月)──いちばん輪郭がくっきりする季節
- 特徴:空気が澄んで、富士山の輪郭がビシッと決まるベストシーズン
- おすすめ時間帯:朝〜日中、夕方の赤富士狙い
- 注意点:路面凍結・積雪に要注意(スタッドレス必須のエリアも)
個人的には、「冬の露天風呂×富士山」こそ究極の組み合わせだと思っている。
顔だけ冷たい空気にさらしながら、熱めの湯に肩まで浸かって、目の前にはくっきりした富士山。
寒いのが苦手な人ほど、一度ハマると抜けられなくなる季節だ。
春(3〜5月)──霞がかる富士と、桜・新緑のコラボ
- 特徴:日中は少し霞みやすいが、桜や新緑とのコラボがとにかく絵になる
- おすすめ時間帯:早朝〜午前中、夕方
- 注意点:花粉症持ちには試練の季節。マスクや薬はお守り代わりに。
春は、「くっきり感」よりも“やわらかい富士山”を楽しむ季節。
桜越し、新緑越しにふわっと見える富士山を湯船から眺めていると、
「ああ、冬が終わってくれたな」とホッとする瞬間が何度もある。
夏(6〜8月)──雲のカーテンと“すき間時間”を狙う
- 特徴:積雲が湧きやすく、日中は雲に隠れがち。でもドラマチックな空が多い季節
- おすすめ時間帯:早朝・夕方〜夜
- 注意点:渋滞・混雑・暑さ。早出・早帰りの計画があるだけで、快適さが段違い。
夏の富士山は、「雲との駆け引き」を楽しむ季節だと思っている。
日中はすっぽり雲の中でも、早朝のひとときだけ顔を出してくれたり、
夕方、夕焼けと一緒にシルエットで現れて思わず声が出たり。
朝風呂でスッキリしてから観光に出るか、
一日遊びきったあとに夕方〜夜のシルエット富士を狙うか。
プランを考えるだけでわくわくしてくる季節だ。
秋(9〜11月)──澄んだ空と紅葉のコントラスト
- 特徴:空気も澄み、冬に次いで安定して見えやすい優等生シーズン
- おすすめ時間帯:一日を通して安定しやすいが、特に朝〜午前中が気持ちいい
- 注意点:朝晩の冷え込みがぐっと強くなる。湯冷め対策と羽織ものがあると快適。
紅葉と富士山、そして温泉。
もう「全部乗せ」みたいな欲張りシーズンが、この秋だ。
僕自身も、毎年「どこか1カ所は秋の富士山ビュー温泉に行こう」と決めてスケジュールを組んでいる。
朝のひんやりした空気の中で入る露天風呂は、気持ちよさが別格。
湯気の向こうで、赤や黄色が混じった木々と富士山が並んでいるのを見ると、
「この季節が短いのが、ちょっとずるいよな」と本気で思う。
今日の富士山に会えるのは、今日のあなたしかいない。
だからこそ、「どの季節の、どの時間帯の富士山に会いに行くか」を決めるだけで、旅の楽しみが一気に広がる。
失敗しない「富士山ビュー温泉」の選び方と予約のコツ

ここまで読んで、「どこも良さそうで決めきれない…」と迷い始めていたら、すごくいい状態。
このパートでは、僕が実際に予約するときにワクワクしながらチェックしているポイントを、そのまま共有する。
① 写真は「どこから撮ったものか」を意識して見る
予約サイトや公式HPの写真は、もちろん“一番いい角度”から撮られている。
そこは疑ってかかる、というより、冷静に読み解いていくのがコツだ。
大浴場からの写真なのか、客室からなのか、屋上のテラスなのか。
「このアングル、どこから撮ったんだろう?」と想像しながら、
キャプションや施設紹介文までセットで読むと、イメージのズレがかなり減る。
② 口コミで「眺望」「view」「Mt. Fuji」の言葉を探す
僕がいつもやっているのは、口コミ欄で「眺望」「景色」「view」「Mt. Fuji」あたりを検索すること。
日本語だけでなく、英語の口コミもチェックすると、意外と本音が見えておもしろい。
“view of Mt. Fuji was amazing!” といったコメントが多い宿は、やっぱり強い。
逆に「天気が良ければ見えるはずなんだけど…」という声が続くところは、
方角や立地的に安定しづらい可能性がある。
③ インバウンド人気のある「Mt.Fuji view onsen」は、快適さも高い
最近は、海外からの旅行者に人気のMt.Fuji view onsenも増えてきた。
こういう施設は、英語対応や館内案内のわかりやすさ、全体のサービスレベルが総じて高い。
「海外の友人を連れて行く」「英語圏のパートナーと一緒に行く」
そんなときは、インバウンド人気の高い温泉を選ぶと、
“富士山ビュー”+“ストレスの少ない滞在”の両方をかなえやすい。
④ 穴場を狙うなら「少し視点をずらす」
王道の河口湖・山中湖はもちろん素晴らしいけれど、
混雑を避けたい、静かに過ごしたいという人には、田貫湖・西湖・西伊豆あたりが狙い目だ。
あえてメジャーどころから半歩だけ視点をずらすと、
「え、なんでここがもっと有名じゃないんだろう?」という穴場に出会えることがある。
地図アプリを眺めながら、お気に入りの一帯を探していく時間も、個人的にはかなり楽しい。
富士登山の前後に寄れる「癒やしの温泉」セレクション

最後は、登山好きとしてどうしても外せないパート。
富士山に登る人にとって、温泉は「最後のご褒美」であり、
「次もまた登ろう」と思えるかどうかを決める大事な締めくくりでもある。
ここではざっくりと、登山口ごとに“こんな温泉と組み合わせると楽しいよ”というイメージを共有しておきたい。
- 吉田口方面:河口湖・鳴沢・富士吉田周辺の日帰り温泉が便利。
登山バスの拠点からも動きやすく、「下山→そのまま温泉」が実現しやすいエリア。 - 富士宮口方面:田貫湖・富士宮市内の温泉や宿泊施設と相性抜群。
南側から見上げる富士山を、登山後にもう一度ゆっくり眺め直すのも楽しい。 - 御殿場口・須走口方面:御殿場高原エリアや日帰り温泉施設が心強い存在。
アウトレットやグルメとセットで「下山後のご褒美パック」を組みやすい。
登山後は、想像以上に身体も頭も疲れている。
テンションが上がっているときほど、「長湯しすぎない」「湯上がりにしっかり水分をとる」という基本が大事だ。
それでも、湯船に浸かってふっと力が抜けた瞬間、
山頂で見た景色や、すれ違った登山者の顔、五合目からの空気の変化…
いろんなシーンがゆっくりと浮かんでくる。
富士登山の思い出を、「きつかった」だけで終わらせるのか、
「最後に最高の温泉が待っていた」と上書きするのか。
その分かれ道が、下山後にどの湯を選ぶかだったりする。
せっかく富士山に登るなら、ぜひ一セットで「登山+温泉」を味わってほしい。
書きながら、僕自身もまたあの下山後の一杯の水と一風呂を思い出して、むずむずしてきている。
よくある質問(FAQ)
Q1. 富士山がよく見える季節はいつですか?
A. 僕の体感も含めてはっきり言うと、いちばんの本命は冬(12〜2月)です。空気がキーンと澄んで、輪郭がびしっと決まる季節。
次の候補が秋。安定して見えやすくて、紅葉との組み合わせまで楽しめます。
一方で、夏は雲がもくもく湧きやすく、日中は「富士、どこいった?」となりがち。
でも逆に、早朝や夕方の一瞬だけ顔を出してくれたりするので、
「雲とのかくれんぼも含めて楽しむ季節」として狙ってみるのがおすすめです。
Q2. 雨や曇りの日でも楽しめる富士山ビュー温泉はありますか?
A. あります。しかも、そういう日こそ意外と良かったりします。
ポイントは、内湯・サウナ・食事処・休憩スペースがちゃんと充実しているかどうか。
この記事で紹介した「富士眺望の湯 ゆらり」や「富士八景の湯」は、富士山が見えない日でも
「普通に温泉として満足できる」タイプの施設です。
僕自身も、「あ、今日はダメだな」という天気の日は、
最初から“湯とごはんを楽しむモード”に切り替えて満喫しています。
Q3. 富士山が見える確率を上げるコツは?
A. シンプルですが、かなり効きます。
- 早朝(夜明け〜9時ごろ)を狙う
─ 富士山は、日が高くなるほど雲に隠れやすくなります。僕も撮影や取材のときは、だいたい朝勝負です。 - 当日のライブカメラをチェックする
─ 前日の天気予報だけに頼らず、当日の山頂付近の雲の様子をライブカメラで見ると、「今日は行く/今日はやめる」の判断がしやすくなります。
この2つをやるだけでも、「せっかく行ったのに、まったく見えなかった…」率はかなり下げられます。
Q4. タトゥーがあっても入れる富士山ビュー温泉はありますか?
A. これは本当に施設ごとにバラバラです。
タトゥーOKと明記しているところ、カバーシールでOKなところ、貸切風呂なら問題ないところなど、ルールはいろいろ。
なので、「必ず事前に公式サイトや電話で確認する」のがベストです。
特にインバウンド対応に力を入れている温泉は、タトゥーに柔軟なケースも増えてきています。
もし不安が大きい場合は、最初から貸切風呂や露天風呂付き客室を選ぶと、周りを気にせずゆっくり富士山を楽しめます。
Q5. 車なしでも行きやすい富士山ビュー温泉は?
A. 車がなくても大丈夫です。僕も取材で電車+バス移動をよくやりますが、
河口湖エリアと御殿場エリアは、かなり動きやすい部類に入ります。
新宿・東京・名古屋方面から高速バスや電車+路線バスでアクセスできて、
そこから徒歩や送迎バスで行ける温泉も多いので、
「運転は疲れるから、行きも帰りもゆっくりしたい」という人にはむしろおすすめです。
時刻表を見ながら、「このバスに乗って、この湯に入って、帰りはこれで…」と旅のパズルを組んでいく時間も、なかなか楽しいですよ。
まとめ|今日のあなたにとっての「いちばん綺麗な富士山」はどこにある?
ここまで、「富士山がいちばん綺麗に見える湯・真実ランキング2025」を一緒に旅してくれてありがとう。
書きながらずっと、「ここも連れて行きたい、あそこも紹介したい…」とウズウズしていたくらい、僕自身お気に入りの場所ばかりだ。
ざっと振り返ると、こんなラインナップだった。
- 「まずはここから!」という王道の絶景日帰り温泉なら…
→ 富士眺望の湯 ゆらり - 湖面に映る逆さ富士まで欲張りたいなら…
→ 休暇村 富士(田貫湖) - 買い物や登山と組み合わせて一日をフルで楽しむなら…
→ 富士八景の湯(御殿場) - 「富士山ビューの温泉旅館にちゃんと泊まる旅」をするなら…
→ 河口湖・山中湖・西湖の湖畔の宿 - 海・夕陽・シルエット富士という欲張りセットを狙うなら…
→ 西伊豆エリアの温泉旅館
どれが「絶対的な正解」というわけではない。
その日の天気、そのときのあなたの心の状態、一緒に行く人──この組み合わせで、
「今日のいちばん綺麗な富士山」は、いくらでも姿を変えてくる。
同じ湯に、同じ季節に行っても、
「前回より雲が多いな」「今日はやけに青が濃いな」と、毎回違う表情を見せてくれる。
だから僕は、何度でも通ってしまうし、何度でもこうして記事を書きたくなる。
湯けむり越しの富士山を見ていると、「今の自分ってこんな感じか」とふっと気づく瞬間がある。
晴れている日も、曇っている日も、それはそれで悪くない。
もし今、ちょっと疲れていたり、気持ちを切り替えたいタイミングにいるなら、
今回紹介した湯の中から「ここ、なんか気になるな」と感じた場所を、一つだけ選んでみてほしい。
今日の富士山に会えるのは、今日のあなたしかいない。
スマホのカレンダーに、そっと一日だけ「富士山ビュー温泉」と予定を入れる。
その瞬間から、もう旅は始まっている。
さあ、あなたにとっての「富士山がいちばん綺麗に見える湯」は、どの湯にしますか?
僕はこの先も、ノートを片手に新しい一湯を探し続けて、またここで報告します。
情報ソースと注意書き
最後に、ちょっとだけこのランキングの「裏側」もシェアさせてください。
この記事は、僕が実際に現地を歩き回ってノートを黒くしながら集めた体験に、
公的なデータや公式情報をきっちり重ねて作っています。
「なんとなくの印象」だけで順位をつけるのは、富士山にも読者にも失礼だと思っているからです。
具体的には、こんな情報を参考にしながらニヤニヤと検証しました(一部抜粋)。
- 富士山に関する各自治体(山梨・静岡など)の観光情報サイト
- 世界文化遺産としての富士山を解説する公式サイト・パンフレット類
- 各温泉・宿泊施設の公式サイト(富士眺望の湯 ゆらり、休暇村 富士、御殿場エリアの温泉施設、河口湖・山中湖・西湖・西伊豆の各旅館など)
- 国内外の旅行者による口コミ・レビュー(日本語・英語両方チェックしています)
現地での「うわ、これはすごい…!」という興奮と、
数字や公式情報から見える「客観的な強さ」を突き合わせながら、
できる限りフェアで、でも読んでいてワクワクするランキングになるように組み立てました。
※注意事項(ここだけはちょっと真面目に)
- 営業時間・料金・サービス内容・アクセス情報などは、日々アップデートされています。
記事執筆時点では正確でも、その後変わっている可能性があるので、
実際に訪れる前に、必ず各施設の公式サイト等で最新情報をご確認ください。 - 天候や季節、時間帯によっては、富士山がまったく見えないこともあります。
僕も何度も「今日は雲に完敗だな…」という日を経験しています。
富士山は気まぐれですが、それも含めて楽しんでもらえたらうれしいです。 - 本ランキングは、筆者の現地体験と各種情報をもとにした独自の評価です。
「絶対的な正解」ではなく、あなたが自分の“いちばんの一湯”を見つけるための地図のようなものとして使ってもらえたら幸いです。
もし実際にどこかの湯に行って、「こんな風に見えたよ」「ここも良かったよ」という発見があったら、
心のどこかで僕にもこっそり共有してもらえると、次の取材のモチベーションになります。
富士山ビュー温泉の“アップデート版”を作るのを、すでにワクワクしながらイメージしています。


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