富士山駅のバス乗り場は、1・2番が富士五湖や山梨県内方面、3番が富士山五合目行き、4・5番が首都圏や関西を結ぶ高速バスと明確に分かれています。
路線バスは交通系ICカードが利用可能で、高速バスは事前予約制です。
季節やマイカー規制で時刻表が大きく変動するため、目的地の乗り場番号を把握し、設備(ロッカー等)を確認した上で、乗車直前に公式サイトで最新ダイヤをチェックすることがスムーズな旅の結論です。
富士山の麓に広がる交通網は、現代の旅行者にとって目的地へ至るための極めて重要なインフラです。
富士山を長年見つめ、麓の森から山頂までを歩き続けてきた僕が、富士山駅における路線バス・高速バスの乗り場構造と時刻表の仕組みを解説します。
複雑なバスターミナルの全体像を論理的に読み解き、具体的な運賃目安や設備情報も交えてまとめました。
誰もが迷うことなく、効率的で安全な移動を実現するための完全ガイドです。
富士山駅のバス乗り場一覧:まずは自分が乗る番号を把握する
富士山駅の駅舎を出ると、目の前には広々としたロータリーが広がり、複数のバス乗り場が整然と並んでいます。
ここには富士急バスやフジエクスプレスなど、多数の路線が乗り入れており、行き先によって乗り場が完全に固定されています。
初めて訪れた人が迷わないための鉄則は、「自分の目的地が何番のりばから出発するのか」を事前に把握しておくことです。
以下に、主要な行き先と乗り場番号の対応をまとめました。
- 1番のりば:山中湖・御殿場・忍野八海方面(一般路線バス)
- 2番のりば:河口湖・甲府・新富士方面(一般路線バス)
- 3番のりば:富士スバルライン五合目(登山バス・シャトルバス)
- 4番のりば:新宿・東京駅・羽田空港方面(長距離高速バス)
- 5番のりば:京都・大阪・名古屋方面(長距離高速バス)
このように、1〜3番が主に周辺地域を結ぶ路線バス、4〜5番が都市部とを結ぶ長距離高速バスという棲み分けがなされています。
まずはこの大まかな構造を頭に入れておきましょう。
1番のりば:山中湖・忍野八海・御殿場方面
富士山周辺の自然や観光地を巡るなら、まずは1番のりばを活用することになります。
1番のりばからは、富士五湖の中で最も面積の広い山中湖方面や、富士山の湧水で知られる忍野八海方面へのバスが発着します。
山中湖エリアへのアクセスと運賃目安
「道志線」や「ふじっ湖号」などを利用すれば、旭日丘や平野といった山中湖の主要エリアへ直接アクセスできます。
富士山駅から山中湖(旭日丘)までの所要時間は約30分、運賃の目安は片道600円台です。
山中湖は標高が高く、夏場の避暑地としても人気を集めており、湖畔のサイクリングや白鳥の観察を楽しむ観光客で賑わいます。
忍野八海・御殿場方面への広域ルート
また、「特急忍野八海線」や「内野〜忍野八海〜富士山駅」線は、透明度の高い湧水池が点在する忍野村への貴重な足となります。
忍野八海までの所要時間は約20分、運賃は400円程度です。
さらに足を延ばして静岡県側の御殿場プレミアム・アウトレットや御殿場駅へ向かう路線も、この1番のりばから出発します。
御殿場駅までの所要時間は約1時間15分、運賃は1,500円台が目安となります。
2番のりば:河口湖・甲府・新富士方面
2番のりばは、山梨県の県庁所在地や静岡県の新幹線駅など、さらに広域へのアクセスを担っています。
観光の中心地である河口湖駅へも、ここから頻繁にバスが運行されています。
河口湖駅・富士急ハイランドへの近距離移動
富士山駅から河口湖駅までの所要時間はわずか10分〜15分程度で、運賃も200円台と手頃です。
富士急ハイランドを経由する便も多く、遊園地を目指す若い旅行者やファミリー層によく利用されています。
電車の富士急行線でも河口湖へ行けますが、目的地によってはバスの方がスムーズなケースもあります。
甲府や新富士への長距離一般路線
注目すべきは、山梨県の中心部へ向かう「甲府線」と、静岡県側へと抜ける「新富士線」です。
甲府線は、石和温泉などの温泉地を経由しながら甲府駅へと至る路線で、所要時間は約1時間半、運賃は1,500円強です。
一方の新富士線は、本栖湖や青木ヶ原樹海の近くを通過し、東海道新幹線の新富士駅へと至るダイナミックな路線です。
新富士駅までの所要時間は約2時間強、運賃は2,500円台が目安となります。
山梨側から静岡側へ、富士山の西麓をぐるりと回るこのルートは、車窓からの景色も素晴らしく、変化に富んだ地形を楽しめます。

3番のりば:富士山五合目を目指す登山バスの活用
富士登山や、標高2,000m超の景観を楽しむ観光客にとって最も重要なのが、3番のりばです。
ここから発着する「富士山駅〜富士スバルライン五合目」線は、北麓観光の花形とも言える路線です。
五合目路線の所要時間と運賃
この路線は、有料道路である富士スバルラインを経由して、標高2,305mの吉田口五合目へと直行します。
所要時間は約1時間、運賃の目安は片道1,600円程度(往復割引乗車券の販売もあり)です。
早朝から一定の間隔で運行されており、窓口で往復乗車券を買っておくと帰りの精算がスムーズになります。
混雑期の対策とマイカー規制
7月上旬から9月上旬の登山シーズンには利用者が急増するため、臨時便も多数運行されます。
特に注意すべきは、夏の「マイカー規制」期間中です。
この期間、自家用車で五合目まで上がることはできず、麓の富士山パーキングでシャトルバスに乗り換える必要があります。
3番のりばから出る路線バスは、規制期間中も五合目まで直接乗り入れるため、電車で富士山駅に到着した登山者にとって不可欠な交通手段です。
重い登山ザックを背負ったまま、乗り換えなしで登山口まで行けるメリットは非常に大きいです。
4番・5番のりば:首都圏・関西からの高速バス路線
富士山駅のハブ機能を決定づけているのが、4番と5番のりばから発着する長距離高速バスのネットワークです。
日本各地からの直行便が、このターミナルに集約されています。
4番のりば:首都圏・空港からの多彩なアクセス
4番のりばは、主に東京方面への路線が割り当てられています。
最も本数が多いのは、バスタ新宿とを結ぶ「新宿〜富士五湖線」で、所要時間は約2時間、運賃は2,000円台前半です。
他にも、東京駅や渋谷、池袋など、都内の主要ターミナルから直行便が運行されています。
近年特に重要性を増しているのが、羽田空港や成田空港から直接アクセスできる空港連絡バスです。
大きなスーツケースを持ったまま、乗り換えなしで富士北麓に到着できるため、訪日外国人観光客(インバウンド)から絶大な支持を集めています。
5番のりば:関西・中京圏からの長距離便
5番のりばからは、西日本方面との長距離便が発着します。
京都駅や大阪駅前を結ぶ夜行高速バス「フジヤマライナー」や、名古屋からの直行便「リゾートエクスプレス」などが代表的です。
これらの車両の多くは、3列独立シートやトイレ付き車両が導入されており、長時間の移動でも快適に過ごせる設計です。
夜行便を利用すれば、早朝の富士山駅に到着し、そのまま登山や観光の好スタートを切ることが可能です。
遠方からの旅行者にとって、時間を有効活用できる夜行バスの存在は非常に心強いものです。
乗車券の購入方法とICカードの利用可否
バス乗り場を把握した次に気になるのが、「切符をどうやって買うか」「ICカードは使えるか」という実用情報です。
一般路線バスは交通系ICカードに対応
1〜3番のりばから発車する一般路線バス(五合目行きを含む)は、原則としてSuicaやPASMOなどの全国相互利用交通系ICカードが利用可能です。
乗車時にドア付近のリーダーにタッチし、降車時に運賃箱のリーダーに再度タッチして精算するシステムです。
小銭を用意する手間が省けるため、残高を多めにチャージしておくことを強くおすすめします。
高速バスは事前の座席予約が基本
一方、4〜5番のりばから発車する高速バスは、事前の座席予約が基本となります。
乗車券は「ハイウェイバスドットコム」などの予約サイト、全国のコンビニエンスストアの端末、または富士山駅の窓口で購入できます。
新宿線などの人気ルートは週末や連休に満席になることが多いため、乗車日直前に窓口に行っても乗れないリスクがあります。
旅行のスケジュールが決まり次第、なるべく早くWEB等で予約を済ませておくのが確実です。
富士山駅の便利な設備:ロッカー・待合室・トイレ
富士山駅は、単なる乗り場ではなく、旅行者をサポートする充実した設備を備えています。
駅に直結している駅ビル「Q-STA(キュースタ)」の存在が、待ち時間の快適さを大きく左右します。
コインロッカーとトイレの場所
重い荷物を持った旅行者にとって、コインロッカーの場所は死活問題です。
富士山駅のコインロッカーは、改札を出てすぐの駅構内や、駅ビル「Q-STA」の1階入口付近に設置されています。
大型のスーツケースが入るサイズも用意されていますが、繁忙期には埋まりやすいため注意が必要です。
トイレもターミナル周辺に複数あり、駅の改札外やQ-STA内の清潔なトイレを利用できます。
バスに乗る前には、必ずここで用を済ませておくのが鉄則です。
待合室と空き時間の過ごし方
ロータリーのすぐ近くには、屋内型の待合室が整備されており、悪天候の日や冬の厳しい寒さの中でも快適にバスを待つことができます。
また、Q-STAの地下1階にはフードコートがあり、名物の吉田のうどんなどを手軽に味わうことが可能です。
時間に余裕があれば、Q-STAの6階(屋上)にある富士山展望デッキに足を運んでみてください。
晴れた日には、裾野まで広がる壮大な富士山の姿を真正面から捉えることができ、旅の期待感を最高潮に高めてくれます。

タウンスニーカー(市内循環バス)の活用
広域移動だけでなく、富士吉田市内を細やかに巡るコミュニティバス「タウンスニーカー」の存在も忘れてはなりません。
タウンスニーカーは、観光客だけでなく地域住民の生活の足としても機能しています。
歴史ある街並みを巡る3つのルート
タウンスニーカーは、「上暮地・明見循環線」「中央循環線」「熊穴・新倉循環線」の3つのルートで構成されています。
運賃は1回乗車につき100円(一部区間を除く)と非常にリーズナブルです。
これらのバスは、富士吉田の歴史ある街並みを巡るのに最適です。
富士山信仰の象徴である「金鳥居」や、かつての登拝者の宿坊であった御師(おし)の家が並ぶ歴史的エリアへのアクセスには非常に便利です。
路線によって右回りと左回りがあるため、乗車前に経路図と時刻表をしっかり確認して活用しましょう。
時刻表の確認方法:季節と気象で変動するダイヤの罠
富士山駅のバスを利用する上で、乗り場の把握と同じくらい重要なのが「正しい時刻表の確認」です。
特別ダイヤと季節変動のリスク
バス路線のダイヤは、年間を通じて一定ではありません。
お盆期間やゴールデンウィーク、年末年始は、平日であっても「休日ダイヤ」での運行となる路線が多数あります。
さらに、富士スバルライン五合目行きの路線は、夏期の登山シーズンに合わせて大幅に増発されます。
一方で冬期は、路面凍結や積雪の影響で運休、あるいは手前の四合目や一合目までの短縮運行となることが珍しくありません。
情報は常に「最新」を取得する
「去年来た時はこの時間のバスがあった」「ガイドブックに載っていた」という経験則や古い情報は、富士山周辺の交通網においては通用しません。
富士急バスの公式サイトや、乗り換え案内アプリを利用し、乗車予定日を指定した上で最新の時刻表を事前に確認することが絶対条件となります。
山の天気は変わりやすく、台風や大雪の際は突発的な運休も発生します。
当日の朝にも、運行状況のウェブサイトをチェックする習慣をつけておくと安心です。
筆者の考察:北麓の交通インフラが直面する課題と未来
ここからは、富士山の歴史や自然を見つめ続けてきた筆者として、富士山駅を中心とする地域交通インフラの現状と、今後の見通しについて考察します。
オーバーツーリズムと環境保全のバランス
現在、富士山駅に集約されるバス路線は、富士北麓を国際的な観光ハブへと押し上げる原動力となっています。
しかし同時に、利便性の向上がもたらした「オーバーツーリズム」という深刻な課題に直面しているのも事実です。
特に夏期の富士スバルラインは、大量のバスやタクシーが頻繁に往来することで、排気ガスによる環境負荷や渋滞を引き起こしています。
富士山の脆弱な自然環境を保護するためには、現在の化石燃料に依存した大量輸送モデルから、より環境負荷の低いシステムへの移行が急務であると考えられます。
LRT(次世代型路面電車)構想の行方
この課題に対する一つの解決策として議論されているのが、富士スバルラインへの「次世代型路面電車(LRT)」の導入構想です。
富士山駅から五合目までを軌道交通で結ぶことで、排ガスをゼロにし、確実な定時運行と入山者の総量規制を同時に実現しようという計画です。
筆者としては、この構想には景観保護や莫大な建設コストといった課題があるものの、持続可能な富士山観光を実現するための有力な選択肢の一つであると評価しています。
バスという柔軟なインフラと、LRTという大量輸送のインフラをどう組み合わせ、自然と共存させていくかが、今後の北麓地域のデザインを決定づけるでしょう。
地域住民の足との両立:次世代モビリティへの移行
さらに、観光客向けの交通インフラと、地域住民の生活の足との両立も重要なテーマです。
全国の地方都市で路線バスの維持が困難になる中、富士北麓でも、地元の高齢者などが日常的に利用する末端の路線網をいかに維持していくかが問われています。
山梨県内の他地域では、一部の路線バスが「予約型乗合タクシー(デマンド交通)」へと移行された事例もあります。
富士山駅周辺でも、観光客向けの広域路線を充実させる一方で、タウンスニーカーのようなコミュニティバスの最適化を含め、データに基づいた緻密な路線の再編が進んでいくと予測されます。
交通インフラの未来は、ただ便利さを追求するだけでなく、その土地の自然や人々の暮らしをどう守るかという哲学の表れでもあるのです。
まとめ:富士山駅を使いこなし、心に残る旅を
富士山駅のバスターミナルは、大きく分けて以下のポイントを押さえることで確実に攻略できます。
- 1番・2番のりばは、富士五湖や広域都市への一般路線。
- 3番のりばは、富士山五合目への登山・観光路線。
- 4番・5番のりばは、首都圏や関西を結ぶ長距離高速バス路線。
- 支払いはICカードが便利。高速バスは早めの事前予約を。
- ロッカーや待合室など、駅の設備を有効活用する。
- 時刻表は季節や気象で大きく変動するため、直前に公式サイトで確認する。
それぞれの乗り場が、どのような歴史や自然の背景を持つ場所へ繋がっているのかを理解することで、単なる移動時間は豊かな知見を得る時間へと変わります。
霧に隠れる富士は、人の心の迷いに似ています。
しかし、バスターミナルの構造という事実をしっかりと掴み、十分な準備をしておけば、旅の迷いは消え去ります。
富士山駅のバスを正確に使いこなし、大自然と歴史を体感する素晴らしい時間を過ごしてください。
よくある質問
富士山駅から富士スバルライン五合目までのバスは予約が必要ですか?
3番のりばから発車する一般の路線バス(登山バス)は、基本的に予約不要で乗車できます。ただし、夏山の混雑時は順番待ちの列に並ぶ必要があります。新宿などから五合目への直通高速バスを利用する場合のみ、事前の座席予約が必須です。
富士山駅のバス料金の支払い方法は?
1〜3番のりばの一般路線バスは、現金のほか、SuicaやPASMOなどの全国相互利用交通系ICカードが利用可能です(車内でチャージできない場合があるため事前チャージを推奨)。高速バスは、WEB予約時のクレジットカード決済やコンビニ決済、または駅窓口での事前購入となります。
コインロッカーや大きな荷物を預ける場所はありますか?
はい、あります。富士山駅の改札を出たすぐの場所や、併設されている駅ビル「Q-STA」の1階入口付近に多数のコインロッカーが設置されています。大型のスーツケースが入るサイズもありますが、夏の登山シーズンや連休中は早い時間帯に埋まってしまうことがあるためご注意ください。


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