富士急行線・富士山駅(旧富士吉田駅)から富士スバルライン五合目へ向かう路線バスは、駅前バスターミナル「6番のりば」から発着しています。
山梨県が2024年7月1日に施行した「山梨県富士山吉田ルート通行適正化等条例」により、通行予約制度や午後2時以降のゲート閉鎖規制が本格運用される中、五合目への公共交通アクセスは事前予約と運行ダイヤの把握が登頂の可否を分ける最重要事項となりました。
本記事では、富士急バスが公表している最新の運行計画、乗り場での乗車手続き、往復運賃の支払いルール、そして山梨県の通行規制が登山者の動線に与えた実態について、現地を取材してきた登山エッセイストの視点から余すところなくお伝えします。
富士山を眺めながら過ごせるグランピングは、施設によって景色も過ごし方もかなり違います。
「どこを選べばいい?」と迷ったら、富士山周辺のグランピング選びをまとめた記事を先に見ておくとイメージしやすいです。
富士山駅の五合目登山バス乗り場はどこ?6番のりばの場所と乗車券の買い方
富士山駅から富士スバルライン五合目へ直行する路線バスは、駅改札を出てすぐ正面のバスターミナル「6番のりば」から発車します。
改札口から乗り場までは平坦なロータリーを徒歩約1分で移動できるため、重い大型ザックを背負った状態でも迷わずスムーズにアクセスできます。
乗車チケットを事前に持っていない場合は、バスへ並ぶ前に駅舎内にある「富士山駅バスきっぷうりば(観光案内所併設窓口)」へ立ち寄る必要があります。
窓口の営業時間は通常午前8時30分から午後5時までとなっており、現金決済のほか各種クレジットカードでの乗車券購入に対応しています。
ただし、往復割引乗車券はバス車内での清算・購入が一切認められていないため、乗車前に窓口で購入を済ませるか、デジタル乗車券をスマートフォン上に準備しておかなければなりません。
週末や夏山シーズンの早朝はきっぷ売り場窓口に行列ができるため、発車時刻の20分前には駅へ到着しておくのが確実な乗車手順です。
また、スーツケースや不要な着替えを預けたい登山者向けに、改札横およびバスターミナル待合所内にコインロッカー(小・中・大・特大サイズ)が完備されています。
コインロッカーが満杯の際も、手荷物預かり所が営業している時間帯であれば窓口で有助手荷物預かりを利用できるため、不要な荷物を山麓に預けて身軽に出発するのが賢明です。
富士山駅〜五合目バスの時刻表と運行ダイヤ【始発・最終・所要時間】
富士急バスが運行する富士山駅〜富士スバルライン五合目線の路線バスは、標高809mの山麓から標高2305mの天上界までを標準所要時間約65分で結んでいます。
以下に示す運行スケジュールは、2024年改正ダイヤに基づく基本の定期運行ダイヤです。
なお、富士スバルラインのマイカー規制期間(例年7月中旬から8月末まで)や週末特定日には、早朝登山者向けの臨時急行便やシャトルバスが増便される特別ダイヤ体制が組まれます。
気象警報の発令、路面凍結、落石、あるいはスバルライン道路自体の通行制限が実施された場合、三合目や四合目大沢展望台での折り返し運行、もしくは全区間運休となる場合があります。
便名 富士山駅発 河口湖駅発 三合目発 五合目着 備考
上り1便(始発) 09:30 09:40 10:12 10:35 山麓から五合目への午前基幹便
上り2便 10:30 10:40 11:12 11:35 登山客が最も集中しやすい時間帯
上り3便 11:30 11:40 12:12 12:35 昼前到着・高度順応に好適
上り4便 12:50 13:00 13:32 13:55 到着後即ゲート閉鎖時刻に直面
上り5便(最終) 13:50 14:00 14:32 14:55 山小屋予約者のみ通行可能
午後の4便や5便で五合目へ入る登山者は、山梨県の入山規制ルールにより山小屋の宿泊予約が必須条件となる点に強く注意してください。
便名 五合目発 三合目発 河口湖駅着 富士山駅着 備考
下り1便(午前) 11:30 11:48 12:15 12:25 早朝登頂・昼前下山組の接続便
下り2便 12:30 12:48 13:15 13:25 御来光後に山小屋を出た標準便
下り3便 13:30 13:48 14:15 14:25 午後序盤の安定輸送便
下り4便 14:50 15:08 15:35 15:45 下山遅延時のセーフティ枠
下り5便(最終) 15:50 16:08 16:35 16:45 乗り遅れ絶対厳禁の最終便
山頂から五合目までの標準下山所要時間は約3時間から4時間を見込むため、夕方の最終便(15:50発)を逃さないよう余裕を持った下山計画を立てることが不可欠です。

登山バスの運賃比較と支払いルール!往復券購入の注意点
富士山駅・河口湖駅からスバルライン五合目までの路線バス運賃は、片道利用と往復利用で金額および決済方法のルールが大きく異なります。
2日間にわたる標準的な1泊2日の行程であれば、往復乗車券を選択することで片道ずつ支払うよりも600円(小人300円)割安になります。
券種 大人運賃 小人運賃 有効期間 購入場所および対応決済手段 車内清算の可否
往復乗車券 3,400円 1,700円 発売日を含め2日間 駅窓口(現金・クレジットカード)/WEBチケット(スマホ決済) 不可(車内販売なし)
片道乗車券 2,000円 1,000円 発売当日限り有効 駅窓口(現金・クレジット)/バス車内(交通系ICカード・現金) 可能(現金またはIC)
利用にあたって最も注意すべき点は、割引が適用される「往復乗車券」はバス車内の運賃箱では購入できないという運行規約です。
乗車時に整理券を取り、降車時に運賃箱へ現金を投入する場合は「片道運賃(2,000円)」の清算となり、復路の割引を受けることはできません。
往復券を利用する場合は、必ず富士山駅の窓口であらかじめ紙の往復切符を購入するか、「Fujiyama Connect」や「QUICK TRIP」「ジョルダン」等の電子チケットサービスで事前決済を済ませてください。
片道乗車券のみ車内精算が可能ですが、車内でのキャッシュレス決済はSuicaやPASMOなどの全国相互利用交通系ICカードのみ対応しており、車内でのクレジットカードタッチ決済は非対応となっています。
また、往復券を買わずに五合目まで上がり、復路の片道切符を五合目レストハウス前の現地窓口で買い求める場合、通信環境や機器の都合上「現金決済のみ」となるケースが多いため、山上への現金携行は絶対の必須条件です。
マイカー利用者が山麓の有料駐車場「富士山パーキング(山梨県富士山科学研究所敷地内・駐車料金1台1,000円)」から利用するシャトルバスも、同額の往復3,400円(片道2,000円)で設定されています。
せっかく富士山の近くまで行くなら、「泊まる場所」そのものも旅の楽しみにしたいところです。
実は富士山周辺には、景色を楽しむ施設、食事を楽しむ施設、プライベート感を重視した施設など、選択肢があります。
何を基準に比べればいいのか、富士山グランピングの特徴と選び方をこちらの記事でまとめました。
候補を探し始める前に、ざっと目を通しておくだけでも選びやすくなります。
山梨県の富士登山規制と通行予約制度とは?2024年からの変更点
富士山の環境保全と過密登山の解消、そして軽装による夜通し登山(弾丸登山)の防止を目的に、山梨県は県営富士スバルライン五合目に規制ゲートを常設し、条例に基づく本格的な通行規制を施行しました。
かつてのように「バスに乗って五合目へ着けば誰でも自由に歩き出せる」という時代は終わりを告げ、現在はバスの乗車と登山道の通行要件が完全に連動しています。
- 夏山登山期間:7月1日〜9月10日(下山道は9月11日午前まで開放)
- 登山道ゲート閉鎖時間:午後2時(14:00)〜翌午前3時(03:00)
- ゲート通過制限の例外:山小屋の宿泊予約が確認できた登山者のみ、午後2時以降のゲート通過を許可
- 1日あたりの登山者上限:1日最大4,000人(事前通行予約枠3,000人/当日受入枠1,000人)
- 富士山通行料(山梨県条例):登山者1人あたり2,000円を義務徴収(従来の任意寄付金「富士山保全協力金1,000円」と合わせると実質3,000円負担)
特に影響が大きいのは「午後2時から翌午前3時までの入山規制」です。
長崎幸太郎山梨県知事が主導して成立させたこの通行適正化条例は、山小屋での休息をとらない無謀な夜間弾丸登山を根絶するための歴史的な決断でした。
富士山駅発の第4便(12:50発・五合目13:55着)や第5便(13:50発・五合目14:55着)を利用する場合、五合目に着いた時点でゲート閉鎖時刻を過ぎるか直前となります。
山小屋の予約証明書(予約確認メールやバウチャーの画面提示)を持参していない登山者は、ゲート前で警備員に進入を阻止され、登山口から先へ進むことができません。
富士登山オフィシャルサイトの事前通行予約システムを利用し、通行料の事前決済とQRコードの発行を完了させておくことが、現在の富士登山における絶対条件となっています。
万が一の転倒事故や高山病による救護搬送に備え、富士急トラベル等が扱う1泊2日500円〜1,000円前後の「富士登山山岳保険」への任意加入も強く推奨されています。

登山エッセイストの専門的分析:規制導入後の登山動態と交通への影響
登山エッセイストおよび火山地質学を研究してきた僕の視点から、近年の通行規制とバス輸送の変化を分析すると、霊峰富士の登山文化そのものが劇的な構造転換を迎えていることが浮き彫りになります。
南アルプスの北沢峠や上高地におけるマイカー規制が「自然保護と過密抑制」に成功してきた歴史と比較しても、山梨県が踏み切った今回の通行料徴収とゲート閉鎖は、日本の山岳マネジメントにおいて極めて踏み込んだ措置です。
僕が2024年の夏山シーズンを通して現地取材を重ねる中で目撃したのは、五合目規制ゲート前で展開される極めて厳格なオペレーションでした。
ゲートには警備員と多言語対応スタッフが常駐し、黄色いリストバンドの装着確認とQRコード読み取りが一人ひとりに対して徹底して行われていました。
施行初期には、規制を知らずに午後便のバスで到着した外国人個人旅行者が「なぜ登れないのか」と英語や中国語で詰め寄り、スマホの山小屋予約画面を必死に探す姿が日常的に見受けられました。
しかし、この厳格な関門が機能した結果、山梨県が公表した夏山登山期間の総括データによると、吉田ルートの登山者数は前年比で約15〜20%減少し、過密による登山道渋滞は大幅に緩和されました。
さらに顕著だったのは、七合目・八合目の救護所における夜間の低体温症や高山病による搬送件数が前年比で3割以上減少したという事実です。
軽装で五合目に夕方到着し、ヘッドライト1つで山頂を目指す危険な「0泊弾丸登山者」が物理的に排除された効果は絶大でした。
一方で、交通インフラと登山者の行動パターンには新たな過密の偏りと課題が生じています。
山小屋宿泊者以外の通行が午前3時以降に解禁されるため、早朝第1便(富士山駅09:30発)や第2便(10:30発)のバス、あるいは午前3時の開門直後に登山者が殺到し、五合目安全指導センター付近で局所的なボトルネックが発生する現象が見られます。
また、山梨県側の吉田ルートに4,000人の受入枠と2,000円の通行料が課された結果、規制手数料が発生しない静岡県側3ルート(富士宮・御殿場・須走ルート)へと登山者が分散・流出する現象が確認され、環境省の登山者カウンター調査でも静岡側ルートの利用比率が上昇傾向を示しました。
バスダイヤに関しても、過去のように深夜の弾丸登山者を送り届ける臨時便は完全に姿を消し、昼間の定期便を主軸とした整然たる運行体制へと適正化されています。
利便性をひたすら追求して輸送量を増やす時代から、自然環境の収容力(キャリングキャパシティ)に合わせて交通と入山を厳格にコントロールする時代へ移行したと言えます。
霧に隠れる富士は人の心の迷いに似ていますが、山が見せる厳しさは私たち自身の覚悟を試しているようにも思えます。
富士山駅の6番のりばに立つ登山者一人ひとりにも、かつて富士講の先達たちが厳格な作法を守って登拝したように、自らの行動責任と山岳規律を受け入れる意識改革が求められているのです。
まとめ:富士山駅からの富士登山を成功させる重要ポイント
富士山駅を起点とする富士登山は、鉄道駅からの乗り継ぎ距離が短く、コインロッカーやきっぷ窓口がコンパクトにまとまった最も機能的なアクセスルートです。
安全で確実な山旅を完遂するために、以下の要点を最終確認として心に留めておいてください。
- 乗り場は駅前ロータリーの「6番のりば」であり、改札口から徒歩1分の位置にある
- 往復乗車券(大人3,400円)はバス車内での清算・購入が不可能なため、駅窓口かオンラインで事前購入する
- 山小屋の宿泊予約がない登山者は、午後2時以降の五合目ゲートを通過できない
- 富士スバルラインの通行料2,000円と事前予約枠の確保を事前に完了させておく
- 最終下りバス(五合目15:50発)に乗り遅れないよう、下山時間は4時間以上の余裕を見込む
入念な下調べと適切な装備を整え、万全の体調管理のもとで霊峰富士の頂を目指してください。
よくある質問
富士山駅の五合目行きバス乗り場は何番のりばですか?
富士急行線・富士山駅の改札を出てすぐ正面のバスターミナル「6番のりば」です。乗り場のすぐ向かい側に「富士山駅バスきっぷうりば」窓口が設置されており、乗車券の購入や問い合わせが可能です。
往復乗車券をバス車内で現金やSuicaで支払うことはできますか?
できません。往復割引乗車券(3,400円)は車内での発売を行っていません。車内で清算する場合は片道運賃(大人2,000円)の支払いのみとなり、交通系ICカードまたは現金での対応となります。往復券を利用したい場合は、必ず乗車前に駅窓口で購入するか、WEB予約決済を完了させてください。
山小屋を予約していなくても、富士山駅から午後便のバスに乗って登山できますか?
午後2時以降に五合目ゲートを通過できないため、日帰り登山目的での午後便利用は実質的に不可能です。山梨県の条例により、山小屋宿泊予約のない登山者は14:00から翌朝03:00まで登山道への進入が禁止されています。午後便で五合目へ向かう場合は、五合目の「富士急雲上閣」や山上の山小屋の予約が必須となります。
富士山旅行では、観光地だけでなく「どこで夜を過ごすか」でも旅の印象は大きく変わります。
ホテルとは少し違う時間を楽しみたいなら、富士山を望めるグランピングも候補のひとつです。
ただし、景観、食事、設備、アクセスなどは施設ごとに違うため、雰囲気だけで決めると迷いやすいところ。
そこで、富士山周辺でグランピングを探すときに知っておきたいポイントを、こちらの記事で分かりやすく整理しています。
次の富士山旅行を考えている方は、気になる施設を探す前の参考にしてみてください。
「こんな過ごし方もあるのか」と、旅の選択肢が少し広がるはずです。


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